【選挙ウォッチャー】 名護市議選2022・分析レポート。
9月4日告示、9月11日投票で、沖縄県の名護市議選が行われました。
今年の名護市議選は、定数26に対して33人が立候補する激戦となっていて、日本の命運を左右する非常に重要な選挙の一つです。
今年2月に行われた名護市長選では、辺野古基地容認派の渡具知武豊さんが2期目の当選を果たしていますので、あとは市議会で基地反対派が過半数を取れるかどうかが問われていました。結論から言うと、今回の名護市議選は「基地容認派」が過半数を取ってしまいましたので、少なくとも名護市では歯止めがかけられない状況になりつつります。
本当は台風12号が沖縄に接近していたため、早めに本土に帰る予定だったのですが、台風の動きをギリギリまで見て、1日長く滞在することにしましたので、この名護市議選はしっかり取材ができました。次世代のキーパーソンになりそうな人たちをしっかり取材できたので、個人的には満足しています。
名護市にある辺野古基地は、完成させるためにはマヨネーズのような地盤をどうにかしなければならず、現在の日本の技術では建設できないため、完成は見込めません。なので、このままグダグダしながら、日本にお金がなくなって建設ができなくなるという未来を辿ることになるのではないかと予測していますが、これを受け、次世代の名護市議たちがどう判断していくのかが注目されるポイントかと思いますので、そういう意味でも、このレポートは貴重な資料になると思います。
■ 反ワクチンを訴える爺さんが登場
実は、今回の沖縄統一地方選を通して、多くの自治体で見られたのが「子どもにワクチンは要らない」と主張をする候補です。もちろん、子どもへのワクチン接種については賛否あり、リスクとベネフィットの観点からリスクの方が高い可能性は十分あるため、この主張が完全に間違えているとは言えません。ただ、伊波勝也さんがどのようなエビデンスを辿って、このような主張をしているのかというのが非常に重要で、伊波勝也さんのSNSをチェックしたところ、ゴリゴリの陰謀論者でした。とうとう「票の入れ替えが起こっている!」とまで主張する始末で、電波がビンビンです。
そもそも名護市は「辺野古基地」という町を二分するような巨大な問題を抱えている自治体です。そこに来て「子どものワクチン要らない」というのは、あまりに問題がピンポイント過ぎて、それだけで投票するのには勇気が必要です。ビジュアルも怖いし、こんなにパチキレていたら、さすがの名護市民もドン引きだと思うので、今回、94票しか入らなかったことには、ある程度の納得感があります。けっして不正選挙ではありません。
おそらく名護市にも「コロナはただの風邪」とか「子どものワクチンいらない」と考えてる人はそれなりにいるはずです。ただ、どうして伊波勝也さんに票が集まらなかったとかと言えば、「ビジュアルが最悪だったから」だと思います。
伊波勝也さんの基本的な選挙戦略は、名護の交通量の多い十字路に立ってひたすら手を振り、トラメガ叫ぶものでした。選挙カーが用意されている雰囲気もなく、怪しい雰囲気しか漂ってきません。まるで蜂の巣を駆除するオジサンのような風貌で「ワクチンが要らない」と言われても、もっと雰囲気の良い「参政党」に投票するという話になります。
体中から溢れるイカれたオジサンのオーラを感じ取った有権者たちに嫌われてしまったというのが正直なところだと思いますので、見た目をちゃんとしたっぽい人にするだけで、2倍は票が取れたのではないかと思います。
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