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【選挙ウォッチャー】 ウクライナへの侵略戦争をゆっくり解説(#1)。

 2月24日、ロシアがウクライナに戦争を仕掛けました。
 第二次世界大戦の後も、ベトナム戦争や湾岸戦争など、各地でいろいろな戦争が起こってきましたが、どうして今回の戦争が「おい、ロシア、いい加減にせぇよ!」と言われているのかというと、みんなが納得するような大義名分がまったくないからです。
 確かに、ウクライナは「NATO(北大西洋条約機構)」に入ろうとしていました。「NATO」とは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スペインなど、欧米の国々30カ国で結ばれている軍事同盟のこと。もし、ウクライナが「NATO」に加盟をしてしまうと、今回のようにロシアが戦争を仕掛けてきた時には、ウクライナと一緒にアメリカやイギリスなどが戦ってくることになります。いくらロシアが軍事大国とはいえ、相手がウクライナだけなら勝てそうな気がしますが、アメリカやイギリスなどが一緒になってしまうと勝てる気がしません。だから、ウクライナが「NATO」に入る前にぶっ込んでおかないといけなかったのです。


■ 世界中で政治のネトウヨ化が起こっている

 日本もなかなか深刻ではありますが、実は「政治のネトウヨ化」というのは世界のトレンドになっています。理由は簡単で、それまで語られてきた歴史に対して「本当は嘘なんだ、真実はこうだったんだ!」と語る奴が出てくると、人々に「びっくり新情報」として受け入れられ、一気に拡散してしまうからです。ネットの普及とともに、ネトウヨも広がりました。
 最もわかりやすい例が「従軍慰安婦」の問題です。昔の日本はだいぶ鬼畜だったため、女性たちに性労働を強要しました。「従軍慰安婦」は、韓国の女性を連れてきたイメージがあるかもしれませんが、実は、日本の女性たちもたくさん働いています。田舎の女の子たちが身売りされ、当時は今のように0.1ミリのコンドームがあるわけではないので、慰安婦となった若い女性たちは、だいたい性病にかかってお亡くなりになりました。生き残っている人がほとんどいない上に、運良く生き残ったとしても慰安婦だった黒歴史を語る女性はほとんどいないので、当時の記録や証拠はたくさん残っているものの、それが人々の目に触れる機会はほとんどなかったのです。ただ、そうなると「従軍慰安婦は存在しなかった」と言い出す人が出てきます。こんな鬼畜な話は誰も真実だと認めたくないので、「従軍慰安婦は存在しなかった」と言われると、なんとなくそれを信じたくなって情報が拡散されてしまいます。そこにヘイトが混ざって、「自分たちがエッチをしてお金を稼ぎたかっただけだろうが、このヤリマンめ!」と言い出す始末なのです。
 こうしたネトウヨの言説は、政治家にも簡単に広がります。
 理由は簡単です。ネトウヨになったアホのオッサンらが政治家に「従軍慰安婦なんて本当はなかったんですよ!」と教え、それにビックリした政治家が「私は間違えていたのか!」と脳味噌をアハつかせ、最終的にどうなっているかと言うと、安倍晋三先生のような頭の悪い政治家が若手の議員を招いて「従軍慰安婦なんて存在しなかった」というレクチャーをして、同じくらい頭の悪い政治家たちが「さすが安倍晋三先生や!」となり、政治家たちがますますネトウヨ化していくからです。
 そして、こうしたことは日本だけでなく、世界中でたくさん起こっています。実際、どこもかしこもネトウヨ大統領だらけです。
 プーチンの話に戻すと、プーチンもゴリゴリのネトウヨです。ロシアなので、中国と同じように共産主義の国だと思っている人がいるかもしれませんが、ロシアは共産主義ではありません。「ネトウヨ老害ジジィによる独裁国家」です。なんなら、共産主義の人は全員シバかれました。

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 これは、かつて「NHKから国民を守る党」から立候補し、現在は「日本改革党」という極右政治団体の代表を務める豊島区議・沓沢亮治のツイートです。共産党を支持し、「戦争反対」と訴える市民の写真が添付されています。
 ご覧の通り、共産党を支持している人たちは「戦争反対」です。プーチンが仕掛けたウクライナへの侵略戦争にも「反対」です。ネトウヨから「平和ボケしている」と揶揄されるほど「平和」を望んでいるのが共産党の支持者ですから、当然、戦争なんてするはずがありません。ですから、プーチンは間違いなく「共産党ではない」のです。むしろ、共産党とはまったく逆側の立ち位置にいる「戦争賛成」のオジサンです。その証拠に、今、ロシア国内で「戦争反対」なんていう共産党みたいなことを言うと、もれなく全員「逮捕」される運命にあります。


