言葉以外の処方箋
先日、9歳の娘がするどい質問を投げかけてくれた。
「ママ、悲しい顔のキャラクターを描く時ってさ、悲しい顔になるよね!」
ハッとして返答。
「そうだね。そういえば、悲しい顔になるかも!」
人権啓発冊子の絵のお仕事をするまでは、
悲しみの表情は好き好んで選ぶことのなかったモチーフ。
30代で気づいたことは、
人の悲しみを描くには、映像などを通して過去の疑似体験をするか、もしくは自分の逆境を掘り返し、向き合う作業をしなければならないということだった。
正直、とても苦しい作業であった。
しかし、この作業は音楽にも通じているようだった。
この間、音楽家の先輩とお話しした中で
「悲しみ」という感情が作品に大きな影響を与えることを確認した。
「悲しむ、ってとても大切。」
先輩の言葉にコクンとうなづきながら、
大切なあの人、この人を想った。
その時私は、美術の師が語ってくれた言葉を思い出していた。
「街を行く人たちはさ、みんな平気な顔して歩いてるだろ。でも本当はみんな痛いんだよな。」
その先が聞きたいと、当時は想った。
みんなが抱えている痛みはどんなものかって。
でも、過去の痛みに対する言葉の処方箋が
必ずしもみんなに必要なものじゃないって、
今では理解できる。
言葉以外の痛みの処方箋にできることは無限だ。
色と形と音楽にはそれができる。
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