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【選挙ウォッチャー】 鹿沼市長選2020・分析レポート。

5月17日告示、24日投開票の鹿沼市長選は、それなりに見どころのある戦いでした。現職は今年で4期目を目指すベテランです。選挙にはかなり強く、2016年の市長選では元市長のリベンジをあっさりと交わし、元市議にもダブルスコアをつけて当選しています。しかし、今回は若さがあって自民・公明推薦の組織力で挑んでくる元市議です。ヒリヒリするような戦いになることは間違いなく、まさに「選挙ウォッチャー」の真髄である他人の真剣勝負をニヤニヤしながら見守ることができる選挙となりました。本当は電車で行きたかったのですが、新型コロナウイルス対策のため、車で取材することになりました。今年はなにかと車で移動することが増えそうなので、お金がかかってしょうがありません。

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石下 友彦 47 新 自民・公明推薦
佐藤 信  73 現 無所属

今回の鹿沼市長選に争点らしい争点はありません。慢性的に人口減少が続いているので、それをどう止めるかが喫緊の課題なのですが、現職の佐藤信さんは「日本全国で人口が減少しているのだから、人口減少に逆らうのではなく、なるべく現状を維持してソフトランディングさせていく」という考え方です。一方、石下友彦さんは「現状維持では会社は潰れる。住宅街を作って人口を増やす」という考え方です。もちろん、新型コロナウイルスが終息した後にどのような政策を取るのかについても意見が割れています。先週の小田原市長選で新型コロナウイルスについて言及することが自民・公明の必勝パターンであることに気付いた可能性があり、石下友彦さんも新型コロナウイルス対策をしっかり訴えるようになっていました。


■ パチンコ屋さんも対応が大変

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鹿沼市には、けっこうパチンコ屋さんがあるんですが、どこもかしこも面倒臭いことになっていました。石下友彦さんの選挙事務所のすぐ近くにあるパチンコ屋さんでは身分証提示、検温、マスク着用が来店客に義務付けられていました。実は、まさに鹿沼市長選が行われている真っ最中に、隣の宇都宮市のスーパー「ヨークベニマル戸祭店」で、従業員を中心としたクラスタが発生し、女性従業員4人とその家族2人が新型コロナウイルスに感染しました。休憩室で従業員同士が会話をしながら食事をしたことが原因ではないかと見られていますが、まだまだこうした感染が日常的に起こっていることもあって、パチンコ屋さんは特に神経を尖らせています。マルハン鹿沼店では他県からやってきた車は駐車させないなどの措置を取っており、平和にパチンコをすることもできません。何かがあるとすぐに悪者になってしまうパチンコ屋さんですが、営業を自粛できないのには理由があります。パチンコ屋さんは「風俗営業」なので、銀行からの融資を受けることができないため、営業しないということは潰れることを意味します。パチンコ屋さんにも従業員はいるし、従業員には家族もいるので、こんな時でも営業しないわけにはいかないのです。しかし、ひとたびパチンコ屋でクラスターが発生したと言われた日には、近隣のパチンコ屋さんまですべて営業できなくなってしまいますので、一生懸命気を付けながら営業しているのです。


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