■ ロシアではLGBTは処刑される

 古くはナチスがそうでしたが、ロシアでは「LGBT」だと処刑される運命にあります。理由は、「ロシアの国家発展の礎となっているロシアの家族観に反するから」です。
 世界中でLGBTに対する理解が広がり、世の中の1割程度の人が「性的マイノリティ」だと分かり、多様性を尊重する社会にした方が国民は幸せを感じられるし、「経済効果」という観点からも同性婚を認めた方が良いことが知られつつあるのに、ロシアでは同性愛者だと分かると、治安当局から殴打や電気ショックなどの拷問を受け、死亡者も少なくありません。
 実は、2020年の憲法改正で、大統領の任期がリセットできるようになって、半永久的にプーチンが大統領であり続けることに決まったロシアですが、この時の憲法の改正で、もう一つ変更されたことがありました。「LGBT」を想起させるものが禁止になったのです。だから、街で売られているレインボーカラーのアイスクリームさえ販売禁止にしようとしました。
 確かに、LGBTは「レインボー」を掲げています。しかし、「虹」というのは自然現象であり、LGBTの話以前に、太陽や雲を描くのと変わりません。それでもレインボーカラーのアイスクリームが「子供がLGBTに興味を持つキッカケになり、青少年の健全な育成を阻害する」と言い出したほどなのです。
 さて、日本でも「LGBTは生産性がない」と言い放つ国会議員がいました。日本を代表するネトウヨの国会議員・杉田水脈です。日本はロシアほどLGBTに対する理解が遅れていないので、杉田水脈の発言に賛同する人はほとんどおらず、「なんて酷いことを言うんだ!」と炎上しました。炎上する分だけ日本はロシアよりマシだということになりますが、ネトウヨ議員の特徴の一つに「LGBTの否定」があります。プーチンは、典型的なネトウヨです。


■ ロシアはだいぶ具合が悪くなってきている

 どうやらプーチンは、クリミア半島を併合した時のように、短期決戦でウクライナを制圧し、一気にロシア領にしてしまおうと考えていたのではないかと考えられます。
 言うまでもありませんが、ロシアとウクライナでは、武器にも兵力にも圧倒的な差があるため、どう考えてもロシアに有利です。最新鋭の武器を投入することで、今度はクリミア半島ではなく、ウクライナ全体を併合してしまおうと考えたのでしょう。そして、これは同時に国際社会に対しても中指を立てる挑戦となりました。
 ロシアがウクライナに対する攻撃を仕掛けたのは、まさに中国で「北京五輪」という平和の祭典が開催されている真っ最中で、かつ、国連でウクライナが演説をしている瞬間でした。「国際社会がナンボのもんじゃい!」というところを見せつけてやるとばかりに、中指を立てるかのごとく、ウクライナに対する侵略戦争を仕掛けたわけです。
 ところが、毎度言っていることですが、「ネトウヨ」というのは「恐ろしく能力の低い生き物」です。そもそも、どうしてネトウヨになってしまうのかと言ったら、「バカで情弱だから」であり、バカで情弱な奴が何かをしようと思った時、だいたい「やりたいこととは真逆の結果を生む」という最低最悪の展開を迎えるのがお約束になりつつあります。

