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【選挙ウォッチャー】 茨城県議補選2021・土浦市選挙区レポート。

8月27日告示、9月5日投開票で、茨城県議補選が行われました。土浦市では、昨年11月の土浦市長選に茨城県議の安藤真理子さんが立候補しましたので、補欠選挙が行われることになり、欠員1を3人で争うことになりました。ただし、そのうちの1人はポスターを貼っていなかったので、実際には2人の一騎打ちという感じになりそうです。さて、この選挙ですが、新型コロナウイルスの第5波の影響で、選挙ポスターを撮影するだけにとどまってしまいましたので、無料部分では新型コロナウイルスに関する考察、有料部分では選挙に関する話と、ちょっとだけ新型コロナウイルスに関する考察をお届けしたいと思います。

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高橋 直子  37 新 無所属(歯科医師)
吉田 直起  39 新 無所属(会社役員)
赤須 理世自 59 新 無所属(無職)

ポスターの貼ってある2人の一騎打ちだとは言いながら、どうやら実際には選挙をやる前から結果が決まっているような選挙だったのではないかと思わずにはいられません。というのも、ポスターの雰囲気も高橋直子さんの方が良さそうだし、地元の市議などから推されているのも高橋直子さんの方なので、かなり大差が開く可能性があると思って見ていました。


■ 新型コロナウイルスの第5波は収束傾向にある

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これは茨城県が発表している、茨城県内の感染者のグラフです。茨城県に限らず、ピークを脱した感じがあり、あとは小中学校の学校給食でどれだけ新型コロナウイルスが拡大するのかを見て行かなければなりませんが、茨城県は9月12日まで2学期の開始を遅らせたり、オンライン授業が取り入れられているため、このグラフが再び増加に転じることはないのではないかと考えることもできます。

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これも茨城県が発表している、県内の自治体ごとの感染者数です。水戸市や古河市、取手市、つくば市、土浦市などが多い傾向にありますが、行方市や常陸大宮市では0人というのも面白い傾向です。会社に行く人が多い自治体では感染者が多い傾向にあり、元も子もない話をすると、デルタ株は飲食店よりも会社の方が危険ではないかと思わずにはいられません。それでも一時期よりはマシになっています。

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入院したくても入院できないほどの地獄が広がった東京都も、検査の飽和状態が起こり、正確なデータを出すことができなくなりましたが、救急車を呼んでも病院に運ばれないという現象は解消されつつあり、一時期より酷くはなくなったと思われます。本来は、この「落ち着き始めた状態」を利用して体制を整え、確実にやってくる第6波に備えることが大切ですが、今、日本が夢中になっているのは「次の総理大臣をどうするか」であり、今のうちに次なる手を打とうということにはなっていません。なので、個人で何ができるかを考えなければなりません。


