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【準備してもし切れない】授業中の学習者の質問に上手に対応したい!

授業って、同じ教案でも教えるクラスによって全然違いますよね。特に、急な質問が一番怖い。みなさん、学習者の急な質問にどうやって対応していますか?


学習者の質問例


日本語レベルもバックグラウンドも違う学習者は、本当にいろいろな質問をしてきます。
・もう一度説明してほしい
・今どこですか?
・ことばの意味/文法の意味がわからない
・日本ではこういうことがあるのか
・使い分けを教えてほしい
本当に多岐にわたります。これが、授業に関係ある内容の時と、授業中なのに授業に関係ない質問が飛んでくることも。私は「先生、日本にお化けっているんですか?」と聞かれました。今、その話題じゃないけど。

対応① 質問に感謝する

まず、質問されたら「質問ありがとう」と言います。質問した時が、学習者が一番伸びる時。知りたいことを聞いているのだから、それを逃す手はないですよね。そして、一人が質問したということは、他の人もわかっていないかも。そう思って質問を聞いています。
そして、わからない日本語を一生懸命つないで、先生に質問しているわけですし、タイミングや手の上げ方なども含めると、質問するためにはいくつものハードルがあるんですよね。質問できるって、すごい。

対応② 質問を適切に理解する

とりあえず「お、質問ね!」と言った後で、次は適切に質問を理解します。学習者の質問って、何を聞きたいかよくわからないこともしばしば。教科書がある場合は、「教科書のどこですか?」と聞いて場所を確認します。「先生、教科書じゃないです」という場合もあるので、その場合は例を出してもらったり、書いてもらったり、さまざまな方法を使って「ああ、◯◯を聞きたいんですね」と確認します。学習者の同意が得られたらオッケー。
これを最初からやってしまうと、「めんどくさいから質問したくない」となってしまうので、最初に「お、質問ですね、いいですね〜」と「私は質問が来たのがうれしい、ありがとう」という気持ちを示しておくのがポイントです。

対応③ とりあえず学習者に投げる

質問がわかっても、すぐ答えません。「誰かわかる人?」と学習者になるべく聞くようにしています。例えば、「今何ページをしていますか?」みたいな学習者の質問には、「今何ページ?」とそのまま返して、他の学習者に答えてもらいます。確認にもなります。これで、数人が違うページを言ったら伝わっていなかったということ。もう一度説明するという対応が取れます。
質問を学習者に投げる理由は、一つは、学習者の活躍と発話の機会を増やす、もう一つは学習者どうしで教えあったほうが絶対理解が早いんですよね。同じ母語の場合、「じゃ、それ◯◯語で説明して」など、母語で説明してもらうこともあります。答えた学習者も「これで合ってるんだ」という気持ちになるし、教えるって難しいことなので、整理して伝える練習にもなっていいこと尽くめです。
マンツーマンの場合でも、「どんな意味だと思いますか?」「違いはなんだと思いますか?」と、そのまま質問を返してみることも。
授業時間に余裕がないとできないことですが、なるべくできたらいいなと思っています。

対応④ その間に調べる

先生も全部知っているわけではないので、学習者が話している間に調べることもあります。学習者自身に調べさせることもあります。「これは合っていそうだな」と確証の取れる情報があれば、その場で伝えます。

対応⑤ 無理なら「先生の宿題」にする

学習者からも答えが出ない、先生もわからない(説明できない、裏が取れない)場合は「先生の宿題ね」ということで持ち帰ります。変に嘘をつくよりは、こちらの方が誠実な態度と見られるようです。
持ち帰った宿題は、LMSなどで授業外に答えることもあるし、次の授業などで答えることもあります。まあ、次の授業には大体みんな忘れているんですけど。「ちゃんと質問に答えてくれる先生」と理解してもらうためにも、答えるのは大事です。

対応⑥ もう一度質問に感謝する

質問から授業に戻る際は、「はい、◯◯さん、質問ありがとうございました。勉強になりました」などと伝えます。学習者によっては「質問して授業の時間が押してしまうのが心配」「先生に恥を欠かせたくない」など、いろいろ考えているので、「質問するのはいいことだ」と伝えたいんです。

わからないときにすぐ聞いて、すぐわかる が理想

授業がわからない時、わからないまま授業が進んでしまって結局何もわからない、っていうことありますよね。できるだけ、それは無くしたいなぁ、と思っていて、授業で学習者が質問しやすい状況を整えたいと思っています。


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