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スリランカへの通過儀式

 皆さん、こんばんは。明日から暦上は2連休、そして3月も早いことで最後の週末です。ちょうど今くらいになると「もう一年の4分の1が終わっちゃったね〜」やら、「年々一年が早く感じるね〜」やら、「紅白やってたのつい最近に感じる〜」やら、そんな小鳥の囀りが至る所で聴こえてきたりこなかったりします。そんな今日この頃。皆さんはお年始に決めた今年の抱負を覚えていらっしゃいますか。とは言っても私はお年始に抱負は特に考えていませんでしたが、スリランカに今年は行くんだ!ということでチョット浮ついた気持ちだったのを覚えています。そんなスリランカ旅行の話を、金曜日である今日も少しお話させて下さい。
 インドの南に位置する島国スリランカ。紅茶やスパイスが有名な事は知っていましたが、地理歴史全般が苦手な私はそれ以上の知識は持ち合わせていませんでした。風土は?文化は?公用語は?気候は?食べ物は?なんなら治安や物価などの事前に知っておいた方が良い知識すら存じ上げておりませんでした。でもそこはそこそこ勤勉な私は「旅行日までに調べるという楽しみもあるし、その方が段々興味も深まって行くはず!」「その土地の歴史や風土、慣習なんかを知っていれば機微に触れた旅行になるはず!」なんて考えておりました。が、まぁ……あれですよね。人間は怠惰な側面を少なからず持っています。ほら、私だって人間ですから気付いたらあれですよ、残り数日。なんならパッキングだけで精一杯。結局ほとんど下調べもせず、海外旅行だからこれは必要だろうというアイテムを調べて荷造りしたらもう前日で、結局殆ど知識のないままスリランカ旅行に臨ことになりました。
 スリランカ旅行をした話をすると、「スリランカはどこを経由して行くの?」と聞かれることが多いですが、日本からスリランカへは『スリランカ航空』で途中経由なく行くことが出来ます。成田発スリランカ主要都市コロンボへ約10時間の空の旅……いやー正直長かったです。機内では日本未公開の映画あったり、事前にNetflixやYouTubeから動画をダウンロードして準備万端で行きましたが、正直お尻が幾つに割れても足りないくらい割れました。なので皆さん!巷ではアイマスクがどうとか、ネックピローがどうとか、終いにはほれスリッパがどうとかいうとりますが、必要なのはクッションです!薄地でありながら尾骨をしっかり優しくフォローしてくれるクッションこそが正義です。って、まぁそんなことを考えながら長い旅が始りました。何事も経験ですね。経験といえば、10時間の尻割飛行機で考えさせられたことがあります。それはサービスについてです。よく日本のサービスは素晴らしい!とか耳にするじゃありませんか、アレの意味がやっとわかりました。例えば機内食の場面でこんなことがありました。機内食は事前にメニューが配られているので、やれまだ日本が名残惜しいからフィシュにするだの、やれカレーが食べたいからチキンにするだの、なんならアーユルヴェーダの準備はここから始まっているからヴィーガンにするだの、巷ではいうとるじゃないですか。私も例に漏れずそんな考えをしながら、更にじゃあ英語で何て言えば良いのかなんて考えておりました。うん、そうですよね普通。でね、徐々にワゴンを押したCAさんが私に近付き、そして定型文通りこう囁くんです「Would you like chicken or fish ?」って。ありがとう、君が言ってくれた通りだったよNEW HORIZON(ニューホライズン)。中学英語で止まっている私は教科書に感謝を込めながら、しっかりと答えました。「Chicken, please.」ってね。英会話って以外に簡単!もうここまで来れば私にはCAさんの「OK!」の掛け声に合わせて、チキンカレーが運ばれる未来が手に取るように見えました。もう0.5秒後の未来にかぶり気味で受け取るべく手を伸ばしたその瞬間、未来って簡単に裏切ってくるですね。手を伸ばしかける私に「chicken.No.」「Fish only 」って、ちょっと厳しめに言ってくるじゃありませんか。もう混乱ですよ。だって、あーた、私は聞きましたよ。チキンと魚どっちにするかって。正直ここの詳細な記憶は棍棒で脳天を抉られたような衝撃で、未だに痺れていてハッキリ覚えていません。ただ、冷静に考えると私のところにくる前にチキンカレーが無くなったんでしょうね。でも、聞いてみたんでしょう。いやーこれが海外なんですね。噂には聞いていましたがおみそれいたしました。チキンがないもん、出せないですよね。それでも私を思って選択権を与える素振りをしてくれた優しさ。確かに頂きました!私は正直この出来事にマイナスの感情は全く抱きませんでした。海外はこん感じ、と思っていたのも大きいですが、本来サービスってこんな感じで良いんだと思ったからです。日本のサービスの充実は素敵ですし、私もホスピタリティの高い仕事や日常を提供したいと思っています。でも、こんな感じでいいんですよ、きっと。笑ってfish食べてればまぁいいかなって……、うーん、言語化するとちょっとうまく言えないですけど、提供する姿勢というより、これを許容できる自分の話になるのでしょうか。笑って受け止められる自分でいたいなって思いました。伝わりますか?とっても抽象的な曖昧な表現になってしまいますが、どうぞ各自で拾っていただけるとありがたいです。※ちなみに写真は私に届けられた「鮭と海老の照り焼き丼」です。

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 そんな感じで、飛行機で10時間を楽しく過ごした私ですが、その後お尻を縦割りにしてスリランカに到着してからの話はまた後日にします。今日もありがとうございました。おやすみなさい。


tot(後ろの音楽:折坂悠太 YouTubeライブ配信 ※私の見間違いじゃなければ、途中でお料理始めたの……なんですか?)


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