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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#304)。

とうとう令和2年度の「政治資金収支報告書」が発表されまして、ちょっとしたお祭り騒ぎになっています。非常にザワザワしているのですが、立花孝志はその直前の党総会でポイントになるような話をしていますので、しっかりと発言を検証した上で、改めて「政治資金収支報告書」を精査していきたいと思います。検証してから精査をした方が、お金の流れがより掴みやすくなると思うからです。本来であれば、毎週金曜日に「定例記者会見」があるはずなのですが、立花孝志が女子プロゴルファーたちとの楽しい楽しいゴルフコンペに参加しているため、「定例記者会見は中止にする」と発表しているため、タイムリーに「どないなっとん?」と聞くことはできませんが、質問したいことは山積みです。


■ 「NHKと裁判してる党」総会のまとめ

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来年2月20日の町田市議選には、NHKと裁判してる党から候補者を擁立することはないものの、黒川敦彦率いる「つばさの党」からは候補者を擁立する計画があるようです。3ヶ月の居住要件を満たすためには11月12日には町田市に住民票がなければなりませんので、既に住んでいる人しか立候補することができません。一体、誰が立候補するのでしょうか。さて、「NHKと裁判してる党」というのは、うだつの上がらない人間たちの互助会としての役割があるため、立花孝志はこのような発言をしていました。

「手が余っている人はどんどん酒谷君(来年4月の春日部市議選の立候補予定者)、全然ポスティングもまたお金を払ってもいいので。支援者の人に仕事がなくて困っているっていう人は春日部に来てポスティングやって、お金払ってあげてください。もうあの、うちの党の支援者はしっかり救済をしていきますので。」
「だから、さっきの政見放送も、今回、政見放送を誰がやるか、そんなで滅茶苦茶モメたので、あくまでも牧原会社の下に一つ、もう一個会社を作るので、そこに集結させます。そこから適当に割り振りしますから。山崎君の所の会社から、ちょっと割り振りするので。ちょっとそういう感じで、っていうのは、制作自体でも今回だけでも2億円ぐらい入ってくるのよね、90人作ったら1億8000万円くらいになるので、そこはやっぱりハンドリングしないといかんかなと思ってます。一つの所にやって、あとはこっちの党本部の方で割り振りしないと、結局、なんか疚しいことをしてしまうっていうか、変な営業活動になるのが、今回よく失敗したのでわかったので。あくまでも牧原会社が監修をする。で、制作会社はもう一つ下に作るので。で、そこの利益は、党の関係者が仕事をしてもらうと。だから、何度も言うけど党本部や立花個人が儲けようというのはまったくないです。党から支出したお金が業者に入って、その業者で、うちの党にお世話してくれてる人、落選してる人とかを含めて、そこでお仕事をしてもらって、報酬を得て、いわゆるお給料をもらってもらうというスキームなんで。そんな、そんな感じで考えてます」

この発言からすると、党の資金管理に「牧原会社」なるものが大きく関わっていることは間違いなさそうです。ということは、代表である牧原慶一郎も非常にまずいことになるのではないでしょうか。なにしろ、政党交付金の一部がネット選挙株式会社に流れていたことは、令和元年度の政治資金収支報告書を見ても明らかなので。

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なにしろ、令和元年度の政治資金収支報告書にも、ポスター製作費などとは別に39万4070円の「貸付金」が発生しています。令和2年度、あるいは来年の令和3年度の政治資金収支報告書がどうなっているのかは、なかなかユニークな着眼点となります。さて、立花孝志は政党交付金の満額(参議院2回と衆議院1回)を3億5000万円と計算しています。これは2022年と2025年の参院選で1議席ずつを獲得することが絶対条件となりますが、尊師・立花孝志の「計算」に基づけば、1議席ずつ獲得することは可能だということです。ちなみに、失敗した時のことにも触れており、このように言っています。

「それがダメだったら党を完全に切って縮小しないと、借りてるお金も返せないパターンになって、全額返せない可能性もあるので。そうすると、7割でも8割でもいいから返さないといけない。来年の、そういう意味じゃ、夏が関ヶ原とは言えるけども、ただ、あの1.8%取れなくても、全国比例の全国選挙区の方で2.0%さえ取っておけば、政党要件は十分、誰か引っ張ってくればいいだけの話なんで。それはもう何とかやりくりしようとは思ってます。できるとも確信してます」

立花孝志はさりげなく元本割れの可能性を示しています。僕は、立花孝志が借金を満額返済できる確率は、僕が広瀬すずちゃんと付き合える確率よりも低いと思っていますので、明日隕石に当たって死ぬ確率と近似値です。長くかかりましたが、総会はそんな感じです。


