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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#231)。

 今日から10本保証の「N国マガジン・12月号」をリリースすることとなった。裁判費用を捻出するため、4450円という高額なマガジンとなっているが、私を支えてくださる方だけを対象として、現状報告や裁判の記録をお伝えしていきたいと考えている。多くの方が心配しているかもしれないが、ここまでのところ、N国党関係者から仕掛けられている裁判以外のプロジェクトはおおむね順調に進んでおり、12月号は十分に面白い内容をお届けできるのではないかと考えている。金額に十分見合った内容をお届けできるように努力をするので、どうか温かく見守っていただきたい。


■ 加陽麻里布の削除を求める仮処分は認められる

 まだ判決こそ出ていないが、加陽麻里布が記事の削除を求めて起こした仮処分の裁判は、加陽麻里布の主張が認められることになることがほぼ確実となっている。
 そもそも仮処分を求める裁判というのは、「仮処分」という名の通り、あくまで「仮」であることもあり、加陽麻里布にもっともらしい言い分があれば、比較的認められやすい傾向にある。仮処分で決定されたものを元に戻すかどうかは、あくまで本裁判で争われることになるため、ここでは「真実相当性」みたいな概念はあまり関係なく、さらには「麹町警察署が刑事告訴状を受理している」という点も非常に大きく作用しているものと思われる。
 よって、この裁判は「最初から勝てる見込みがあまりない」という、私にとっては、かなり厳しいものであった。今回、代理人を立てずに戦った背景は、この裁判にお金を使っても勝てない公算が大きいからである。
 なぜ麹町警察署が刑事告訴状を受理してしまったのかという点については釈然としない部分はあるのだが、加陽麻里布という人間がこれまで何をしてきたのかを知らない人たちにとって、この事件は、司法書士という立派な仕事をしている若い女性が、どこの馬の骨かもわからないジャーナリスト崩れの人間から、一方的な名誉毀損を受けているという印象を与える。このイメージをひっくり返すには、非常に丁寧な説明をしなければならない。
 今回の裁判では、私に説明の機会が十分に与えられていない上に、加陽麻里布が最初に提出した訴状では仮処分を通すことが難しいということで、加陽麻里布と裁判官が話し合い、名前がわかる部分だけを削除するように変更してきた。どうして裁判官がこのようなアドバイスをしているのかはわからないが、最初に提出した訴状からは大きく変更された。この時点で、自ずと結果は決まっていたのかもしれない。
 また、この仮処分は「週刊文春」のような商業誌の差し止めを求めるものではない。書籍や雑誌といった発行物に対して差し止めを求める場合は、出版社に相当な負担を求めることになるため、表現の自由との兼ね合いで慎重な判断が求められる。しかし、これは私が個人でやっていることに近い。そのため、「相手が困っていると言っているのに、訴えられてまで、なぜ変えないのか」という話になってしまう。変えたら一瞬で片付くのだから、せめて名前を伏せることぐらいはできるのではないかというのだ。実際、裁判官から「記事の変更はやろうと思えばすぐにできるんですよね?」という確認を受けている。
 いずれにしても、私に対する心証は最初から良いものではなかったと推測される。一通りの説明は尽くしたつもりだが、加陽麻里布がNHKから国民を守る党で何をしてきたのかという点については、ほとんど吟味されていないと思っている。こうした一連の経緯から察するに、おそらく私の主張はほとんど目を通してもらえなかったレベルではないだろうか。まあ、世の中というのは、だいたいこんなものである。
 今回の決定に対し、不服を申し立てる権利はあるが、あまり有効であるとは思えない。そのため、仮処分の決定が下された場合には、速やかに変更に従う予定だ。


■ 誹謗中傷問題で支持率はアップしている

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 誠に残念ながら、今、NHKから国民を守る党の支持率は、復活傾向にある。その理由は「ネット上の誹謗中傷問題を取り扱う」と宣言したことによって、NHK以外の新たな層の開拓に成功しているからだと見ている。
 今となっては、肝心のNHK問題に期待する人はほとんどいなくなってしまったが、次から次へと裁判を起こしている立花孝志が「ネット上の誹謗中傷問題に手を出す」という話は、非常に説得力がある。世の中には、ネットで誹謗中傷してくる人を懲らしめてほしいと願う人は大勢いる。それは日頃からネトウヨをこじらせたような発言をしている人ほど、カウンターを浴びる機会が多いことから、自分に対して物を言ってくる人たちを苦々しく思っている層が意外と多いからだ。
 実際、立花孝志の動画の再生数が復活傾向にあるほか、これまで0.0%だった支持率が0.1%に上がるなどの現象も見られる。「誤差の範囲ではないか」と思う人もいるだろうが、少なくとも私の目には、着実に支持率が増えているように見える。
 NHKから国民を守る党を新たに支持し始めた人たちは、NHK問題とは関係なく、ネットの誹謗中傷問題を解決するために次から次へと策を打っているように見える立花孝志の「行動力」に魅力を感じている。彼らにとっては、私への攻撃さえも魅力的に映ることだろう。ゆえに、私自身がNHKから国民を守る党の宣伝に貢献してしまっているという面は否定できない。この状況をどうにか解決しなければならないのだが、今のところ、仮処分の請求が認められてしまったこともあって、有効な手はない。NHKから国民を守る党はしばらく支持率を上げていくことになるだろう。


