見出し画像

【選挙ウォッチャー】 大宜味村議選2022・分析レポート。

 9月6日告示、9月11日投票で、沖縄県の大宜味村議選が行われ、定数10に対して11人が立候補しました。つまり、たった1人しか落選しない選挙だということです。
 同日に大宜味村長選が行われ、ここに2人の村議が立候補しますので、椅子が2人分空いたことになり、より当選しやすくなったと言えます。ちなみに、村長選と村議選が同日に行われるということは、もし村長選に立候補して落選した場合には、村議に復活しようとしても4年間は浪人しなければなりませんので、それなりの覚悟を持って立候補しなければなりません。

 今年は、台風11号と台風12号の間の5日間で合計21本の選挙を取材することになりましたので、大宜味村長選と大宜味村議選は選挙ポスターの撮影だけで終わることになりました。
 村長選と異なり、一人ずつを紹介している場合でもないので、ここでは沖縄の問題を細かく見ていくことにしたいと思います。


■ 嘉手納基地内に防錆整備格納庫の移設計画

 米軍の嘉手納基地内で住宅地に近いパパループと呼ばれる場所に「防錆整備格納庫」の移設が計画されていて、住民たちが反対しています。
 防錆とは、文字通り、錆を防ぐという意味で、軍用機などのメンテナンスをする場所だと考えていいと思います。もし、防錆整備格納庫が完成してしまうと、エンジンの調整音などの地上騒音が昼夜を問わずに鳴り響き、排ガスの悪臭で平穏な日常の生活が大きく影響を受けると指摘しています。
 実は、この防錆整備格納庫については、与野党一致して「反対」の姿勢を示しており、嘉手納町議会も沖縄県も「見直し」を求めて、国に協議するように求めています。
 しかし、肝心のアメリカ様は「見直す」とは言っておらず、まだ正式に決定しているわけではないので、来年3月までに検討して決定するとしています。アメリカ様の決定次第では、沖縄の新たな問題として、また町が騒然とするかもしれません。
 なお、嘉手納町長選は2023年1月か2月頃に行われる予定となっており、當山宏町長が4期目を目指して立候補するとしています。この問題には町長も町議も反対しているので、「賛成か反対か」という選挙上の争点にはならないとみられますが、選挙が終わった後にアメリカ様からの発表があるという感じになっています。


ここから先は

4,103字 / 4画像

¥ 100

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。