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アルコール依存症という病気について

家族にアルコール依存症の人間がいたので、その方面の知識はかなりある方だと思う。だから、TOKIO山口達也さんのニュースを聞くのは辛かった。

被害にあった女子高生の状況は全くわからないので、飲酒問題だけに焦点を当ててこのnoteを書く。飲酒問題は本当に周囲を不幸にする。

アルコール依存症だとかそうじゃないとか、いろいろな話が飛び交っていたみたいだけど、社会生活に支障をきたした時点でアルコール依存症と判断していいはず。なので山口達也さんはアルコール依存症だとわたしは思う。

今日のTOKIO4人の謝罪会見では、松岡さんが「アルコール依存症だと思っていろいろな病院から診断書をもらったけれど、そうは書かれていなかった」と言っていた。

これは、病院に行くと本当にそうなる。恐らく、病院での診断は自己申告の問診が中心だったのでは。

アルコール依存症は「否認」の病気、とも言う。自分がその病気であることを決して認めない。病院では「飲んでいない」と断言して、「飲まない」と誓ったその日の夜にはお酒を飲む。

家族や近しい人にとって、病院の先生から「アルコール依存症です」と言ってもらえたら、どれだけ励みになるか。「彼は病気だから」と思えたら、何度裏切られてもどうにかその人を、まだ好きなままでいられる。

松岡さんは会見で「アルコール依存症という診断は出ていない、だから困っている、自分たちではどうしようもできない」と語っていた。

アルコール依存症の治療に必要なのは「病気を自覚して、治すと決めること」。でも本人は病気を否認する。否認すると、病院では対応策がないから、治療をしてくれない。本人が治す気がなければ一生治らない病気だ。

わたしがアルコール専門病院の家族研修に参加したとき、アルコール依存症患者にアルコールを絶たせるためには、「底つき体験」が必要だと教わった。どういうことかというと、まず周囲の人がアルコール依存患者と一切の関係を立ち、見捨てる。そうして患者本人が「家族も仕事もないしこのままだと死ぬ」くらいの絶望(=底)を味わって、初めて本気で治療をする気になるのだとか。

旦那さんをアルコール依存症で亡くした、漫画家の西原理恵子さんは「家族は逃げる、病院に叩き込んで医者に丸投げする。素人が支えようとか自分なら何とかなるとか思ったら負け」と言っている。

国分さんは、個人的には、と前置きした上で「山口を見捨てられない」と語った。そりゃそうだろうと思うし、すごく気持ちがわかる。わたしも見捨てられなかった。でも、本当は見捨てるのが正しかったのかもしれない。

松岡さんの「山口の甘えになるのなら、TOKIOをなくしたほうがいいと思う」という言葉は、本当に山口達也さんのことを思っての発言なんだろう。

あの会見は見ていて本当に辛くて、まだうまく気持ちがまとまっていないけど、とりあえずモヤモヤしたのでnoteを書いた。

「あなたは病気です。お酒は悪くありません。悪いのは全てあなたです(松岡さんのコメント)」なんて、それは本当にそうかもしれないけど、でも悲しすぎる。病気のせい、お酒のせい、あなたは悪くない。そう言ってあげたいし、あなたを好きでいたい。これからTOKIOのメンバーがどうしたらいいか、わたしがどうしたらよかったのか、本当にわからない。

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