■ 最悪シナリオを免れた最大の原因は何か

皆さんもご存知の通り、『チダイズム』「危険厨」なので、まずは最悪シナリオを想定し、その最悪シナリオから徐々に上方修正していくという方法を取ります。これが危機管理の鉄則だからです。なので、感染者数の予測から計算し、「全国で1万人くらいが亡くなる可能性がある」というところからスタートし、表に出てくる数字としては、どうやら1万人にはならずに済みそうだというところになっています。これを「予測が外れた」とか「無駄に脅かしている」という人がいるかもしれないのですが、危機管理の鉄則で言えば、「火事が起きる」という最悪の想定から、消火器を置いたり、スプリンクラーをつけたりするので、最悪の結果にならないことは「むしろ喜ばしいこと」であり、最悪シナリオにならなかったことをガッカリする必要はないのです。さて、今回の第5波は最悪シナリオを免れ、意外と早く収束する傾向に転じました。最悪シナリオは「9月になっても感染爆発が止まらないかもしれない」と考えられていたので、収束に転じると同時に、重症者や死者は想定よりも少なくなります。収束につながった最大の要因は、入院したくても入院できず、亡くなる人が「映像化されたこと」が大きいのではないかと思われ、みんなが小さく出歩かなくなったことが最大の原因ではないかと思っています。この「小さく出歩かなくなった」というのは、近所の飲食店に出かけることを控えたり、友達と買い物に行くことが少なくなったりすることで、夏フェスで盛り上がったりするような若者もいましたが、それでもそれはごく一部の人であり、渋谷のスクランブル交差点や東京駅といったところで人流が抑制されなくても、人が気を付けて行動すればデルタ株でさえ収束させられるということがわかりました。最悪シナリオでは「少し気を付けるぐらいでは収束させられない」という前提に基づいていたので、少し気を付けるぐらいで収束させられることがわかったのは非常に大きな収穫かもしれません。ということは、ウレタンマスクが不織布マスクに変わるだけでも劇的な効果を生み出す可能性があるし、もう少し危険を早く知らせることができれば、第6波の山は今より小さくできる可能性があります。もっとも、今度の第6波は「ミュー株」のような「免疫系回避能力」を持った変異株の可能性があるので、第5波より被害が大きくなる可能性は否定できませんが、それでも「第5波を『行動によって』収束できた」というのは、今後の自信につながります。


■ 「ミュー株」は新たな流行になり得るか

最近、話題になったコロンビア発の「ミュー株」ですが、どうやら日本にはとっくの昔に入っているようで、デルタ株の次に流行る可能性があるのではないかと懸念されています。この「ミュー株」の特徴は、免疫系回避能力があることで、日本でワクチンが行き渡った場合、デルタ株の感染能力が落ちて、「ミュー株」のような免疫系回避能力を持つ変異株が新たな流行を作り出すのではないかと懸念されています。コロンビアでは、ミュー株が53%を占め、ガンマ株が23%、アルファ株が5.7%となっています。コロンビアでもイオタ株、ラムダ株、デルタ株が確認されていますが、それよりもミュー株の方がシェアを占めていることから、「デルタ株に置き換わる可能性があるのではないか」と懸念されているのです。コロンビアでは今年4月から6月にかけて1日あたり約700人の死者を出したことがあり、この時の死者の3分の2がミュー株だったと言われています。見つかったのはコロンビアですが、日本の空港検疫で引っ掛かったミュー株の感染者は、アラブ首長国連邦とイギリスの渡航歴があったということで、南米から来た人ではないことも注目すべきポイントで、9月3日時点で「43か国以上に存在しており、強い感染力を示している」ということです。


■ やがて名前がつくかもしれない「C1.2」

先程ご紹介した「ミュー株」は、もともと「B1.621系統」と呼ばれていたのですが、今後、世界的な流行となるかもしれないということで、ギリシャ文字の名前がつけられました。今はまだ名前がなく、記号のように呼ばれているけれど、今後、ギリシャ文字の名前をつけて警戒しなければならなくなりそうなのが、南アフリカ発の「C1.2」という変異株です。この変異株は、「デルタ株より感染力が強いかもしれない」と警戒されており、さらに「最も変異のスピードが速い」ということもわかっています。この「C1.2」は、専門家たちが見守っている段階ですが、アフリカやアジアなど8か国で確認されており、今のところ、デルタ株から置き換わる勢いではないものの、やはり注意深く見守られています。


■ 最強の変異株を人工的に作る実験

大阪大学の荒瀬尚教授らの研究チームが、人工的に4つの変異を持たせた最強の「デルタ4+」を作り、これに従来のワクチンがどれだけ効くのかを確かめる実験をしたところ、現在使われているファイザーやモデルナのワクチン、ほとんど効果を発揮できなかったことがわかりました。一方、デルタ株をもとに作られた変異株は、この「デルタ4+」という最強の変異株も抑えることができ、従来株も抑えることができたといいます。現在、ファイザーやモデルナは、既にデルタ株に対応した改良ワクチンを開発中ですが、早くも次世代ワクチンの登場が待たれる状態になっています。


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