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社会不適合者がシェアハウスに住んだら大勝利した話

 大学の勉強が難しすぎて、躁鬱になり。
 親族のコネで入った会社も二年でやめ。
 最初は病気を心配していた親も、いつまでたっても働かない娘を邪険に扱い。
 実家に閉じこもって、ただ死なないだけの日々をすごしていました。

 勇気を出して申請すると、障害年金をもらえることになりました。過去に遡ってかなりの金額が手に入りました。
 大学の奨学金を返し切って、親への借金も返して。
 私は身一つで、激安シェアハウスに入居したのです。

 最初はやっぱり大変でした。慣れない環境、人間関係の構築失敗など。
 しかし、実家よりは全然マシです。イヤな場所から離れて、少しずつ神経が健全になっていました。

 家賃の減額目当てでシェアハウスの住み込み管理人に立候補したのですが……これがなかなかいい方向に転がりました。
 元ひきこもりニートが、ごみ捨てや内見の案内などで人の役に立てるのです。健常者にとっては当たり前にできる家事の一つでも、自分が社会のゴミだと思い込んでいた人間には効果が抜群でした。

「人の! 役に! 立てる!」
 実際、とても感謝されるのです。充実した仕事をやりながら、住民と少しずつ仲良くなれました。

 心に余裕が出てきたので、人間関係について少しずつ学べるようになりました。どうやら、『陽気ないい奴』であれば、大概の事はうまくいくようです。

 私はコミュニケーションをがんばって取りました。どうやら自分が陰気だったのは実家のせいだったみたいで、今ではリビングで小粋なジョークを飛ばせる程度には明るい人間になれました。シェアハウスの身内はもちろん、それ以外の対人関係においても急激に成長できた気がします。

 手垢のついた言葉ではありますが、人生は選択の連続です。
「障害年金の申請を決めた」
「実家を出ると決めた」
「このシェアハウスに住むと決めた」
「管理人になると決めた」
「諦めずに、周りとコミュニケーションをとると決めた」
 たった三年の間ですが、数多くの決断をしてきました。その結果は前進、後退、喜び、悲しみなど……様々な感情を私に与えてくれました。

 もし、発達障害や二次障害、鬱や引きこもりなどの問題で苦しんでいる方がこの文章を読んでいるならば。可能な限り、住環境を変えてみてください。
 都会でも田舎でも構いません。とにかく、今とは異なる場所に身を置きましょう。何かしらの変化が、あるはずです。どうせ今がどん底なのだから、決断によって人生が変化するなら上昇しかありえません。そうでしょう?

「シェアハウスは若いうちにしか住めない。まともな大人になるという決断を、先送りにしているだけだ」と言われたこともあります。
 しかし、私はもう決めています。誰がなんと言おうと、死ぬまでここに住み続けることを!

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