【選挙ウォッチャー】 参政党・動向チェック(#3)。
1月29日の十勝清水町で参政党の山本奈央さんが当選を果たし、今年の初勝利を飾った参政党は、さらなる勝利に向け、下関市議選と焼津市議選で連勝を狙っています。
西東京市議選では落選したものの、当選が難しいとみられていた十勝清水町で勝利したことで、選挙の勢いを取り戻しています。今回は、どうして十勝清水町で勝利することができたのかを分析するとともに、NHK党が進めている裁判の詳細をまとめておきたいと思います。
■ 十勝清水町の分析
十勝清水町では、参政党が当選する確率は低いと予測しましたが、安定的な得票数で、参政党の山本奈央さんが当選を果たしました。
落選するだろうと予測した理由は、これまで田舎の選挙を戦ったことがあまりなく、唯一、沖縄県の恩納村などで落選していたことから、NHK党と同じように都市型の選挙をできない冬の北海道では、かなり厳しいのではないかと考えたからです。
昨年7月の参院選の比例区(全国比例)で、参政党に投票した人は121人しかおらず、これが大きく育つ可能性は低く、せいぜい150票前後に留まるのではないかと考えていました。
ところが、15人の候補者の中で女性は2人だけ。もう一人は、共産党の中河つる子さんで75歳。「若い世代の女性候補」という点では、唯一無二の存在となってしまい、大きな期待が寄せられるようになりました。
そもそも山本奈央さんは3人の子どもを育てる母親で、ナチュラル系にして、スピリチュアル系の「すっぴんマダム」という感じなので、とにかく雰囲気が良く、移住者ながら嫌われるタイプではありません。かつてNHK党なのに、昨年10月の匝瑳市議選で27歳の近藤魁人が当選してしまったように、「唯一の若さ」や「唯一のママさん世代」のような環境的な要因で大きく戦況が変わることがあります。
NHKが発表した1月の参政党の支持率は0.7%となっており、国民民主党1.0%、れいわ新選組0.8%、社民党0.6%、NHK党0.2%です。それなりに戦える環境は整っており、今後は田舎でも選挙に勝っていく可能性があるということで、注意深く見守る必要がありそうです。
投票率は66.34%でした。
懸念されることとしては、十勝清水町は町議が13人と少なく、山本奈央さんが「厚生文教常任委員会」に入っていることです。参政党の議員が最も入ってはいけないところに入っていると言えます。
厚生の部分では、何と言っても「反マスク」です。ワクチンにはあまり効果が期待できないので、「反ワクチン」を展開されても良いとして、いよいよ学校現場などで「反マスク」になると、かなり悲惨なことになる可能性があります。田舎で新型コロナウイルスが蔓延すると悲惨です。
文教の部分では、参政党は「歴史修正主義者」であり、おかしな日本史を主張しています。誤った歴史認識を持つ子供が北海道から生まれてしまう可能性があり、議員になって精力的に活動している様子が見られることからしても、真面目に歴史修正をされては困るので、参政党の議員が誕生するというのは、中長期的に「日本のリスク」になります。
■ 下関市議選の戦況について
十勝清水町では余裕の当選となった参政党ですが、環境的な面から見てみると、実は、下関市議選は「優勢とは言えない」という状況にあるのではないかと思えてきました。
というのも、下関市は言うまでもなく「故・安倍晋三のお膝元」で、安倍晋三を支持してしまうようなネトウヨは、安倍晋三の息がかかった自民党の候補に投票すると相場が決まっています。参政党が最大の票田とする「アホのネトウヨ層」が、ことごとく故・安倍晋三軍団に取られているので、参政党が票を伸ばすのかどうかは、かなり怪しいものがあります。
また、立候補しているのが「オジサン」で、他のオジサンたちと、さほど大きな差がありません。十勝清水町では「唯一無二の子育てママ世代」といいう武器がありましたが、白石創さんには、これといった武器がないのが現状です。
さらに、ポスターのデザインも「参政党」であることを、あまりアピールしていない控えめなデザインとなっています。これだけ候補者が乱立してしまうと、参政党であることをもって決め手としてもらわなければならないはずなので、もっと前面に「参政党」であることをアピールした方が得策であるような気がします。また、日曜日から火曜日にかけて、基本的に下関駅前に滞在していましたが、選挙カーの音を聞くことはありませんでした。つまり、流動性の高い駅前に「流し」をすることもなく、駅前に立つオレンジ色の軍団も見ていないので、どこまで選挙を戦えているのかが不明です。
白石創さんが、あまり快活な人ではないため、人を集めることができていませんでした。本来であれば、平日の昼とはいえ、150人から200人前後を集めていなければなりませんが、あまり集められていないということはイコール、票もあまり集められていないと思われます。
別の会場も見てみましたが、これより少し多い程度で、まったく集まっていませんでした。これらのことを総合的に考えてみると、当落線上の少し下ぐらいにいると考えられるのではないかと思われ、余裕で当選するとは言い難いところがあります。けっしてNHK党の落選運動が効いているわけではないのですが、思ったほど勝負ができていないとは神谷宗幣さんも思っていないのではないかと思います。
■ NHK党の裁判の見通し
