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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#262)。

先日、迷走を続ける「NHKから国民を守る党」改め「NHKから自国民を守る党」が、2月1日から「NHK受信料を支払わない方法を教える党」に党名を変更すると発表した。「受信料を支払わない方法」と言っても、特別な裏技があるわけではなく、ただ「NHKから請求されても裁判されるまで支払わない」というだけで、わざわざ教えてもらうほどの話でもないし、いざ裁判を起こされてしまった時には支払う以外の選択肢はない。運良く裁判を起こされないこともあるようだが、こうした食い逃げ的な不払いが横行するようになれば、NHKがますます裁判を強化するかもしれない。裁判で戦うとなれば弁護士代もかかるし、勝てる見込みはほとんどない。そうなれば素直に受信料を支払っていた方がよっぽど安くなってしまう。そういう意味でも、NHKの受信料問題の解決を立花孝志に求めるのはまったくオススメできないのだが、世の中には情弱がたくさんいるので、まんまと釣られ、痛い目に遭ってしまう人たちは存在する。だから、私は2年以上前からずっと警鐘を鳴らし続けているのだ。そんな「N国党」は最近、どうなっているのか。なんてったって、私は立花孝志から現在進行形で5件の裁判を仕掛けられ、「ちだいを破産させる」と宣言されているほどである。今となっては、N国党のことは私に聞けばいいということで、メディアからの問い合わせも来るようになってしまった。なので、今日は崩壊寸前のN国党がどうなっているのかを解説する。


■ 籠池家から8400万円の寄付金を引き上げる

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まず「NHKから国民を守る党」は、衆院選の準備資金として5億円以上の借金をしておきながら、そのほとんどを使い切ってしまい、年末には借金の利子(初年度は10%)を支払わなければならなかったため、党のお金はほぼスッカラカンになっていたとみられる。N国党の「美人広報官」とされる新藤加奈が、記者会見で「追加の融資をお願いする可能性がある」と言っていたくらいなので、万が一の時には再び借金をするつもりだったようだ。しかし、立花孝志には森友学園の土地の差し押さえを免れるようにと、籠池家に寄付した8400万円のお金があった。表向きは「森友学園の問題が風化しないように金を出した」ということになっているが、一方で、立花孝志は瑞穂の国記念小学院の建物に「YouTuber養成学校」を作るという夢も語っていた。多くのYouTuberたちがさまざまな企画を考え、しっかり編集をした面白い動画をアップしている中、ホワイトボードの前でデタラメを語り、NHK集金人を追いかけ回したり、誰かの顔や個人情報を勝手に垂れ流す、いわゆる「迷惑系YouTuberの教科書」みたいな存在のくせに、ましてやほとんどの動画が無編集で垂れ流されているだけのクリエイティビティの欠片もないオッサンのくせに、どこに学ぶべきポイントがあるのかは知らないが、本人はワクワクしながら夢を語っていた。しかし、立花孝志が出した8400万円を管財人は受け取らなかった。それもそのはずで、そもそもこの8400万円は「怪しいお金」でしかない。立花孝志いわく、このお金は「NHKから国民を守る党が立花孝志に貸し付けたもの」で、簡単に言えば、党からの借金である。森友学園にとっては「立花孝志からもらったお金」かもしれないが、立花孝志にとっては「党から借りたお金」なので、今度は立花孝志の返済能力が問われる。そうなると、立花孝志に借金を担保できるだけの不動産があるわけでもなく、収入らしい収入もないため、返済できる見込みはない。だから、立花孝志が出した8400万円は「怪しいお金」として扱われしまい、そんなお金を受け取るわけにはいかないということになってしまった。結局、寄付をした8400万円が宙ぶらりんになってしまったのだ。今年に入り、党にもお金がないということで、籠池家から8400万円の寄付金を返してもらうことにした立花孝志。今さら寄付したお金を「返してほしい」と言うのは、とてつもなくダサい。だから、今になって「籠池家は悪なんだ!」と騒ぎ出し、少しでもダサさをかき消そうとしているのだと私は見ている。結局、立花孝志は自分の正当性を主張するために、蜜月だった籠池ファミリーを傷つけ、ネットで一方的な主張をする。これが立花孝志のやり方だ。なお、N国広報紙の東スポが、立花孝志が森友学園から手を引いたら追及が弱くなってしまうではないかと書いていたが、実情はまったく逆である。むしろ、この森友学園問題は、ちゃんとしたジャーナリストが地道に取材を続けていたのだが、立花孝志が籠池家にカラみ出したことで、ジャーナリストたちが「やってられない」と、こぞって手を引いてしまった。この問題を闇に葬っているのは、他ならぬ立花孝志であることは、しっかり記しておきたい。


