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【選挙ウォッチャー】 いすみ市長選2021・分析レポート。

11月28日告示、12月5日投開票で、千葉県のいすみ市長選が行われました。こちらは16年ぶりの選挙となりまして、現職の太田洋さんと、新人で元市議の田井秀明さんによる一騎打ちとなりました。千葉県に住んでいる僕ですら、いすみ市がどこにあるのかをよく知らず、「千葉の奥の方」としか認識していませんが、そんな場所だからこそ、のっぴきならない事情を抱えています。最近はポンコツ候補を見て笑っているような選挙レポートも多いですが、今回はいつになく「社会派」です。

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太田 洋  73 現 4期目を目指す
田井 秀明 59 新 元市議(移住組)

今回の選挙は、市議のほとんどが現職についており、新人の田井秀明さんの陣営につく人はいませんでした。何か大きな組織がバックについているわけでもなく、地元で発言力を持つ「ドン」みたいな人が後援しているわけでもなさそうだったので、そもそも「政治の力学」の観点から、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙という雰囲気になっていたのではないかと思います。しかし、この市長選こそ、本当は冷静に公約や主張を見比べて投票するべきだったのではないかと思います。


■ 近年稀に見る「目利き」のない選挙

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僕も4年ぐらい「選挙ウォッチャー」をしていますが、いすみ市を取材するのは初めてなので、そもそも太田洋さんがどんな人なのかも知らないし、田井秀明さんがどんな人かも知らないところからスタートしています。もちろん、僕は「政党ではなく人で選ぶべき」をモットーにしていますので、反社会的カルト政党「NHKと裁判してる党(主に被告で)」を除き、その政党に所属しているからダメな人だという判断はしていません。

N国党の説明については拙著を読んでいただくとして、まったくフラットな状態で選挙を見た時に、僕の中にも「どちらに投票するべきだ」というのは当然のように生まれるわけで、今回、両候補を取材した時に、どちらに投票するべきだったかと言えば、それは間違いなく、田井秀明さんだったのではないかと思わずにはいられません。一番の理由は、田井秀明さんは近年稀に見る「ポンコツではない候補」だったからです。こんなに良い人がいたのに落選させているんだから、いすみ市の人たちは、それで大丈夫なのかと思わずにはいられません。


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