峨眉山 月の歌――李白の訳

峨眉山がびさん 月の歌

峨眉山がびさんがある、月は半輪はんりん、秋である。
月光のなす山影やまかげは、
平羌へいきょうを通る長江ちょうこう水面みなもにかかって流されている。
夜、舟で清渓せいけいを発ち、三峡さんきょうに向かう。
君を思ってみても、何故だか今夜は、
記憶きおくの中の面影おもかげすら
長江ちょうこうに流される この峨眉山がびさんの影のように)
ぼんやりとして、
君を見たくても、見ることができずに、
ただただ僕は、渝州ゆしゅうへとくだっていく。
(おぼろげな影は次第に、さらに僕から遠のいてゆく)

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