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【選挙ウォッチャー】 逗子市長選2018・分析レポート。

夏は海水浴のビーチとして賑わう神奈川県逗子市。ここで12月16日に逗子市長選が行われることになり、今年で4期目を目指す現職の平井竜一さんと、地元商工会の会長である桐ヶ谷覚さんの一騎打ちとなりました。平井竜一さんは無所属で、地元に悲願である総合病院を建てるために邁進している人物です。一方、もっといろいろなハコモノをゴリゴリに建てていきたい自民党のオジサンたちが擁立したのが、地元商工会の会長である桐ケ谷覚さんでした。地元商工会の力も借りて組織票はバッチリだと思います。平井竜一さんはこれまでの実績が問われるわけですが、有権者が選挙に行ってくれるかどうか、投票率もカギになるのではないかと思います。

平井 竜一 52 現 無所属
桐ケ谷 覚 60 新 自民・立憲民主・公明・共産応援

神奈川県逗子市の人口は約5万8000人ほど。お隣の鎌倉市が17万人、横須賀市が40万人ということで、それほど大きな街ではありません。それだけに財政が潤沢にあるというわけではないのですが、その中で何にお金を使うかが問われます。自民党のオッサンたちに担がれて出てくる商工会の会長は「今の市長は地元の経済を回していない」と批判しているわけですが、「経済発展のため」と言えば何でもアリで、無駄な道路やハコモノを作るのでは困ってしまうのです。そのあたりをしっかり見極め、より街のために働いてくれる人がどちらなのかをジャッジしたい選挙ということになります。


■ この逗子市長選は闇が深い

今回の逗子市長選は、「小さな沖縄」を見ているような構図が広がっていました。自民党の狙いは、ズバリ、池子の森にある米軍住宅周辺の環境整備・開発だと思います。米軍からどのようなリクエストが来ているのかは知りませんが、現職の平井竜一さんは「逗子市の自然は守らなければならない」と考えていて、2期目の選挙では推進しましたが、米軍住宅周辺の整備や開発には慎重な姿勢を崩していません。しかし、米軍の意向をそのまま実行することを考えると、平井竜一さんが市長ではスムーズに行かないので、自民党を通じて米軍の意向がそのまま反映する市長が必要になります。桐ケ谷覚さんは、みんなの党から自民党に移籍した浅尾慶一郎さんに説得されて立候補した人物であると言われています。選挙事務所の入口の最も目立つところに浅尾慶一郎さんの為書きがあったように、浅尾慶一郎さんとの関係は深いと思われます。桐ケ谷覚さんが商工会議所の会長としてやったことは「OKストアの誘致」でした。しかし、「OKストア」ができれば便利かもしれませんが、大型スーパーが建設されて困るのは地元の小さな商店です。地元経済の活性化とは真逆のことをしているわけなのですが、そんな人物が新自由主義の「みんなの党」で幹事長までやって、最終的に自民党に移籍している浅尾慶一郎さんと一緒になっているのです。この先に香ばしい何かがありそうです。僕はこれが「米軍住宅周辺の環境整備・開発」ではないかと思っているところなのですが、実際に何が目的なのかは分かりません。しかし、桐ケ谷覚さんを応援している人たちの顔ぶれを見ると、どうも何か裏がありそうな予感がしてならないのです。小さな沖縄を見ているようだと思った理由はもう一つあります。それは「デマ」が飛び交い、酷い印象操作が行われていることにあります。まるで平井竜一市長がろくでもない市長のように言っているのですが、その根拠となるデータがことごとく間違えているのです。例えば、市の税収は90億円以上あるのですが、住民税だけを切り取り、49億円の住民税に対して47億円が市役所職員の人件費になっているというのです。まるで2億円しか余裕がなくて、たった2億円で住民サービスをしているかのような話をしているのです。こんなバカな話はありません。


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