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【選挙ウォッチャー】 国頭村議選2022・分析レポート。

 9月6日告示、9月11日投票で、沖縄県の国頭村議選が行われました。
 国頭村は、沖縄本島の北端にある村で、広大な面積を誇りながら、村民はほとんどおらず、果てしなく「やんばるの森」が広がるだけです。那覇から車で3時間以上かかることもあって、何もない辺戸岬を見ようという人はいるかもしれませんが、それ以外に訪れる人はほとんどいません。観光できるものはほとんどなく、コンビニすら、ある程度のところで終わってしまうほどです。何もない代わりにあるのが「大自然」で、サンゴでできた砂浜もあります。
 沖縄に行くたびに、国頭村の海岸から夕陽が見たいと言っていますが、これほど最高の景色はなく、天気が良い日を狙って、ただただサンゴを転がす波の音を聞きながら癒されるのがオススメです。

 今年の国頭村議選は、定数10に対して11人が立候補し、たった1人が落選する選挙になりました。選挙としての見どころはほとんどないかもしれませんが、当初の予定では、そんな国頭村もキッチリと取材をして、当選する人のサムネイル写真を撮るつもりでした。
 ところが、台風11号と台風12号のせいで、取材日程が半分になってしまったため、国頭村での滞在時間は10分ほど。国頭村の最南端にある選挙掲示板の写真を撮っただけで、ほとんど海を満喫することもなく、帰ってくることになりました。
 さすがに4年後は新型コロナウイルスを取り巻く環境も多少は改善していると思うので、思いっきり国頭村を満喫できたらいいと思っています。


■ 辺野古基地の抗議を冷笑する男の話

辺野古基地の前で座り込んでいる人たちを排除する機動隊(筆者撮影)

 先日、テレビ番組にも数多く出演している「ひろゆき」さんが、ネット番組の取材で辺野古基地を訪れ、抗議活動をしている市民を冷笑。ネトウヨこそフル勃起しながら大絶賛していましたが、多くの人が「抗議している住民に失礼なのでは?」と感じたようです。
 世の中には、橋下徹さんにしろ、ひろゆきさんにしろ、デモや抗議活動は無駄であると考える人は多くいます。確かに、辺野古基地の建設には沖縄県民の過半数の人が反対しているにもかかわらず、こうして座り込みの抗議をしても、工事が強行されています。あるいは、民主党政権時代にも、福島第一原発事故の直後に原発を再稼働するとなった時には、国会議事堂前が埋め尽くされるぐらいの抗議活動が起こりましたが、結局は、原発の再稼働が強行されてしまいました。こうした経験から「どうせ強行されるのだから、デモや抗議活動をやっても無駄だ」と思う人はいるかもしれませんが、何かに反対しようと思った時に、たとえ強行されることになったとしても、「反対している人がいる」ということを示すのは大切なことです。反対する人が誰もいない状態で進められているプロジェクトなのか。たくさんの人が反対しているけれど、それでも進められているプロジェクトなのか。最終的に進められるにしても、その過程はとても重要です。
 辺野古基地に反対している理由は、ただ単純に基地を作ってほしくないだけではありません。そもそも埋め立てている土地は、ジュゴンが生息するキレイな海だったこと。その埋め立てようとしている海は、マヨネーズのようなユルユルの地盤で、コンクリートで埋め立てたとしても、すぐに地盤沈下してしまい、基地の完成が見込めないこと。地盤沈下させないためには、マヨネーズのようになっている地盤の下まで杭を打たなければならず、残念ながら、その技術は日本にはなく、中国にしかないこと。つまり、本当に完成させようと思ったら、日本で独自に技術を開発するか、中国にお願いするしかありません。しかし、中国が攻めてくることを想定して辺野古基地を建設しようとしているのに、中国に技術提供をしてもらわないといけないなんて頭がイカれています。さらに、辺野古基地の滑走路は短く、米軍がまったく納得していないので、仮に辺野古基地が完成しても、普天間基地から辺野古基地に引っ越してくれる約束はどこにもありません。このことは、当時の稲田朋美防衛大臣がうっかりゲロっています。
 こうした理由を聞けば、辺野古基地建設に反対する人がたくさんいるのは当然で、その上、沖縄は「太平洋戦争」の凄惨な記憶が残る地です。たくさんの命が失われ、「ひめゆりの塔」のような悲劇があちこちに残されています。そもそも沖縄には「平和」を求める人が多く、普天間基地から引っ越してもらえずに辺野古基地が増えるだけになってしまえば、本来、基地を少しずつ減らさなければならないはずなのに、むしろ増える結果にしかなりません。だから、辺野古基地に反対しているし、反対していることを知ってもらう必要があります。
 ダンプカーで資材を運んでくる運転手さんたちにも「あなたがどういう気持ちで土砂を運んでいるのかはともかく、ここに明確に反対の意志を示している人がいるんだということだけは、あなたの目に、あなたの耳に、あなたの記憶に、あなたの細胞にお伝えさせていただきますからね」という気持ちで、それでも資材は運ばれるし、それでもコンクリートは流されるし、それでも大浦湾の海は死にゆくのだけれど、それでも反対を伝えるのです。もしかすると、意味があるとか意味がないとかさえ超越しているのかもしれません。

 辺野古基地とは違いますが、実は、僕も似たような気持ちで取り組んでいるものがあります。それが、「NHK党」という反社会的カルト集団が、いかに酷いものであるかを皆さんに伝える活動です。
 誠に残念ながら、僕より尊師・立花孝志の方が、よっぽど発信力がありますし、東スポやデイリースポーツが提灯記事を書いてしまうので、まるで立花孝志や「ガーシー」こと東谷義和がやっていることが正義のように伝えられてしまいますが、こいつらは「反社会的カルト集団」です。現在進行形で金銭トラブルも起こっています。
 僕がこうしてnoteの片隅に記事を書くことも、立花孝志のYouTubeに比べたら、ほとんど影響力がありません。しかし、「意味がない」と言ってやめてはいけない性質のものです。たとえ発信力は小さくとも、訴えなければならないことは訴えなければならないからです。ある人はデモに参加し、ある人は座り込みで、ある人は記事を書いて、一人でも多くの方に現状を知ってもらう。ほとんどが努力実らず、暴力的に強行されてしまうのですが、それでも無抵抗ではいられません。ダメなものはダメだと言う。これこそが民主主義の原点です。
 今、そんなことも理解できない人間が、ニュースを扱う番組にMCをしているというのが、今のニッポンです。「民主主義」が少しずつ歪められていることに、まずは気づくべきではないかと思います。


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