■ N国内部の情報を知る人がいた

 実は今、NHKから国民を守る党の内部事情を非常によく知ると思われる人物がSNSで大暴れしている。「元N国コルセンボラ」というアカウントで、私に関するものだけでなく、さまざまな内部事情をリークしている。
 このリークの内容からもお察しの通り、私はこのアカウントの人物とコンタクトを取り、弁護士立ち合いのもと、陳述書まで得ていた。ところが、先日のYahoo!ニュースで爆発的に拡散された「誹謗中傷示談金ビジネス」の記事が、ある女性のケースを中心に語られていることに強い不信感を抱いたということで、私はその人物の協力を得られなくなってしまった。アカウントの人物いわく、あの記事は、私と被害者の女性が示し合わせ、精神を病んで入院したことに仕立て上げた捏造にも似たストーリーだというのである。
 この話は非常にセンシティブである。私の潔白を証明するために被害者の病状などをペラペラと語れるような性質のものでもないし、私は立花孝志や福永活也弁護士から仮処分申請を出された複数のアカウントに取材をしており、それぞれの事情をある程度は把握しているが、記事にある精神的に追い詰められて入院してしまった被害女性のケースは、私の知る限り、最も悪いものである。
 こうした事情もあって、私は今、本当は真実を知る人が目の前にいるにもかかわらず、被害者の女性と組んで記事を書いたと誤解されたことや、私の態度が好ましいものではなかったということで、裁判官に真実を伝えることができず、どれだけ私の主張が正しかったとしても、それを認めてもらえないかもしれない厳しい状況に陥っている。実は、加陽麻里布の仮処分を求める裁判で負けてしまっているのも、こうした有力な証拠を提出できなかったことが原因の一端となっている。ましてや、麹町警察署には刑事告訴状が受理されているため、一転して私が逮捕される可能性まである状況となっている。(ただし、このアカウントの人物は、警察には既に証言をしていると思われるため、警察がどう判断するかはわからない。)
 いずれにしても、確固たる証言が得られているにもかかわらず、それを出すことができないことで、私は今、裁判で負ける確率が非常に高くなっている。加陽麻里布が訴えてきた裁判では既に負けているほどである。物的証拠ではなく、「証言である」という点が落とし穴であり、ましてや、その人の気持ち一つで裁判の結果が大きく変わってしまうにもかかわらず、その協力関係が得られなかったことは、私の失敗であると言えざるを得ない。
 唯一、裁判に勝てる可能性があるとするならば、アカウントの人物が心変わりをするか、新たな証言者が出てくることであるが、その可能性は極めて低い。正義が負ければ悪は蔓延る。だからこそ、正義は絶対に負けてはならないのだが、私の能力が低かったばっかりに、このままでは正義が負けてしまう。これは世の中に対して、とても申し訳ないことである。最後の最後まで希望を捨てるつもりはないのだが、私は今、自分の能力の無さを悔やんでいる。


■ これから私の身に起こること

 コールセンターでボランティアをしていたという人物が、裁判で証言するのと証言しないのでは、裁判の結果が大きく変わってくる。まさに、私の裁判の勝ち負けは、そのコールセンターのボランティアだった人物が握っていると言っても過言ではない。私はその人物の協力が得られなくなってしまった時点で、かなり厳しい局面に立つことになったのは間違いない。
 既に立花孝志本人が訴えているように、これから大橋昌信や松田亘、あるいは牧原慶一郎といった、内部告発の手紙に書かれていた人物は、全員が私に裁判を仕掛け、それぞれの裁判で敗訴することになるだろう。真実がどうであるかはほとんど関係ない。一度裁判で認められてしまうと、それを基にして、なぜか被害に遭っている私がNHKから国民を守る党にお金を払わなければならないという摩訶不思議なことが起こるようになる。裁判で負けて支払わなければならないお金まで皆さんから支援を募るわけにはいかないので、私は理不尽なお金であっても判決で下された賠償金を稼ぐために働くことになるだろう。選挙ウォッチャーだけでは生活を維持できないので、取材のペースを減らし、何か新しい仕事をしなければならないだろう。裁判でどれだけ支払うように命じられるのかにもよるが、それが高額になれば、再び選挙ウォッチャーに専念するのは、かなり先になる。それでも、選挙ウォッチャーを辞めるつもりはないので、そこだけはご安心いただきたい。すべては自分の能力の低さゆえに招いたことである。
 そしてまた、私は立花孝志のYouTubeの拡散力によって、ブラックジャーナリストとして扱われることになるだろう。私の記事は信用されず、これからハーバービジネスオンラインで採用される機会も少なくなってしまうだろうし、他のメディアに起用してもらえる機会もないだろう。熱心なN国信者が何度も何度もこするだろうから、人々が忘れるまでには10年以上かかるかもしれない。私は菅野完のように発言力を失うことになる。
 中国で物を申す人がどれだけ正しいことを言っていたとしても、長らく投獄されてしまうのと同じで、正しいかどうか、真実が何であるかは、あまり関係がない。しかし、それでも我々は戦わなければならないのである。民主主義を守るということは、そういうことなのだ。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 もしかしたら、皆さんが4450円も払って読みたかった内容ではなかったかもしれない。しかし、すべてを包み隠さずに話すとすれば、現実は非常に厳しいものである。ただ、どんな状況であっても希望を捨てるべきではない。まったく手が残っていないわけではないからだ。たとえ可能性が低くても、できることはギリギリまでやっていきたい。
 また、あの手紙を書いた人は、きっとこのレポートを読んでくれているはずだ。なにしろ、今日まであまり触れてこなかったが、あれから何度も新しい手紙を送ってきてくれているからだ。真実を知る人は1人ではないはずだし、まだ何かしらの情報を知っている人が沈黙しているかもしれない。
 それともう一つ。パンフレット問題に言及したことをキッカケに、尾崎全紀がNHKから国民を守る党から排除されようとしていることも、大変興味深い現象である。なぜ言及しただけで排除されてしまうまでに至るのか。このあたりにNHKから国民を守る党の闇を感じずにはいられない。
 これからも自分にできることをコツコツ積み重ねていくのみである。

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