人はなかなか変われないということ

わたしは恋愛相談されても、アドバイスをしないようにしている。
わたしに恋愛相談してくる人が、そのことに気が付いているかは別として、なぜアドバイスしないかというと、アドバイスしても無駄だから。

基本的に人って自分で気が付いて、それまでの自分のスタンスややってきたことに「私って何やってたんだ!」とある意味衝撃を受けて、それからでないと変われないと思っている。

人に言われて気が付くこともあると思うけれど、恋愛なんて特に、もうその人はその人の恋愛という世界に飲み込まれてしまっていて、その中から出てくることはない。
色んな事象を眺めて、その中からその人が気が付いたことだけ、変わることができる。人に言われても目は覚めない。

私がそう思ったのは、やっぱりそれも気付きだった。

最初の恋人ができたとき、姉にさんざん「その人はいい人じゃないから別れたほうがいい!」と言われてきた。それでも、別れなかった。
しかし、4年経ったある日、気が付いた。
その人は誰より何より自分のことが好きで、自分しか愛せない人だと。

自分が精神的に気持ちよくなれれば、周りの人の気持ちなんてお構いなし。見栄を張ることが大好きで、周りはそれを「見栄」だと気が付いているけれど、気が付いていることがバレないようにふるまっていて、自分もそうしていると。「あなた、見栄張ってますね」という態度を取ると、すごく機嫌が悪くなって、一番傷つく言葉を敢えて使って傷つけに来る。

そんな人に、ハタチからの4年を費やした。

それは、今の私にとって本当に人生の中で無駄だったと言える時間。「その時間から学ぶこともあるんだよ」と言う人もいるけれど、その時間の割に学びが少なかったので、私にとっては無駄。しかも学べた中身としては、ほかの方法でも学べそうなことだった。

過去の自分を否定するのは、かなり苦しいことだけれど、あの頃の私は完全にその世界の中に入っていて、何も見えていない、何も聞こえてない、そんな状態だった。

別れる直前は、「この人はいい人じゃないから別れたほうがいい」という、姉が言っていたことと全く同じことを思っていた。わたしは姉が最初から気が付いていたことを、4年かけて気が付いたんだった。

それからは、周りの人の言うことを聞くようにしているけれど、やっぱり自分の内側からぽろりとウロコが落ちるように気が付くことをきっかけにしないと根本的な改善には至らないことを思い知る。

もっと頭のいい人だったらそうではないのかもしれないけれど。

というわけで、人の話はちゃんと聞くべきだし、聞いても変われないから人が変わるのって難しいねという話。


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