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【選挙ウォッチャー】 大多喜町議選2021・分析レポート。

1月12日告示、1月17日投開票で、千葉県の大多喜町議選が行われました。大多喜町は、千葉県の南東部に位置し、「チーバくん」で言うところの股間のあたりということになります。人口1万人弱の小さな町のため、定数は12しかないのですが、なんと、今年は18人も立候補する大激戦。しかも、立候補している人は50代が3名、60代が8名、70代が6名、80代が1名。公明党から唯一の女性候補が出ていますが、それ以外はもれなく全員ジジィという「田舎あるある」の選挙が行われています。これからを担う20代・30代・40代は1人も立候補していません。本当はかなり魅力たっぷりの街だと思うのですが、まったく人口が増えないのは、政治家たちがまったく魅力を発信できていないせいだと思います。

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現職10人、新人8人ということで、かなり新人が多くなっていることがわかります。4年前は定数12に対して13人しか立候補せず、ほぼ全員当選に近い状態だったので、ジジィばっかりとはいえ、みんなが政治に関心を持ち、たくさん立候補してきたということは、そんなに悪くない話ではあります。それでは詳しく見ていくことにしましょう。


■ 共産党は最高齢80歳の新人を擁立

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長らく大多喜町で共産党の議席を守ってきた野中真弓さんが、今年は立候補をせず、その代わりに山中喜七さんが立候補しました。ポスターを見る限りではそこまでホゲホゲ感はないのですが、御年80歳。80代で立候補しているのは、唯一、山中喜七さんだけです。もし野中真弓さんが立候補していれば、今年74歳ということになったかと思うのですが、74歳から80歳へのバトンタッチというのは、なかなかないことだと思います。田舎に行けば田舎に行くほど若い世代に共産党のバトンが引き継がれることがなく、ちょっとだけ元気な爺さん婆さんでバトンを渡し合うという、世代交代の欠片もありゃしないことになっているのです。まだまだ山中喜七さんがお元気だったとしても、任期を満了する頃には84歳になってしまう計算で、世代交代は必要不可欠ですが、これまで若い人を育ててこなかったツケが回っていると言わざるを得ません。そして、今回の大多喜町議選では、まさかの出来事が起こって山中喜七さんは落選。共産党は議席を失っています。


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