カリスマミニマリストの風を装って
年明けして間もない頃のことでした。
隣の家の人が尋ねてきて、
「来年度は組長ですのでよろしくお願いします」
の言葉と共に、新組長説明会の書類を渡されました。
町内会の組長の役は持ち回りで、家が所属する組は20年に一度回ってきます。
私は仕事があるという理由から、すでに仕事をリタイアしていて手持ち無沙汰の様子の父に任せることに決めていました。
そう決めていたのに、あることを思い出してしまいました。
それが、今年2024年は節目の年だという話です。特に11月20日は、大変革の始まりを告げる日だそうです。この日、破壊と再生の象徴である冥王星が、250年ぶりに水瓶座に移動することで、「風の時代」が本格的にスタートすると言われています。
そんな年に、組長の役割が回ってきたということは、何か意味のあることかもしれないと思い直しました。そして父から奪うかのように、私が組長を務めることにしました。
その瞬間から、最低限の活動というのを叶えるためにミニマリストになりきった私の挑戦が始まりました。
以前から実現したかったことは、この2つです。
今社会は、Z世代を超えるくらいの「高度なデジタルネイティブ」だと言われる、α世代が存在します。それとは対照的に、「デジタル指数が極めて低い」と言われる団塊世代というのも存在します。
町内会の運営側に携わっている人は、ほとんどがその団塊世代です。スマートフォンどころか携帯電話さえ持っていない人もいます。
組長の役を担っている人も、主に団塊世代です。おそらくZ世代やα世代にとっては、異世界にタイムスリップしたような感覚に陥るであろう生活レベルです。
そして町内会活動は、言わずもがな時代と逆行しています。
だから、その2つを完全に実現させるのは、1年の任期では難しいとも考えていました。
それでも挑戦してみることは無駄にはならないはずです。静かな湖面に投げた石が波紋を描くように、少しの変化を与えることに徹しようと思いました。それが大きな変化に繋がると考えたからです。
1つ目の挑戦
第1回目の会合の質疑応答の時に、回覧板と集金の電子化の意見を言ってみました。
「お年寄りの住民の安否確認も含まれているので電子化は出来ない」のように「出来ない」を繰り返します。
私はすかさず、「時代も生活スタイルも変わっているのに、30年前40年前と同じというのは宜しくない」と返しました。しばらく遣り取りした後、私が極めつけに放った言葉は、
「出来ない、出来ないと言うのではなくて、どうすれば出来るのか考えるのが大事なんじゃないですか」
その後、役員会で色々話し合った様です。
その翌月から毎月デジタル勉強会を行っているそうで、先月は、「ライン公式アカウント設定打ち合わせ会」となっていました。
素早い行動力に驚かされました。
もともとは「暮らしやすさ」のために始まったのが町内会活動のはずです。それが負担になるのだとしたら、本末転倒だと思います。「昔からの」とか「伝統」とか、そういう言葉に囚われすぎて「捨てられない」ものが多いということに気づいていないのかもしれないとも思いました。
2つ目の挑戦
町内の運動会の廃止については、口頭よりも書面で出したほうが良いような気がして、どうやって書類を作るかネット検索していました。
同時にそれは、私の知識を増やすことにもなりました。企画書は新しいプロジェクトやイベント、商品開発などを行うため、提案書は問題解決やビジネスチャンスの提案を行うため、という違いがあることも知りました。
たくさんのサンプル書類を見ながら作成したのが、この提案書です。
この提案書は少しだけですが、効力を発揮してくれました。毎年、運動会は2種類あり、町内対抗と各区対抗のものです。来年度は私の所属の町内会が区民大会の当番だということで、その準備のため町内の運動会は開催しない方向で動いていると聞きました。
惰性だけで続いているものの筆頭である、町内の運動会から減らす必要があるというのが、私の考えです。
町内会への不満の声は、ネットの中でよく見かけます。
事なかれ主義の人が多すぎるのが変わらない原因かもしれません。現に、毎月の会合の中で意見を言う人は、いつも私くらいです。まず質問や意見を積極的に言うところから始める、ことが「暮らしやすい」を実現する第一歩かなと思います。
任期はあと半年あります。
地道な挑戦は、もう少し続きます。
#挑戦してよかった
この記事が参加している募集
あなたの琴線に触れるような話であったなら、応援をくださると喜びます♪ みなさまからのサポートは自己投資に充てさせていただきます。