■ 政治資金収支報告書公表前の予防線

立花孝志は「政治資金収支報告書」が公表される直前の11月24日に、誰も見ていないN国信者向けの「諸派党構想」のホームページで、「政治資金収支報告書公表にあたって」という謎の談話を発表しました。

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具体的なことは何一つ言っていません。なんなら政治資金収支報告書と関係のない、立花孝志が日頃から言っている「寄付ではなく借金で回す」という話をもっともらしく書いているだけです。このような予防線とも言える談話をいちいち公表していたことから、今度の「政治資金収支報告書」は、かなり高い確率で面白いことになっているだろうと思うようになりました。


■ 令和2年度・N国党の政治資金収支報告書

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大変お待たせいたしました。本日のメインディッシュとなるN国党の政治資金収支報告書の検証です。メディアの皆さんも注目していると思います。しっかり検証していくことにしましょう。今回も代表者は立花孝志、会計責任者も立花孝志でお届けいたします。

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表紙をめくると、まずは挨拶代わりの「大訂正」です。初球を160kmのストレートから入る感じで、ズバッとド真ん中にストライク。収入総額が書かれていないのに、なぜか翌年への繰越金が計算できるというミラクルが起こっています。上から順番に記入していこうとしたら、最初に書くであろう項目が空欄のまま、一度は提出されていると思いますので、こんなに重要なことを確認もせずに提出していることがよくわかります。確定申告でさえ収入を空欄にしたまま提出する人はいないと思うので、国政政党の政治資金収支報告書で収入を空欄にしたのは、おそらく立花孝志が初めてではないでしょうか。というか、オープニングからこの調子だと終わる気がしません。

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改めまして、収入と支出に総額が出ました。収入が7億2094万2194円。支出が6億9071万7482円。なんと、翌年への繰り越しは3022万4667円となりました。これでお分かりかと思いますが、N国党のランニングコストは借金の利子の支払いを合わせて約7億円。この後のページを見る限り、多くの人には元本をマルッと返しているわけではないと思うので、これからもっとコストがかかっていくのではないかと推測されます。何はともあれ、今年の頭には党の口座に3000万円くらいしか入っていないという立花孝志の話は本当だったと思われ、籠池町浪に貸していたという8400万円と籠池泰典に貸していたという500万円を取り返し、党の財政悪化の改善を図ったとみられます。お金を取り返したいばっかりに、あんなにディスられてしまった籠池町浪が可哀想です。

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続いて、党の借金部門です。令和元年度の終わりに巨額の借金をしていますので、令和2年度は新たに一般人からお金を借りる必要がなく、唯一、3月に立花孝志から100万円を借りただけになりました。これに何の意味があるのかはわかりませんが、とにかく立花孝志が100万円を党に貸しているということになっています。

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次のページは、うっかり借入金を「収入」の欄に書いてしまったので、大訂正です。おそらく「借入金」「借入金」の項目に書いてくださいと言われたのでしょう。アホです。

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改めて、収入を見ていきたいと思いますが、まずは4月、7月、10月、12月に政党交付金が4187万9500円支払われています。これを合計すると年間で1億6751万8000円ということになります。そして、11月20日に立花孝志ひとり放送局株式会社から6046万6717円の貸付金の返金、11月27日にネット選挙株式会社から4600万円の返金がありました。ともに返金額を超えるような売上があったとは思えないので、ただお金が左から右、右から左に移動しただけだと思いますが、これには何の意味があるのでしょうか。ちなみに、谷口隆司は4月19日の魚津市議選に立候補し、たったの162票しか取れずに落選した者です。党が供託金を出したものの、律儀に返金したのでしょう。粟飯原美佳は25歳未満で被選挙権がないにもかかわらず、印西市長選に立候補しようとしたことがありますので、その時に用意した100万円は使われずに返金されたということではないかと思います。

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続いて、寄付の欄ですが、ここからはどのN国党員が尊師にしっかりとお布施をしているのかが分かります。まずは、参議院議員の浜田聡が毎月100万円、年間で1200万円をお布施しています。この100万円は立花孝志の話から推測するに、今話題の「文書通信交通滞在費」だと思われます。こんなにキレイにガッツリと100万円を寄付しているのは、浜田聡ぐらいではないでしょうか。尊師へのお布施は毎月10万円、年間で120万円と相場が決まっているようです。お布施をしている議員リストを作りましょう。

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けっして全員がお布施をしているわけではないというのが非常に興味深いところなのですが、皆さんの自治体にも信心深いN国党員が住んでいるかもしれませんので、今度の選挙でしっかり落選に導きましょう。