■ N国の選挙は連敗記録を更新中

NHKから自国民を守る党は、1月24日の倉敷市議選、1月31日の戸田市議選と千代田区議補選、2月7日の前橋市議選と、3週連続で選挙に挑んでいる。倉敷市議選では、100万円の供託金を没収されてまで知名度を上げるために倉敷市長選にも立候補するなど、ずいぶんとお金をかけていた。しかし、当落ラインに遠く及ばずに落選。1月31日の戸田市議選では半年以上前から地道に駅前に立ち続ける超ドブ板選挙を展開していたが、やっぱり落選。千代田区議補選には「N国党」の看板を外し、あくまで無所属というテイで立花孝志の元恋人である加陽麻里布が立候補するも落選。2月7日の前橋市議選も、当選は絶望的な状況にある。結局、NHKから国民を守る党は、東京都知事選をはじめ、地方のあらゆる選挙に立候補してきたが、昨年3月の志木市議選で無投票当選を果たして以来、一度も選挙に勝っていない。かつては「選挙のプロ」を自称し、画期的な戦略で当選の導く「選挙の天才」を演出していた立花孝志であるが、メッキが剥がれた今は、まったく通用していない。選挙の連敗が始まった当初は「これは実験なんだ」と言い張っていたが、最近はそれさえ言わなくなった。同党に期待する人はどんどんいなくなっているというのが現実だ。


■ N国党の崩壊は緩やかに進んでいる

籠池家に寄付した8400万円が返ってきたことで、少し息を吹き返すことになった「NHKから国民を守る党」だが、党を運営にかかるランニングコストがあまりに大きすぎるため、4月の政党助成金まで持つのかどうかは微妙なところだ。何か工夫をして乗り切る可能性もなくはないが、私の試算では3月末を乗り切ることはできないため、3月中旬頃には融資のお願いをする動画を出すことになると見ている。しかし、こうした党の懐事情を所属議員たちは察している。先日は品川区議の国場雄大が「娘が生まれるにあたって、嫁の家族から猛反対されているので、残りの任期を自分の力だけで頑張りたい」という理由で離党している。「党の理念と自分の政治思想が変わってきた」などの理由ではなく、「親族が反対しているから」という理由で離党していくのが「NHKから国民を守る党」の特徴である。実は、既に離党寸前ではないかと見られている地方議員は複数存在し、立花孝志が問われている刑事事件の刑が確定した段階で、大量に離脱すると思われる。今、このタイミングで泥船に乗り続ける理由は、ここで離党してしまうと、これまでの離党者のように、どんな嫌がらせを受けるかがわからないからだ。

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NHKから国民を守る党を離党した豊島区議の沓澤亮治氏がSNSで発信しているように、「離党した議員のほとんどが、何らかにの嫌がらせを受けている」という。これがNHKから国民を守る党のカルト性である。また、私を筆頭に、同党に批判的なコメントをする者に対しても、積極的に嫌がらせを仕掛けていく。テレビ番組の中で「このままでは気持ち悪い集団になってしまう」と心配をしただけのマツコ・デラックスさんに対し、「マツコ・デラックス被害者の会」という法人を作り、N国信者(NHKから国民を守る党の熱烈な支持者)たちを集めて訴訟をしたのも、明らかに「異常」としか言いようがない。だから、カルトに気づいて抜け出したいと思っても、多くの議員は離脱する勇気はなくあくまで立花孝志を尊敬しているかのように装うのだ。かつてオウム真理教が離脱しようとした信者たちを消してしまったように、「どんな嫌がらせをされるかわからない」という理由で、なかなか離党は進まないのだが、キッカケがあれば、多くの議員が離れてしまうだろうと見ている。


