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『絵から見える心のサイン』 〜娘の絵からの問いかけと気づき〜

長女。6歳。
反抗期真っ盛り。
女は女に厳しいとは言うけれど、
こんなにも早い段階から激しい表出をするものだろうかと頭を抱えながらも歩み寄ってきました。

母親に見ていてほしい。
認めてもらいたい。 
自分でやりきりたい。
でも甘えてみたい。 
さらには、
父親と母親の身体つきや
リアクションの違いを
6歳なりに見極めては、
〝どちらの片割れでもある自分〟は
〝一体何者であるか〟を探っています。

毎朝鏡に映る自分を見ては、
「ああでもない。こうでもない。」と
服を着替え、髪型を模索します。
大抵の大人の女性が朝お化粧をするように、
こんなに小さな女の子でも、

「自分は他人からどう見られているのか」

と気にするようです。

「私は私。」という感覚。
アイデンティティ感覚。

その形成の過程で起こりうる様々な出来事。生まれる葛藤。

「これが私。」という感覚。
社会的地位の構築。

集団の中で自分はこうありたいという理想。

現実(葛藤)と理想の狭間で自分探しをしている娘の姿を絵で追いかけた。

「お母さんが絶対!」の時期の絵。
赤ちゃんのなぐり書き(スクリブル)
や、てんてん。1歳半〜2歳半

「ちょっと外の世界へ」の時期の絵。
初めての集団生活。3歳〜4歳半

「お友達が大好き!」の時期の絵。
4歳半〜5歳半  

「お父さんがいいもん!お友達がいいもん!
お母さんあっちいっといてよ!」の時期の絵。

◉父親がナイフの役割を果たす時期とも言われる5才〜6歳。「ナイフ」とは、母親から少し切り離すという意味。母親の元でしっかりコアアイデンティティが形成された後、安心してもっと広い世界を見てみようと外に出ていける。父親はその後押しをする。この時期に父親と行き別れた子どもは大人になり愛着障害が出るとも言われる。
(※ケースは女の子が顕著に現れる。)

いかがでしたか。
④番で紹介した絵は正に今の段階です。
普段何気なく机に向かって描いている子どもの絵をそっと覗きこんでみると、その時の心境が痛いほど伝わってくるのです。
そして、それは園や学校で描いた絵より、自分が一番リラックスできる環境でこそ表出できるもの。
ずっと口を「へ」の字にして怒っている娘。
娘を叱ってきた私(母親)のおどろおどろしい表情。
トゲトゲとした怒りの線。 

黄色や赤の強い発色。
沈んだ緊張感のあるあお。
そして最後には、
「もうママは分かってくれないんだ。」
と言わんばかりの落胆した後ろ姿。
黒一色で描かれた寂しそうな背中。

「あぁ、こんなにも発信してくれていたのに、
どうして気付いてあげられなかったんだろう。」

そう自分の胸に手をあて、
娘をギュッと抱きしめました。

「ずっと頑張っていたから、今日は学校はお休み!ママと可愛いお洋服買いに行こう。
美味しいもの食べに行こうか。」

担任の先生に事情を説明し、1日娘とお出かけしたのでした。

育児は行きつ戻りつ。
終わりなき物語を幾度となく繰り返すのでしょう。
途方に暮れるのではなく、
落胆するのではなく、
子どもの色や形とともに
その一瞬一瞬を喜びあえたなら、
毎日が宝物になっていく。
そう信じて子どもの絵と今日もにらめっこです^_^

        大人の図工塾管理人 米光智恵

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