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【選挙ウォッチャー】 下地幹郎さんのカジノ汚職疑惑の記者会見(後編)。

カジノの運営権をめぐり、自民党や日本維新の会の議員に浮上した中国企業による賄賂疑惑。さっそく下地幹郎パイセンが那覇市で記者会見をして、カジノをめぐる汚職疑惑の記者会見をしました。記者会見は小1時間ばかりあったのですが、さすがにテレビのニュースで下地幹郎パイセンの記者会見をすべて流すわけにはいかないので、世の中の人にはほとんど伝わっていないのですが、僕は「NHKから国民を守る党」とウンコを投げ合うぐらいには暇なので、下地幹郎さんの記者会見をすべて記録することにしました。


■ 下地幹郎パイセン、ちょっとだけゲロる

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下地幹郎パイセンは、紺野昌彦容疑者から個人として選挙資金をもらったと認識していると言っているのですが、紺野昌彦容疑者とどんな形で会ったのかを説明してくれています。

下地:「私がですね、初めて紺野さんに会ったのは、1回目が平成29年2月の26日5時30分、沖縄の事務所で紺野さんとお会いをしました。このお会いをするということは、まさに先程申し上げた知人からのご紹介があって、会ったということであります。で、このことが最初になって、2回目が3月の14日午前11時30分、東京の議員会館で、500ドットコムのパン・セイメイ社長、リチャード副社長、紺野さんと、通訳のシェリーさんという方と、いう方が私の議員会館に来られたと。で、3回目がこの私が参加したパーティーの時に沖縄にいらっしゃったということで、8月の2日午後6時半、沖縄の事務所でパン・セイメイ社長とリチャード副社長と紺野さんと。この8月の2日の3回ですね。これがハーバービューホテルのレセプションで会話をしていませんので、平成29年8月の2日、この3回までが私が紺野さんとお会いした数で、それから2年4ヶ月間は一度もお会いしてないと、コンタクトも取っていないということであります」

下地幹郎パイセン、東京の議員会館でガッツリと500ドットコムの社長や副社長と会っているので、「2年4ヶ月会ってない」と言っていますが、既に面識はあるのですから、最近会っているかどうかはさほど問題ではないと思うのです。そしてこのあたりから下地幹郎パイセンは、少しずつ壊れていきます。

記者:「そのお金はその後、受け取った後、どこに保管されていた?」
下地:「うん、それは一般的に、この、お金は、その、選挙の時に使う、うー、経理の、場所に置かれていたと、いうふうに私は推測しますけど。どっかに行くわけがないと思うんですよね」
記者:「職員の方がそう、聞き取りされていないんですか?」
下地:「そうですそうです、これは聞き取りしています」
記者:「では、どこに?」
下地:「その場所、選挙事務所の場所の箱の中に
記者:「ちょっと俄かに信じられないんですけど、現金100万円をその箱の中に?」
下地:「箱の中に置いて、その都度ごとの、その経費みたいなものに使うというようなことは選挙事務所でよくやることなんです。そういうふうなことに使われていたというふうに思いますね」
記者:「銀行口座への振り込みなどはされてないんですか?」
下地:「しませんね」

実はこれ、めちゃくちゃスゴい話をしています。というのも、仮に賄賂ではなく、選挙資金として使ってくれと寄付された100万円だったとしても、記録もせずに箱の中に入れ、必要経費に使っていくのは日常茶飯事だと言うのです。「んなわけあるかいな!」ということなんですが、下地幹郎パイセンは自分から蟻地獄の中に入っていくスタイルです。

記者:「選挙期間中に本人が事務所に来て現金を渡すっていうことはよくあることなのか。また、あった場合に、今回、領収書は向こうが拒否したということで領収書を発行していないって言うんですけども、他の事例で領収書を発行してないってことはあったんでしょうか?」
下地:「それはありませんよ。それは確実に、この後援会の領収書であったり、個人の領収書であったりっていうことを切るんですけど、それ以外のことはありません」
記者:「紺野容疑者以外に、他に現金を持ってくるっていう例はあるんですか?」
下地:「ありません!
記者:「ありませんか?」
下地:「ありません! 大抵の人は領収書を、お金を持ってきたら領収書をですね、要求するのが普通の人です

