詩 旅人
かすかに聞こえる潮騒が
遠い記憶を呼び覚ます
まだ幼かった幸せが
昨日のことのように
目の前をすぎていく
波間にゆれる下弦の月が
せつなくさせる
未来も過去も
そんな事はどうでもよくなった
ただ毎日のルーティンをこなし
意識もなく息をして
ベットにもぐる
いつから
夢をみるのをやめただろう
安らかな眠りだけを期待して
なのに睡眠の中の夢が
邪魔をする
安全な場所を探しながら
今宵も
眠りの中で旅をして
私は帰りたくない旅人
現実逃避する旅人
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