 世界で最も「バカで情弱で無能な政党」と言えば、「NHKから国民を守る党」ですが、この政党を見れば、バカで情弱で無能な人間たちは何をやっても成功することはないということがよくわかります。
 バカで情弱で無能な人間というのは、たいてい見積もりが甘いです。
 立花孝志が僕に攻撃を仕掛けてきた時も「どこからどう見てもザコにしか見えないので、N国信者たちに強い立花孝志を見せるのにちょうどいい」と脳味噌をアハつかせ、N国信者の皆さんから「さすが立花さん!」と言われるために仕掛けてきました。そしてこの行動原理は、下手をするとプーチンも同じかもしれないのです。つまり、ロシア国民に喜んでもらおうと思って戦争を仕掛けた可能性があるのです。
 ところがどっこい、立花孝志の戦いも短期決戦では終わらず、4年にわたってゴリゴリに戦い続けられ、今では選挙で「92連敗(しかも連敗記録は更新中)」というザコ政党になり、借金の総額は10億円を超え、返せるアテがまったくありません。
 プーチンと立花孝志ではあまりに格が違いすぎるとはいえ、NATOに入っているわけでもないウクライナは、ロシアから見ると、アメリカやイギリスといった国際社会が武力介入できない以上、一瞬にして併合できるザコ国家だと考えたのだと思います。
 ところが、予想もしない出来事が起こりました。確かに軍隊の数だけで見れば、ロシアの方がウクライナを圧倒しているのに、なんと、ごくごく平和に暮らしていたはずの一般市民までもが戦闘に加わるようになってしまったため、自家製の火炎瓶で応戦され、世界最強レベルのロシア軍が足止めを喰らい、まさかの「長期戦」に突入してしまったのです。
 それだけウクライナの国民が、ウクライナという国を誇りに思い、命に代えてでもウクライナを守りたいと思っていたということですが、このような人々の「気持ち」というのは「数」には表れません。だから、軍隊の数だけで見積もってはいけないのです。戦国時代のエピソードを紐解いても、少数精鋭でたくさんの兵をなぎ倒した伝説はたくさんあります。
 そこに来て、世界中でロシアによるウクライナ侵略に抗議するため、武力は行使できないけれど、「SWIFT(国際銀行間通信協会)」からロシアを排除する史上最大の経済制裁を科す方向で話が進められています。
 実は、SWIFTから排除されるという制裁は、ロシアが初めてではありません。核開発を進めたイランは、今でもSWIFTから排除され続けており、原油の輸出で得ていた収入は半分になっています。ただ、それでイランが潰れたのかと言ったら、そういうわけでもなく今も、のほほんと生きています。とはいえ、ロシアは原油、天然ガス、小麦など輸出品が非常に多いこともあり、全世界の銀行を通じた取引の1.5%がロシアの金融機関だと言われています。全世界の取引額が1日に580兆円だというので、8兆7000億円分のロシアの取引がなくなる計算です。これがなくなるのはロシアにとって大打撃。ただ、これにより小麦や天然ガスなどの値段が上がることは間違いないので、実は、僕たちの生活にも影響を及ぼす経済制裁になってしまいます。
 とはいえ、たとえ返り血を浴びることになったとしても、ロシアの侵略戦争を国際社会が止めるべきだというムードにはなってきています。もしかすると、世界でネトウヨがトレンド化していると言うなら、どうしてプーチンを支持する人がほとんどいないのかと、矛盾しているように感じる人がいるかもしれません。この答えは、「一部政治家のネトウヨ化」という現象も世論の声で形成されているけれど、「戦争反対」というムードもまた「世論の声で形成されているもの」であり、まったく同じ仕組みだからです。橋下徹のように「渋谷みたいな所で抗議をしても無駄だ!」みたいなことを言ってしまうアホのファシストもいますが、それでも「人が死ぬのは良くない」と考える人の方が圧倒的に多いので、渋谷だろうがネットだろうが、みんなが声を出せば声を出すほど「戦争反対」のムードは高まります。「渋谷」という局所的な部分だけを見れば、まるで意味がないように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。世界中のあらゆるところでロシアに「戦争反対」と言って回ることこそが、戦争を止めるための第一歩です。もしアホがたくさん湧いて、「もっと戦争した方がいいぞ!」と言い出すようなことになれば、それはそれで「この主張に票がある」と考える立花孝志のようなポピュリストが「もっと戦争を!」と言い出すことでしょう。だから、どこでもみんなが言えばいいのです、「ロシアはウクライナへの侵略をやめやがれ!」と。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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間違ってはならないのは、「戦争に反対すること=共産主義」ではありません。当たり前の話ですが、たとえウクライナ人でも、ロシア人でも、人が死ぬことを喜べる奴なんているはずがありません。いるとすれば、よっぽどイカれた思想を持ったラリった輩です。だから「戦争反対」と叫ぶこと、声を上げることは、右でも左でもなく、そもそも政治的な思想ですらないわけです。そして、平和や戦争の解決を望む声をかき消そうとする奴がいるとするならば、そいつは「ファシスト」です。もっと純粋に、もっと素直な気持ちで「戦争反対」と言ってもいいのです。そして、選挙ウォッチャーの僕から言えることがあるとするなら、「ファシストを政治家にしてはならない」ということです。立花孝志を筆頭に、日本にはファシストの芽を持った政治家が複数存在しています。なので、どんなに間違えても、そいつらには絶対に投票してはいけないということです。

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