選挙期間中に現金を持ってくることもないし、領収書を発行しないこともない。こんなことをするのは紺野容疑者だけ。だとすると、めちゃくちゃイレギュラーなことが起こっているのだから、現金100万円をポンと箱の中に入れて、必要経費にお金を使うってこと自体が、めちゃくちゃイレギュラーなことだと思うのですが、このあたりはどうなっているのでしょうか。このへんから下地幹郎パイセンの顔がどんどん不安そうになっていきます。そして、紺野容疑者が日本維新の会の議員の息子であるということを認識していたと発言しました。この事件がただならぬ黒さであることを匂わせてしまう下地幹郎パイセン。

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さらに、記者からの質問を浴び、細かいディテールがどんどん明らかになっていきます。どこまで本当なのかは分かりませんが、とりあえず下地幹郎パイセンの言い分がコチラです。

記者:「職員の方の記憶では、そこで領収書を受け取らなかったってことも下地先生には報告したって言ってるんでしょうか?」
下地:「今、この時点で領収書が発行されていないというようなことを、になっていますよね、今ね。まあ、その報告が私にあったかどうか、それは今のところ定かじゃないです」
記者:「秘書は、そういうことを報告を下地先生にしたと言っているんでしょうか?」
下地:「いや、そこまでは言ってません」
記者:「えっと、領収書の話は?」
下地:「領収書の話ではなくお金の話を、持ってきたということです
記者:「しかしてない?」
下地:「そうです」

記者はさりげなく「秘書は報告したんですか?」と言っているのですが、下地幹郎パイセンに「事務所の職員です」と否定する余裕はなく、そのまま話を進めてしまいます。そして、当時はお金を受け取ったことは報告していたけれど、領収書ですったもんだあった話は全然していなかったということのようです。こんな大事なことを報告もせず、事務所の経理の箱の中にポンと100万円をぶち込み、必要経費として使っているというのですから、どんだけお金の管理が杜撰なのでしょうか。

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下地幹郎パイセンの言い分では、自分が日本維新の会の副代表をしているからって、日本維新の会ではIRは大阪と決まっているので、自分の権限で沖縄にすることはできない。だから、中国企業側が自分に働きかけたところで何もできないと言っているのですが、中国企業側が求めているのは沖縄に作ってほしいということではなく、自分たちに運営権が欲しいということなので、儲かりまくっている中国の企業からしたら100万円なんて、僕たちの1万円ぐらいなものなので、ちょいと挨拶代わりにプレゼントしておいたということなのではないでしょうか。記者の質問はさらに続き、下地幹郎パイセンの元気がどんどんなくなっていきます。

記者:「領収書を固辞される方は稀だとおっしゃっていますけど、紺野さんのように領収書を固辞されるって方は実際にいらっしゃるということでよろしいんですかね?」
下地:「僕がここで『はい』と言えるでしょうかね? なかなか言えないと思います。それ、領収書出すのが当たり前ですから、領収書出します!」

えぇ、確かに「はい」とは言いづらいとは思うのですが、本当のことを言ってもらわないと困るんで、ここで建前の話をしている場合じゃないんです。下地幹郎パイセン、とうとう「本音を言えるかよ!」と言っているに等しい感じになりました。記者はそれでも引き下がらなかったため、下地幹郎パイセン、小さな余罪を認める発言をしてしまいます。

下地:「何度も聞かれるんでお話ししますけれども、オジチャンオバチャンがですね、5000円とか1万円持ってきて、そういうこと(領収書いらない)言う方はいますけど、こういうふうな、100万持ってきて(領収書)いらないっていう人は、会社の経営者においても、普通の後援者においてもなかなかいませんね、それは」

