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【選挙ウォッチャー】 足立区長選2019・分析レポート。

なにげに、ものすごく注目度の高い選挙だったのに、いまだにお伝えしてこなかった足立区長選。足立区議選とともに、5月9日告示、5月26日投開票というスケジュールで行われました。当時は、NHKから国民を守る党が統一地方選で大量の議席を獲得した直後だったため、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで注目される存在になっていた時期で、ここに立花孝志の恋人である美人司法書士の加陽麻里布を擁立したことは、大きな話題となりました。どちらかと言えば、区長選より区議選の方が圧倒的に盛り上がっていたわけなのですが、さりげなく区長選もチェックしていました。

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近藤 弥生 60 現 自民・公明推薦
大島 芳江 69 新 共産推薦

立候補したのは、現職で自民・公明推薦の近藤弥生さんと、新人で共産推薦の大島芳江さんの2人でした。世にも珍しい女性同士の戦いとなったわけなのですが、構図を見ても分かるように、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙だったと言わざるを得ません。足立区は治安面も含め、いろいろと難しいところがたくさんある自治体なのですが、区長は比較的頑張っている方なのではないかという気もします。


■ 同性愛を認めない市議の問題から一転

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足立区と言えば、大きな話題になったのが自民党の白石正輝さんのLGBTを認めない発言です。「同性愛が進めば足立区は滅びる」と発言し、物議を醸しました。昔だったら、どれだけ同性愛を認めない発言をしても怒られることはなかったのですが、今はジジィの時代とは違います。それもこれもLGBTの方々が少しずつ積み上げてきた結果だと思いますが、社会の認識は大きく変わり、今は同性愛が尊重される世の中だし、多くの政治家が尊重する方向で動いています。当初は断固として謝罪もしなければ撤回することもない姿勢を崩さなかった白石正輝さんでしたが、やがて正式に謝罪することになり、その約2ヶ月後には、近藤弥生区長が性的少数者のカップルを公的に認証するパートナーシップ制度を2021年度に導入することを発表。それとともに「あだちLGBT相談窓口」なるものが12月7日から開設されました。時代遅れのジジィの発言が、結果として、足立区をLGBTの方々が住みやすい街に変えたと言えるかもしれません。


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