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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#373)。

 先月のN国マガジン(2022年12月号)は、NHK党の政治資金収支報告書について検証しましたが、もっとヤバいことになっている政治団体がありましたので、これは皆さんと一緒に見ていかなければならないと思いました。
 死神幹事長こと黒川敦彦が率いる「つばさの党」は、非常によくわからない資金の動きをしています。まさに今、表現の自由戦士たちがフル勃起で叩いている「Colabo」なんかより、こっちの方がよっぽどイカれたことになっていますし、ここにもNHK党の政党交付金の分け前が流れることになっています。そっちも良いけど、ぜひとも「つばさの党」のヤバさに気づいていただきたい。謎のお金も億単位になっていて、非常にダイナミックで面白いと思います。
 まずは、「つばさの党」の政治資金を検証する前に、「オリーブの木」の政治資金について検証したいと思います。なかなか興味深い事実が浮かび上がってまいります。


■ 「オリーブの木」政治資金収支報告書

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・1ページ(引用元リンク

 それでは、さっそく「オリーブの木」の政治資金を見てまいります。
 政治団体「オリーブの木」は、2019年5月、小林興起、天木直人、西尾憲一らが参加して立ち上がり、その年の参院選に挑戦。しかし、参院選の直前に創始者たちが続々と離れ、なぜか最終的に黒川敦彦の政党になってしまいました。
 この政治資金収支報告書は2020年のものなので、実質的に黒川敦彦がオーナーのような形になっている状態で、この年の9月に行われた座間市議選に須崎友康が立候補し、当選を果たしました。当時はまだNHK党との関係はありませんでしたが、「黒川敦彦の政治団体」ということで、「チダイズム」では既に「カルト団体」と認定し、追いかけていました。
 そんな「オリーブの木」は、2020年の時点で代表者が黒川敦彦になっていて、会計責任者として西尾憲一さんの名前が残っているものの、事務担当者として須崎友康の名前が書かれております。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・2ページ(引用元リンク

 収入は、前年からの繰越金が1600万円。それ以外に748万円の寄付が集まり、全部で2348万円で運営されていました。黒川敦彦がオーナーになってから寄付の収入が減っています。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・3ページ(引用元リンク

 もはや小林興起さんや天木直人さんの信用で寄付がたくさん集まっていたはずなのですが、いつの間にか黒川敦彦が自由に使えるお金になり、そこに748万円も寄付する奇特な人たちがいたのですが、個人で寄付できる上限となる150万円を根本良輔が4月9日に支払っています。この頃から黒川敦彦と根本良輔の太い絆ができたとみられます。
 根本良輔はナンパの極意を高額で販売し、億単位のお金を手に入れたと言っていましたが、軽く150万円を寄付できるところを見ると、どうやらそのエピソードは本当のようです。もっとも、ナンパにそこまで情熱を燃やせる奴もイカれているという話ですが・・・。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・4ページ(引用元リンク

 この年の9月に座間市議選で当選した須崎友康も、10万円を寄付しています。しかし、根本良輔が150万円、須崎友康が10万円で、寄付する金額にも大きな差があるので、黒川敦彦は須崎友康を切り捨て、根本良輔と仲良くする道を選びました。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・5ページ(引用元リンク

 事務所の家賃、光熱費、政治活動や選挙関係費など、さまざまな支出がありますが、興味深いのは1080万円の寄付をしていることです。この寄付をした先が、後継団体となる「つばさの党」であり、「オリーブの木」のお金は清算されず、完全に黒川敦彦のものになりました。この寄付の話は、あとで出てきます。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・6ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・7ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・8ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・9ページ(引用元リンク

 6ページ目から9ページ目ぐらいまでは、あんまり意味がありません。ただ、その他の支出みたいなものが載っているだけで、大した金額ではないので割愛します。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・10ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・11ページ(引用元リンク

 オリーブの木で使っていた隼町の事務所の家賃は、6万5000円という非常にリーズナブルな価格であることがわかりました。相場より少し安くしてもらえている気がしますが、当時は陰謀論YouTuberとして、それなりに収益があったと思いますので、これくらいは余裕で払えたのではないかと思います。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・12ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・13ページ(引用元リンク

 オリーブの木は、あまり地方選に積極的ではありませんでしたので、せいぜい須崎友康が立候補したぐらいだと思いますが、この時にかかった費用が計上されています。おそらく花代は、須崎友康が当選した時に贈られたものではないかと思います。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・14ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・15ページ(引用元リンク

 会食代として計上されているものは、それほど不自然ではありません。誰かとメシを食えば、だいたいそれくらいの金額になるだろうというものですし、高くも安くもないし、特別に変な店っぽい感じもありません。何よりも金額が小さいので無視して良いと思います。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・16ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・17ページ(引用元リンク

 航空券やタクシー、宿泊代などがあるのは、特に不自然なことではありません。そりゃ政治活動をしていれば、「アゴ・足・枕」と言われるお金はかかるでしょうし、いずれもベラボウに高い金額になっているわけでもありません。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・18ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・19ページ(引用元リンク