そもそも選挙資金として領収書を発行していれば、こんなことにはなっていないし、領収書も発行せず、もらったお金を選挙資金報告書や政治資金報告書に記載しないで使ってしまえば、それは「賄賂」になります。よりによって中国企業の「あかんタイプ」のお金をそうやって処理しちゃったのですから、政治家としてアウトになるのは仕方がないのです。

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自民党議員がグダグダ言いながら認めない中、あっさりと認めることで、幕引きを図ろうという下地幹郎パイセン。沖縄にはまだまだ下地幹郎パイセンを熱烈に応援している支持者がいるそうで、一部のネトウヨたちは「こんなに潔く認めるなんて偉い!」なんて言っているようです。もしかすると公民権停止になってしまうかもしれない案件なので、下地幹郎パイセンはこれからしばらくの間、政界から去らないかもしれないのですが、それさえ踏まえた計算だと見ている人もいるほどです。このカジノ賄賂疑惑はどこまでつながっているのか。一般ピープルである僕たちにはさっぱりわかりませんが、政治家の不正はちゃんとチェックしていきたいと思います。


■ 宮崎政久さんのツイート

沖縄1区から立候補し、比例復活で当選を果たしている下地幹郎さんが現金100万円をもらったことを認める記者会見をしましたが、沖縄2区から立候補していた自民党の宮崎政久さんは、以下のようにツイートしています。

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下地幹郎さんがあっさり認め、岩屋毅さんもわざわざ別府市で会見をして、100万円は「政治資金パーティーの講師料としてもらっただけ」と釈明している中で、宮崎政久さんのストロングスタイルったらありません。下地幹郎さんが「選挙の陣中見舞いだった」と言い、岩屋毅さんが「ただの講師料だった」と言っている中、「1円たりとももらっていない」と言っているのは宮崎政久さんだけです。もし、もらっていたのだとすると、1円ももらっていなかったというより「賄賂だと思ってない!」と言っておいた方が傷口が浅く済むのではないかと思うのですが、あとから言っていることが変わらないことを祈るばかりです。


■ 本当は中国企業とズブズブのオジサンたち

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岩屋毅さんは前防衛大臣です。辺野古基地の地下は軟弱地盤であると言われていますが、問題ないったら問題ないという姿勢を崩さなかったのは、岩屋毅防衛大臣です。辺野古基地建設をゴリゴリに推進する立場にあったわけなんですけれども、そんな岩屋毅さんが「講師料」という名目のもと、中国の企業から100万円を受け取っていたというのですから、こんなにズブズブした話はありません。もはや日本の防衛大臣までもが、どんな形であれ、中国企業からお金をもらっているということになります。そして、そんな人たちが「辺野古基地を作ろう!」と言っているわけです。

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ネトウヨはアホなんで、ここに座り込んでいるおじい&おばあが、中国からお金をもらっているというデマを信じていますが、実際に話してみればわかります。彼らはお金をもらっているわけではなく、信念でここに座り込んでいます。本当に日本を守ろうとしているのは誰なのか。それを見誤ってしまうようではダメだと思うのです。腐った政治家を入れ替えるのは有権者なのです。選挙の時に正しい判断ができるように、しっかりと情報をチェックしていきましょう。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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今回、下地幹郎さんが現金100万円を受け取っていた問題について、日本維新の会の松井一郎代表は下地幹郎さんに対し、「辞職するべきだ」と血も涙もあったものではない厳しい言葉を浴びせています。甘利明さんを見てもらえば分かるように、自民党だったらホゲホゲしていれば許してもらえるのですが、日本維新の会は不始末を許してもらえません。下地幹郎さんは小選挙区で勝てるほどの実力はなく、自民党に入れてもらえることもないので、巷では「N国入りか?」なんて言われています。しかし、NHKから国民を守る党なんぞに入党した日には賄賂をもらった以上に軽蔑します。下地幹郎さんには冷静な判断を求めます。

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