見出し画像

【選挙ウォッチャー】 北中城村議選2022・分析レポート。

 9月6日告示、9月11日投票で、沖縄県の北中城村議選が行われ、定数14に対して15人が立候補してきました。昨年10月の衆院選では、それまで沖縄2区の地盤を守ってきた大ベテランの照屋寛徳さんの後継者として北中城村長だった新垣邦男さんが立候補をしました。
 今年7月の参院選では、福島みずほ党首が比例区で当選し、さらには政党要件を満たしましたので、社民党は存続を許されましたが、日本でも数少ない社民党の議員が誕生したのが、沖縄2区、とりわけ北中城村ということになります。

 沖縄2区は、リベラルが強いとされる中城村、北谷町、読谷村などが含まれますが、自民党が圧倒的に強く、かつ、人口の多い宜野湾市や浦添市も含まれていますので、そこで社民党の新垣邦男さんが小選挙区を勝っているというのは、なかなか面白い現象です。
 どうせポスターの撮影しかできておらず、書くことがないので、沖縄2区がどれだけ面白い選挙区なのかを触れておきましょう。

[当]新垣 邦男 65 社民党 7万4665票
[比]宮崎 政久 56 自民党 6万4542票
[落]山川 泰博 51 維新会 1万5296票
[落]中村 幸也 41 N国党   3053票

 投票率は54.82%でした。小選挙区で社民党が自民党に勝つところなんて、全国探しても「沖縄2区」しかありません。しかも、維新やN国はまったく人気がなく、両方とも供託金が没収されています。
 今年4月に、まだ76歳だったのに、長年にわたって地盤を守り続けてきた照屋寛徳さんがお亡くなりになりましたが、照屋寛徳さんはサイパン島の米軍捕虜収容所で生まれた人で、お父さんは収容所で死体の片付け人として働いていたという壮絶な人生を歩み、そこから宜野湾市選出の沖縄県議になり、参議院議員になり、衆議院議員として当選6回という重鎮でした。そうやって人生の歴史を聞くだけでも、政治や選挙というのは、本当はかなり面白いのです。


■ 「ゆたぼん」は今、どうなっているのか

ゆたぼんのパパを擁立すると発表した時の尊師・立花孝志(引用元リンク

 沖縄の問題とは少し離れますが、沖縄2区は、昨年10月の衆院選で「ゆたぼんのパパ」こと中村幸也が、現・NHK党の公認候補として立候補したことがあります。
 今さら「ゆたぼん」についての説明は要らないと思いますが、ゆたぼんは現在、中学2年生に相当する13歳です。義務教育であるはずの小学校や中学校にも通わず、かと言って、フリースクールのような所に通うわけでもないため、掛け算の「九九」ができないなど、文化的な暮らしをする上での最低限の教育すら受けられていない状態です。
 もちろん、学校ですべてを学べるわけではないし、音楽や芸術、スポーツなどの分野で、何か一つでも秀でた才能があるのであれば、学校以外の場で学ぶことの方が多いかもしれませんが、残念ながら、「ゆたぼん」には特に才能らしい才能を見つけることができず、人をイラつかせるような言動ばかりが超一流という状態に仕上がっています。「迷惑系YouTuber」としてなら抜群に才能を持っていると言えるでしょう。
 しかし、「迷惑系YouTuber」というのは、社会から蔑視される、底辺・オブ・底辺です。自己顕示欲ばかり高くなってしまった彼は、将来、自分が社会の底辺を生きてきた現実を突き付けられるような出来事に直面しても、きっと認められないのではないでしょうか。彼に苦言を呈してきた人たちこそ良い大人で、彼を支援している堀江貴文のような大人たちこそ、「無責任な悪い大人たち」だったことを知る頃には、彼の人生が再起不能なほどボロボロになっているのだろうと思います。
 ゆたぼんのことを「YouTuber」だと認識している人は多いかもしれませんが、実際のところ、チャンネル登録者は約15万人しかおらず、大きな話題となった3年くらい前は300万回ぐらい再生されていましたが、現在は1万回から3万回ほどで、時々、「お金がなくなった」などと言って炎上させて17万回ぐらい再生されることもありますが、それでも全盛期の10分の1ほどもなく、収入は大きく減っていると推測されます。しかも、全国の面白いところを面白く紹介できておらず、YouTube番組の構成としても人気になりにくい編集をしているため、今後も彼の人気が回復するようなことはないと思われ、早くもオワコン気味です。それでも日本一周の企画に100万円単位の寄付をする人がポツポツと現れている状態ではあり、あの「ごぼうの党」の鬼スベり天狗でさえ、えげつないくらいの金持ちであることを考えると、この界隈で可愛がられているうちは、まだ食っていけるのかもしれません。


ここから先は

3,163字 / 5画像

¥ 100

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。