◇待ちわびる楽しみ

十日に、心待ちにしている小説が発売されます。日にちが近づき、作者ご本人によるカウントダウンが進行しているところ。併せて情報の解禁も……。今日は、とうとう試し読みが公開されたとのこと。さっそく目を通し、冒頭から脳が痺れるくらい奮い立つようなシーンに迎えられ、高揚感にぽわぽわしています。
読み進めたいきもちと、お楽しみを取っておきたいきもちとで揺れ動いた結果、章ひとつ分で区切りをつけました。まだ先があったのだけど、これ以上のめりこむと、試し読みの先を渇望しながら発売日を迎えることになる。だからキリのいいところで、自制自制。

本を手に取る瞬間も愛しいものですが、待ちわびる時間もまた、愛おしいものです。あと二月、一月と数えていたものが、三週間、二週間となり、十日、九日、八日……と一日刻みになっていく。表紙やあらすじ、新キャラクターに試し読みと、徐々に明らかにされていく情報を追って想像を膨らませていくのは、とてもわくわくする。
そういう待ちわびる時間あってこそ、書店で実物を迎えるときの高揚感、幸福感があるのかもしれません。

発売日まであと四日、その時間さえじっくり味わいながら、手にするその時を待ちたいと思います。ああ、とても楽しみ!