1月30日に、NHK党の尊師・立花孝志が中心となり、元参政党員たちを集め、民事裁判を提訴しました。これまでの傾向からして、おそらく今回も村岡徹也弁護士からの売り込みで裁判が起こされていると思いますが、NHK党に営業をかけないと食っていけない時点で能力はお察しいただけると思われ、今回も神谷宗幣さんを「詐欺」で訴え、原告団を結成しているそうなので、これほど頭が悪い話もありません。
僕は弁護士ではありませんが、そもそも「党の規約が勝手に変えられたのは不法行為だから払った党費を返せ」という主張が、「不法行為」として認められるのかという話だと思います。単なる返金の要求だけだったら多少認められる余地がなくもないかと思いますが、言っていることのメチャクチャさから察するに、クソスラップ裁判野郎として認定されて負けてしまうのではないかと思います。こういうところが、とっても尊師・立花孝志と村岡徹也弁護士のコンビっぽくて、とても頭が悪いです。
この裁判は、一般の有権者にはほとんど影響しないと思いますが、参政党を支持する人たちを揺さぶることになります。裁判そのものはくだらない内容ですが、それでも元参政党員の主張には一理あると言えます。
今まで何の違和感も持っていなかった参政党員たちに「ボードメンバーが何でも決めてしまうのはおかしい」と突きつけ、「そう言われてみればそうかも!」となっています。
参政党を支持する人たちの間で動揺が広がっており、やり返さない参政党の方針にもフラストレーションが溜まっています。なので、今のところは対処を誤っており、参政党の支持者たちが緩やかに「別の目覚め」をし始めているところです。アホの中でもさらなるアホが「NHK党の言っていることは正しい」と言い出し、NHK党のオープンチャットにも元参政党員たちがコメントするようになりました。今のところ、尊師・立花孝志や黒川敦彦の作戦は「成功している」と言えます。
■ 今後の日程とNHK党妨害予測
これまでのNHK党の動向を見る限り、NHK党の狙いは神谷宗幣さんと吉野敏明さんであると考えられるため、上記2人が登壇するタウンミーティングなどに、NHK党のアホが妨害行為をするとみられます。
ぶっちゃけた話、1月31日に菊竹進が神谷宗幣アタックで、せっかくマイクを渡されたのに返り討ちにされている時点で、既に勝負あったと言わざるを得ません。NHK党の完敗です。なので、ここから先は、いよいよ本格的な「選挙妨害ゾーン(威力業務妨害ゾーン)」に入ります。
というのも、神谷宗幣からハッキリと「もう二度と相手にしないので、もう来ないでください」と宣言されてしまったからです。正式に言われてしまったので、ここから先は「何をやっても妨害」になります。
NHK党はアホなので、大きな問題として刑事事件化されるまで繰り返すと思いますが、今回、マイクを渡されてしまったことがキッカケで、ここから先は妨害としてカウントされていることに、アホのNHK党は気づいていないことでしょう。
2月以降もアホのNHK党は引き続き妨害行為を繰り返すと思います。
しかし、2月5日を最後に、ほとんど選挙がなくなってしまうため、神谷宗幣さんを直撃できるタイミングは、講演会に限られます。なので、以上のスケジュールをチェックしておけば良いのだと思います。
残念ながら、今回のアタックは失敗に終わり、決着がついてしまいましたので、2月1日・2日の「討伐祭」なるものは不発に終わると思います。神谷宗幣さんも「下関で答えてあげたでしょ」ということで片付いてしまうと思いますので、鬼スベることでしょう。争点は「威力業務妨害」に問えるかどうかに限られます。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
また参政党からヤバい奴が立候補してくることが明らかになりました。
2月12日投票の豊見城市議選に立候補する椎林隆行さんです。沖縄では既に組織が出来上がっていて、立候補の表明が直前になりましたが、立候補してくることが確実視されています。
公約の一丁目一番地は「脱マスク」となっており、科学的な思考のできないタイプの陽気なオッチャンがアホをこじらせて「参政党」から立候補してくる形となりました。このような人が議員として誕生してしまうと、沖縄のコロナ対策はさらに後退することでしょう。
なお、気になる当選する可能性があるかどうかですが、昨年7月の参院選の比例区で「参政党」は1168票となっていました。これに対し、前回の当落ラインは712票となっているため、環境にもよりますが、ギリギリで当選する可能性が高いということは言えるのではないかと思います。
ちなみに、環境的な要因ということで言うならば、「脱マスク」は岸田政権が方針を発表しており、追い風になっていることは間違いありません。マスクを外すことで、より感染のリスクが高まることにはなりますが、いまだに「マスクは必要ない」と考えてしまうアホが大量発生していることからしても、こうした主張が市民権を得る可能性があり、慎重に見守っていく必要があるのではないかと思っています。
なお、豊見城市議選のためだけに沖縄に行っているほどリッチではありませんので、現地での取材は断念することになりそうです。今後は4月の統一地方選に立候補してくる候補者たちを事前に取材し、当落の可能性を探ってまいります。
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