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【選挙ウォッチャー】 八重瀬町議選2022・分析レポート。

 9月6日告示、9月11日投票で、沖縄県の八重瀬町議選が行われ、定数16に対して17人しか立候補しなかったため、こちらも「ぬるい選挙」になってしまいました。落選するのはたったの1人なので、ポンコツがうっかり当選しかねない状況になっています。
 ここには共産党が2人立候補しており、両方とも「神谷」さんなんですけど、両方とも当選できるかどうかが見どころとなっていました。

 台風11号と台風12号の影響で、ほとんど取材時間を取れず、選挙ポスターの紹介ばかりになってしまった沖縄統一地方選ですが、なんだかんだでバラエティー豊かな話をお届けできたのではないかと思います。
 ちなみに、全19レポートの「沖縄統一地方選マガジン」は、この八重瀬町議選をもって、すべてのレポートをお届けしたことになります。4年後はもっと濃い取材をしたいと思います。


■ ひろゆき問題を引きずる沖縄

2019年2月に撮影した時の「座り込み抗議」の看板

 この国に大量の「ネトウヨ」を生み出してきた「2ちゃんねる」の創始者である「ひろゆき」という男が、いきなり辺野古基地の建設に反対している人たちの現場に現れ、オリジナルの「座り込み」の定義を語り出し、真面目に抗議している人たちを嘲笑しました。
 西村博之は、「座り込み」の定義を「24時間座り続けること」としていましたが、それはテメエの勝手な解釈であって、「座り込み」という言葉に時間的な定義はありません。5分でも10分でも座り込んだら、それは座り込みです。ただ、辺野古基地の「座り込み」というのは、ただゲートの前に座ることを意味するのではなく、「トラックの前に座る」ことを意味しています。資材を運ぶトラックの前に座り込むから「座り込み抗議」と呼んでいるわけで、歩道のベンチに座っていても、それでは抗議にならんのです。トラックの前に座って、行政による暴力行為によって排除され、それでも毎日座り込んでトラックを止めるという抗議を続けているのです。けっして「5分座ったから、これでOKね!」という抗議のスタイルではありません。
 その上で、西村博之は「ボードのデザインがダサい」みたいなことまで言い出し、辺野古基地に反対している人たちも「若者に人気のある人がダサいと言うのならダサいのかもしれない。じゃあ、デザインを変えよう」ということで、ニューデザインのボードを作り、今はこのボードではなくなっているといいます。しかし、「このデザインは本当にダサいだろうか?」と僕は思います。もっとも、僕はデザイナーではないし、美的センスがある人間ではないけれど、「ダサい」とは感じません。「かっこいい」とまで言わなくても、べつにおかしなところがあるわけでもないし、「不屈」と書かれている文字だって瀬長亀次郎の精神を表しているのだと思うし、独特なフォントで書かれているにしても、丸ゴシックよりは力強さが表現されているってなものだろうと思うわけです。「ポンコツにツッコミを入れることに対してはプロでやらせてもらっている」という自負のある僕が、このボードを見てもポンコツだとは思わないわけです。じゃあ、どうして「ダサい」と感じるようになったのかと言えば、そもそも「辺野古基地問題で抗議していることそのものがダサいと思っているから」だと思うのですが、それはテメエが何かに対して本気で怒ったことがない、マヨネーズのような軟弱野郎だからではないかと思うのです。辺野古基地の地盤と一緒です。
 例えば、どこぞの迷惑系YouTuberがやってきて、僕が作った『チダイズム新聞』を僕の前でビリビリに破ったとしても、おそらく僕は何とも思いません。ただ、僕が推しているシンガーソングライターの女の子が一生懸命作ったCDを目の前で叩き割るようなことをした日には、おでこに地面の跡ができるまで土下座をさせます。自分のことでなくても、誰かのために怒ることはあるし、町のために怒ることもあります。しかし、西村博之は嘲笑するだけで、本気で怒ったことがないのでしょう。
 人は一生懸命になればなるほどダサくなるものです。
 ある程度の点差をつけられて負けている甲子園の試合で、9回裏2アウトで打席が回ってきて、とにかくヒットでもファーボールでも何でも良いから出塁して次につなげたいと思って打った球が、よりによってボテボテのショートゴロで、1塁に向かってめっちゃダッシュするけど、ほぼアウトになるのは確実だとしても、最後っ屁でヘッドスライディングかますのが「一生懸命」というものです。西村博之がやっていることは「それだけ大差で負けているんだったら、どうせ次のバッターに回してもアウトになるに決まっているんだし、ヘッドスライディングなんかするだけ無駄じゃないっすか?」なので、クソの言うことなんて1ミリも聞く必要なんかありません。
 だから、西村博之に言われたぐらいで、いちいちボードのデザインを変える必要なんて全然なかったのですが、そこを変えちゃうところが、沖縄の人たちの人柄の良さということなのだと思います。僕だったら、このボードの横に、ピースをして立つ西村博之の顔の部分をくりぬいたボードを新しく作って、タイの観光地みたいに右下に小さく「ネトウヨ専用1回500円」と書いて、アホのネトウヨから小銭を巻き上げていくようなビジネスをしているところですが、沖縄の人たちは性格が良いので、そういうことはやりません。
 沖縄の歴史は、知れば知るほど、沖縄が本土の利権のために不当に貶められていることを感じずにはいられなくなるのですが、ろくすっぽ勉強しないバカが調子こき、こうした「不当な貶め」に抗おうとする人たちを嘲うわけです。本来は、こういうダメな大人こそ嘲われて然るべきなのですが、日本人はどんどんバカになっていき、西村博之の何が問題なのかを理解できなくなっているため、指摘する人がほとんどいなくなり、現状、いまだにメディアで大きな声を出している状態です。


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