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【選挙ウォッチャー】 和光市長選2021・分析レポート。

5月16日告示、5月23日投開票で、和光市長選が行われました。今回の選挙は、現職の松本武洋市長が引責辞任。市の保健福祉部長だった男が高齢者が預けたキャッシュカードを持ち出して現金を引き出した業務上横領の罪で起訴された責任を取り、「周囲の職員が着服を見て見ぬフリをする対応をした。そのような職場環境を作った責任がある」と言って辞職したのです。自分の不祥事でも辞職しない議員はたくさんいるし、自分の公設第一秘書が殺人未遂をしても辞職をしない議員までいるのに、市の職員がお金を横領したことの責任を取って市長を辞めるというのですから、何という清々しさでしょう。任期満了に伴う選挙なので、もともと出馬する予定がなかっただけなのかもしれませんが、ちゃんとした人が責任を取って辞めてしまうと、結果、バカだけがいつまでも政治家であり続けるになってしまいます。

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芝崎 光子 46 新 税理士
吉田 武司 59 新 元市議会議長

この選挙は、実に衝撃的な結果に終わりました。引責辞任する市長が後継指名しているのは、市の監査委員をしている税理士の女性。2人の子を育てる母で、実家はブルーベリー農園。なので、今回の選挙は全体的にブルーベリー色で挑みます。対する吉田武司さんは、元市議会の議長だった人物。大野元裕知事、実質的に自民党入りしていると言われる上田清司さんや公明党の矢倉克夫さんなどに応援されるとされ、自民党から国民民主党系、公明党に至るまで、幅広くネットワークにある人物だと言えそうです。こうした構図を見れば、自民党の市議会議長が強いと思われそうですが、とんでもない大逆転が起こりました。


■ 東京都議選の予測を下方修正した

現在、東京都議選の事前分析レポートとして、全42選挙区の当落予測をお届けしているのですが、今回の和光市長選と日光市長選の結果はあまりに衝撃的なので、自民党の当落予測を大幅に下方修正することになりました。あとで解説しますが、自民党の組織力が大幅に弱まっているのですが、弱体化の直接的な要因は「20代~40代の若者が自民党に反旗を翻している」ということがあります。実は今、爺さん婆さんではなく、若い人たちが自民党に三行半を突き付けている。しかも、地元の青年会議所などに所属している人たちほど自民党に腹を立てていることが分かりました。今回の和光市長選も地元の若い商人たちが「自民党に投票しない」という選択をしていて、政治経験のない税理士のママさんが圧勝するという結果につながっています。ここまで言及できるのは、現場を見て、後追い取材もしているからなのですが、この異変を的確にお届けできているのは唯一、「選挙ウォッチャー」だけだと思っています。今回、和光市長選と日光市長選だけは読んでおいた方がいいという内容になっております。もしかすると東京都議選、その後の衆院選でも、自民党が惨敗するシナリオにつながる可能性があり、まったく見過ごせない状況になっております。これは自民党支持者ほど読まなければならないレポートです。


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