 9月なので、座間市議選の応援に入った時の経費が計上されているのだと思いますが、ほとんどお金が使われておりません。その他の支出が大きいですが、それでも全体からしたら、けっこう小さな金額です。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・20ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・21ページ(引用元リンク

 どうやら広報などを「合同会社オリーブの木」に委託していることになっているのですが、月額70万円で業務を請け負っていることになっているようです。令和3年度の政治資金収支報告書を見ても、この会社にお金が支払われているようなので、この会社がとても気になります。
 ということで、この会社の登記簿情報を調べてみることにしました。どうせ黒川敦彦の生活費を稼ぐための会社だろうと思っていたのですが、調べてみると、以下のようになりました。

黒塗りは筆者が施した(黒川敦彦の母親の名前と住所が記載されている)

 この「合同会社オリーブの木」は、令和元年12月3日に設立されたことになっていますので、政治団体である「オリーブの木」のお金が本格的に流れるようになったのは、令和2年以降ということになろうかと思います。毎月70万円近い金額が、政治団体から合同会社に支払われていたことになります。
 なお、代表社員となっているのは黒川敦彦の母親であると「荻津組」の質問に回答しています。代表社員と言いながらも、実際には名義を貸しているだけではないかと推測されるため、実質的には黒川敦彦の会社だと思われるため、ほとんど関係ないであろう黒川敦彦の母親の名前や住所を晒すことはNHK党と同レベルになってしまうので、ここは一旦、黒塗りにして情報を控えることにしました。公開情報なので、登記簿を取れば誰でも分かることではありますが・・・。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・22ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・23ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・24ページ(引用元リンク

 7月と8月に寄付をしている「東京大改革」は、溝口晃一という男の政治団体です。溝口晃一は、かつて「オリーブの木」から立候補したことがありますが、「チダイズム」でも記録されています。

 なお、この「東京大改革」の政治資金収支報告書を見ると、100万円のうち98万円が溝口晃一個人に寄付という形で支払われています。現在、溝口晃一は「つばさの党」とは少し距離があると思いますので、追及の対象ではありません。
 問題は、11月16日に10万円、12月21日に30万円、12月29日に940万3795円が「つばさの党」に寄付という形を取られていることです。「オリーブの木」の資産は、勝手に「つばさの党」の資産として計上されることになりました。小林興起さんや天木直人さんを支持して「オリーブの木」に寄付していた人たちはどんな気持ちでしょうか。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・25ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・26ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・27ページ(引用元リンク

 さて、面白いのは、ここからです。
 害悪を撒き散らす陰謀論YouTubeでお金を稼いでいたとはいえ、さすがに純利益で1億円以上のお金があったとは思えません。このお金は一体、どこから調達したものなのか。もう黒川敦彦はランナウェイできません。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・28ページ(引用元リンク

 政治団体「オリーブの木」は、100万円以上の借入金があるという項目にチェックがついています。一体、誰にどれくらいの借金があるのか。これが今日イチで面白いポイントです。

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・29ページ(引用元リンク

 政治団体「オリーブの木」は、令和元年(2019年)6月28日に黒川敦彦から1億円のお金を借りています。この年の7月4日が参院選の公示ということになりますので、参院選はほとんど黒川敦彦が用意した資金によって戦われたということになります。
 しかし、黒川敦彦自身はこの1億円をどのように調達したものなのでしょうか。かつて黒川敦彦は「山口4区」から立候補して注目されたことがありますから、その時の黒川敦彦を信頼してお金が集まったのだとすると、今の黒川敦彦は相当な裏切りをしています。このお金については、本人に凸をして聴くしかありません。おい、黒川、ランナウェイするなよ!

政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・30ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・31ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・32ページ(引用元リンク
政治団体「オリーブの木」の令和2年度・政治資金収支報告書・33ページ(引用元リンク

 ということで、なぜ「オリーブの木」が参院選の直前に、実質的な解散状態になり、「黒川敦彦の政党」のようになっていたのかと言うと、資金調達の面で黒川敦彦が強い力を持っていたからではないかと推測されます。
 本来、1億円もの貸したお金が返ってこないとなれば、発狂していてもおかしくないはずですが、黒川敦彦にその様子はありません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

「ランナウェイするな!」がブーメランになりそうな黒川敦彦

 お金を「貸す」という形を取れば何でもできると思ったら大間違いです。あくまで「貸す」ということにすると、税金的な控除は受けられなくなると思いますので、「寄付ではない」という意味は非常に大きいですし、返金されない状態であれば、これは実質的に「寄付」と同じ意味を持つことになります。
 黒川敦彦に集まったお金が、黒川敦彦に寄付されたものだとすると、ベラボウな「収入」としてカウントされることになりますし、黒川敦彦もまた借りているのだとすると、ベラボウな「債務」が発生します。いずれにしても黒川敦彦は詰んでいて不思議ではないのですが、詰んでいないのだとするならば、何らかの支払いをしていない可能性があります。このあたりは追及するポイントでしょう。


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