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【選挙ウォッチャー】 川俣町議選2021・分析レポート。

2月9日告示、2月14日投開票で、川俣町長選が行われました。立候補したのは現職と2名の新人。田舎の選挙あるあるなのですが、なんと、立候補した人は全員70代。選挙に興味のない人にはジジィ同士でワチャワチャやっていると思われるのではないでしょうか。川俣町は、福島第一原発の北西に位置する町で、10年前の原発事故では高濃度に汚染された地域なのですが、日本の「大丈夫大丈夫作戦」によって、今では何事もなかったかのように人々が暮らしている町ということになります。

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佐藤 金正 72 現 町長
佐藤 善一 71 新 農業
藤原 一二 74 新 行政書士

そもそも日本全体が高齢化しているわけですが、田舎の高齢化は凄まじいものがあり、福島第一原発事故の影響を心配して、若い人たちはどんどん町の外に出て行くようになってしまったので、少子高齢化がより深刻な町でもあります。生活環境の中にセシウムやストロンチウムをはじめとする人工核種が存在するというのは、まったく健全なことではありませんので、町の外で暮らすことを決断する若い人たちを止めることはできません。ただでも過疎の市町村が消滅の危機に瀕している中で、町の人たちは町長に何を求めるのでしょうか。


■ 佐藤善一候補の主張

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佐藤善一さんは、一人だけ謎の人物です。選挙ポスターに顔を出すこともありません。「沈滞した町の経済を活性化する」「子供の声が賑やかな町づくり」の2つを公約に掲げているのですが、選挙公報にも同じ文字が書かれているだけで、その他に何がしたいのかがわかりません。選挙事務所は存在せず、どうやら事務所を登録しているだけのようです。選挙運動らしいことがどれだけできているのかも不明で、今回、どうして立候補してきたのかもわからないような泡沫候補でした。なので、実質的に現職の佐藤金正さんと新人の藤原一二さんの一騎打ちという構図になりました。


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