■ 青春を取り戻したい非リア充たちの居場所

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N国党の人気は急落しているが、ボランティアに集まる人の数はそれほど大きく減ってはいない。それはなぜか。NHKから国民を守る党は、「男女の出会いの場」と化しており、奔放な恋愛が推奨されているからだ。そもそも党首の立花孝志自身がYouTube上で歴代の彼女を紹介しており、元元元カノが公設秘書、元元カノが松戸市議、元カノが1月31日の千代田区議補選に立候補するなど、いまだ立花孝志とはつながっている。「みんなもどんどん恋愛したらいい」というスタンスなので、ボランティア同士で交際に発展することも少なくない。うだつの上がらない男女が「選挙運動」というボランティア活動を通じて知り合い、あわよくば、その場のノリでラッキースケベに辿り着こうと一生懸命なのだ。そう、ここはうだつの上がらない人生を過ごしてきた人たちによる「カムバック・青春・グレイト・アゲイン」なのである。だから、こうした「楽園」を提供してくれている立花孝志には「感謝の念」しかない。立花孝志と出逢わなければ、うだつの上がらない人生を過ごしていたに違いないのに、男女の出会いがあり、さらには議員になって年収1000万円以上の収入を手にするかもしれない「人生一発逆転のチャンス」がそこにはあるのだ。だから、どれだけNHKから国民を守る党がカルトだと言われても、中に入ってしまえば「楽園」でしかない。しかし、忘れてはいけないのだ。こうした「楽園」は、税金によって作られている。自分たちでお金を出し合ってやっているのであれば、不倫だろうが、フリーセックスだろうが知ったこっちゃない。しかし、彼らはあくまで「NHKの受信料問題」を大義名分に使い、「楽園」を作っているに過ぎない。だから、批判されるし、世間からますます嫌われるのである。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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先日、「選挙ウォッチャー」である私が戸田市議選に立候補しているスーパークレイジー君を取材しようとしていたら、私を見つけたNHKから国民を守る党の宇都宮市議・遠藤信一が無断でスマホのカメラを向けてきた。これに反応して、同じくN国信者の男性も勝手にカメラを向けて撮影してきたのだが、こうした動画は一切の許可なく無断でアップされており、私のことをバカにしたようなタイトルをつけている。しかし、その遠藤信一は「新型コロナウイルスに効く」などと言い、亜塩素酸ナトリウム水溶液とクエン酸水溶液を混ぜたものを飲む様子を撮影し、YouTubeにアップした。そして、それを信じた前田みか子(2月7日投開票の前橋市議選に立候補中)が同じものを飲み、腹痛を訴え、深夜に病院に駆け込むという事案が発生。幸いにも命に別状はなかったが、この騒動を知った市民から宇都宮市議会にクレームが殺到し、遠藤信一は議会の場で謝罪することになった。亜塩素酸ナトリウム水溶液は、簡単に言えば「ハイター」なのだが、こんなものを「新型コロナウイルスに効く」などと言って、ドヤ顔で飲んでいるような人間が、どういうテンションで他人をバカにできるのだろう。NHKから国民を守る党の特徴は、立花孝志だけでなく、党員たちももれなく邪悪なことである。党首がやるので議員がマネをして、議員がやるのでN国信者たちがマネをするという「負の流れ」が出来上がっている。そんなNHKから国民を守る党は3月28日の伊賀市議選に門田節代が立候補する計画だ。伊賀市議会の定数は今年から2議席減らされ、22となっているが、立候補者が少なかった場合には当選してしまう可能性もゼロではない。伊賀市の皆さんにはぜひ立ち上がっていただきたいと思う。

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