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【選挙ウォッチャー】 埼玉県議補選2022・蓮田市選挙区レポート。

 5月6日告示、5月15日投票で、埼玉県議補選が行われました。
 これは蓮田市長選に立候補するために山口京子さんが辞職したために行われるもので、新人3人の激戦となりました。構図としては、自民党の山口京子さんの議席を守るため、自民党から蓮田市議の石川誠司さんが立候補しましたが、そこに待ったをかけるべく、2人の無所属の市議が立候補したという形になっています。
 石川誠司さんは、市長選に立候補する山口京子さんと連携しており、周辺の自民党市議たちが軒並み応援に入っていましたので、自民党が議席を守れるのかどうかが一番の見どころとなります。

石川 誠司  56 新 自民党(元蓮田市議)
湯谷 百合子 68 新 無所属(元蓮田市議)
森 伊久磨  51 新 無所属(元蓮田市議)

 市民派の湯谷百合子さんは、4年前の蓮田市長選で福田聖次さんを応援していた市議で、今回の県議選では福田聖次さんを応援する意味で立候補した部分もあるはずなのですが、ほとんど連携していませんでした。なので、相乗効果を狙うことはできず、独自の戦いを強いられることになり、思ったほどは票を獲得できませんでした。


■ 湯谷百合子候補の主張

 湯谷百合子さんは、これまでずっと市民派の市議として活躍してきた人物です。市民の目線に立ち、大型のハコモノ政策には反対の姿勢を貫いてきました。なので、コンクリートより福祉や教育の充実のためにお金を使うべきだと考える人たちを中心に支持を固めてきた感じがあります。
 4年前の蓮田市長選では福田聖次さんを応援しており、なんと、僕が名刺を渡すと、僕のことを覚えてくれていました。福田聖次さんとは良好な関係なので、本当だったら山口京子さんと石川誠司さんのように、福田聖次さんと湯谷百合子さんで連携をして相乗効果を狙うのが王道の戦略ですが、湯谷百合子さんの支持者の中には福田聖次さんに対して好意的な印象を持っていない人がいるということで、連携は見送られ、それぞれが別々に選挙運動をしている感じになりました。
 結果として、湯谷百合子さんは最下位とはいえ、6754票を獲得していますが、福田聖次さんの方は5833票しか獲得できていないので、メリットとデメリットの天秤にかけた時に、もしかしたら湯谷百合子さんの判断は正解だったかもしれません。

 今回、湯谷百合子さんが票を伸ばしきれなかった原因の一つは、「今も蓮田市が発展していない」という演説をしていたことにあるのではないかと思います。もしかすると、湯谷百合子さんの中では「もっと発展できる」という気持ちが強いのかもしれませんが、4年ぶりに蓮田駅前を見て、少なくとも駅前の巨大な空き地にマンションが建っているところを見ると、「発展していない」は言い過ぎなのではないかと思います。およそ衰退しているようには見えないからです。
 また、百歩譲って発展していなかったとして、「では、どうすれば発展するのか」ということを伝えなければなりません。何をもって発展させると言うのかは「人口を増やす」とか「税収を増やす」とか、いろいろな定義があると思いますが、何をして、どこをゴールにするのかということが伝わってきません。例えば、子育てや福祉を充実させて子育て世代を呼び込むのだとしても、具体的にどこにどういった施設を作り、どうアピールして子育て世代を呼び込むのかという具体的なプランが見えてこないのです。なので、ふんわりとした政治への不満を言っているだけになってしまい、有権者に思いが伝わらなかったのではないかと思います。


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