中村 典子(松戸市議:2022年11月頃改選)
神足 重治(墨田区議:2023年4月頃改選)
掛川 暁生(台東区議:2023年3月頃改選)
酒谷 和秀(春日部市議:2022年4月頃改選)
松田 亘(練馬区議:2023年4月頃改選)
松田 美樹(新宿区議:居住実態がなく当選無効)
竹村 明広(中野区議:2023年4月頃改選)
近藤 秀人(板橋区議:2023年4月頃改選)
小川 友樹(船橋市議:2023年4月頃改選)
遠藤 信一(宇都宮市議:2023年4月頃改選)
塩田 和久(川口市議:2023年4月頃改選)
大桃 聰(魚沼市議:落選済)
川端 慎二(目黒区議:2023年4月頃改選)
大野 富生(流山市議:2023年4月頃改選)
宮城 壮一(習志野市議:2023年4月頃改選)
栗原 博之(世田谷区議:2023年4月頃改選)
大橋 昌信(柏市議:2023年8月頃改選)
古谷 孝(志木市議:2024年4月頃改選)
宮内 鋭(八千代市議:2022年12月頃改選)

マニアックになりますが、最大のトピックスは神足重治は2020年3月に政党支部に支払われた政党交付金を自分の政治団体に移したことを尊師に咎められて離党。しかし、離党する前の2月の段階で、他のN国信者よりも早く120万円をお布施していました。誰より早くお布施したのに文句を言われて、嫌になって辞めたのかもしれません。大桃聰は魚沼市議で給料が安いのに、他の議員と変わらずに120万円をお布施。これくらい信心深い議員だったので、今年の魚沼市議選では「NHKから国民を守る党」を思いっきり前に出して落選しました。さて、信心深い議員たちがいる一方で、尊師にお布施をしない不届き者もいますので、ご紹介したいと思います。

中曽 千鶴子(川西市議:2022年10月頃改選)
夏目 亜季(荒川区議:2023年4月頃改選)
久保田 学(立川市議:2022年6月頃改選)
佐藤 恵理子(上尾市議:2023年12月頃改選)
原田 公成(朝霞市議:2023年12月頃改選)
小野沢 健至(新座市議:2024年2月頃改選)
三宅 紀昭(海老名市議:2023年11月頃改選)
佐直 友樹(市川市議:2022年5月頃改選)
五十嵐 浩之(天童市議:2023年9月頃改選)
觸澤 高秀(苫小牧市議:2023年4月頃改選)
嶋谷 昌美(東大阪市議:居住実態がなく当選無効)
末永 啓(春日井市議:2022年5月の春日井市長選出馬予定)

まったく修行が足りません。尊師に対する信仰心の低い人間たちが全員地獄に落ちたらよろしいです。もし地獄が可哀想なのであれば、次の選挙では確実に落ちていただくことにしましょう。

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さて、支出の項目なんですが、人件費が5984万8122円、光熱費が82万4360円、備品・消耗品が652万2532円、事務所費が2450万8566円。組織活動費が7396万45224円、選挙関係費が4493万9528円、宣伝事業費が51万7690円、調査研究費が1万7000円、寄付・交付金が8891万9124円、その他の経費が3億9065万5036円。すべての合計額が6億9071万7482円となりました。一番面白いのは、調査研究費が1万7000円しかないところです。政策を実現するためにどうしたらいいのかを調べるためのお金ですが、1万7000円ということは、まったく勉強していないに等しく、ガチのアホアホ政党です。

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政治活動費の内訳として計上されているのが、JR乗車券のみ。電車でどこかに行ったということなのですが、4月2日に購入されているので、4月5日の福山市長選の加陽輝実の応援に行った時の新幹線代といったところでしょうか。

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さて、ここからが本格的に面白いところです。「接待交際費」と言えば何をしてもいいわけではなく、自民党の西銘恒三郎先生などは支援者をガールズバーに接待しただけで問題になっているぐらいです。上から順番に検証していくことにしましょう。まずは、パセラリゾーツ赤坂店で20万4350円です。新年早々、どんだけカラオケで楽しくやったのでしょう。1月16日ということで、特に選挙があるわけでもないので、N国の新年会といった感じでしょうか。20万円も使っているので、党員一同で楽しい思い出を作ったのではないかと思います。1月10日には「LINE TICKET」と書いてありますが、おそらく何かのコンサートのチケットを買ったのでしょう。お値段にして8万0660円。ディナーショーレベルの金額です。領収書なしでコンサートを楽しんできましたという感じなので、到底、認められるはずがありません。アホでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

これから一つの山場である「接待交際費」について検証してまいります。どうせだったら、それぞれのお店がどんな所なのかをご紹介したいと思っておりますので、しばしお時間をいただければと思います。本の最終的な調整などもしなければならないので、次回がいつになるか分かりませんが、近日中にお届けしたいと思っております。

そして、とても重要なお知らせですが、来年1月20日に「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」という本が出版されます。政治資金収支報告書がこれだけアホなことになっているので、この政党がどれだけ反社会的で反知性的なのかが、この本を読めば手に取るようにわかると思います。ぜひご予約ください。

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