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【選挙ウォッチャー】 蟹江町議補選2021・分析レポート。

3月23日告示、3月28日投開票で、愛知県の蟹江町議補選が行われました。これは蟹江町長選に呉服屋の旦那で町議の戸谷裕治さんが立候補することに伴うもので、町議補選には戸谷裕治さんの後継指名を受けている37歳の新人と、市議補選だったらワンチャン当選できるのではないかと思って立候補してきたオッサンの一騎打ちとなり、これはこれでギャグとして、なかなか面白いことになりました。なお、この選挙もまたなまはげパックにエントリーされていますので、16本のレポートを1600円でお得に読むことができます。単発で買うもよし、お得にセットで買うもよしです。

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石原 高志 60 新 居酒屋店主
三浦 知将 37 新 司法書士

選挙の掲示板を見た瞬間、この勝負は決まっていると思わずにはいられません。司法書士の三浦知将さんの方はしっかりポスターなのに、居酒屋店主の石原高志さんの方はコピー用紙に「思い」をビッシリと書いているだけというお粗末さ。だいたい文字だけで攻めてくる奴は「ヤバい奴」と相場が決まっているため、限りなく無風選挙に仕上がっていたのです。ただ、この手のポスターを貼っている候補は完全なる泡沫候補であるため、まずたった1日の取材で出会うことはほぼ不可能。だいたい選挙事務所も存在しないと相場が決まっているため、どこにいるのかを把握するのも至難の業だったりするのです。ところが、この蟹江町議補選は奇跡的に両候補に会うことができたため、かなり充実した選挙レポートになってしまったのでした。


■ 三浦知将候補の主張

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三浦知将さんは、37歳の司法書士です。「蟹江の未来を切り開く」をキャッチコピーにしていて、特に面白いポスターではありません。今回、蟹江町長選に立候補した戸谷裕治さんの後継指名を受けていて、これまで戸谷裕治さんを支持していた人たちの票は全部もらう計画です。ほぼ無投票当選で決まっているに等しく、選挙公報はかなり雑です。選挙公約は「蟹江町のために時間を使います・行動します」ということだけで、新型コロナウイルスに対する公約は皆無。他人に利益となるように頑張ることをモットーにしているという程度で、「町議として、これをやりたい!」みたいなものは一切ありません。それでも、相手が相手なので余裕で当選してしまうのです。

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話した感じは、爽やかな好青年という雰囲気で、いろんな人に応援されている雰囲気なのですが、どこまで町のために頑張ってくれるのかは未知数。グーグル先生に聞いても、司法書士として登録されていることぐらいは出てくるのですが、三浦知将さんのSNSや公式ホームページなどは一切出てこないため、司法書士であること以外、どんな人なのかもわかりません。

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ホームページがなくても、公約がよくわからなくても、ただ「まともそうである」というだけで当選してしまう日本の闇。話した感じはすごく普通なので、たぶんヤバい奴ではないと思うのですが、仮にヤバい奴だったとしても当選しているというのは、この町にとっては大きなリスクです。

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戸谷裕治さんの支援者たちをはじめ、とにかく選挙事務所の中にはたくさんの人がいて、みんなが三浦知将さんのことを応援していたので、とりあえず人望はありそうだというところで一安心なんですが、三浦知将さんの選挙事務所を取材していたら、ひょんなことからライバル候補の石原高志さんに会うことになったのでした。


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