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【選挙ウォッチャー】 長生村議補選2020・分析レポート。

千葉県長生村は、千葉県民の僕ですら、あまり馴染みのない村で、村長選ならともかく「村議補選」なんて言ったら、ますます誰も興味がないと思います。しかし、ほとんどの人が名前すら知らない小さな村だからこそ、とてつもなく大きな闇に直面しており、このレポートはこれから数十年にわたって語り継がれる伝説になるかもしれません。なにしろ、僕が気まぐれに「選挙ウォッチャー」なんていうものを始め、超マニアックな選挙も現地で取材をするようになった結果、誰よりも早く世の中で起こっている危機的な状況にアラートを鳴らすことができるようになったからです。既に「NHKから国民を守る党」が社会的害悪であるということを誰よりも早く伝えた実績がありますが、今回の長生村議補選は、それよりもっと闇が深いかもしれないのです。

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石川 忠夫 61 新 自営業
石川 博康 58 新 会社役員

一見、何のヘンテツもない、どこにでもあるような村議補選です。欠員1に対して2人のオッサンが出ているので選挙になりました。実は、どちらが勝つとか負けるという話は、ここではあまり重要ではありません。最近、ネトウヨの皆さんが「中国が日本の土地を買い占め、移住して支配しようとしている」なんていう話を口にしていますが、本当の脅威は「中国」ではありません。日本のカルトです。この村はもしかすると、やがてカルトに乗っ取られてしまうかもしれないという大変なリスクを抱えているのです。


■ 長生村長選は無投票当選

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長生村では、6月16日告示、21日投開票というスケジュールで、村長選と村議補選が行われる予定でした。ところが、市長選の方は現職の小高陽一さんしか立候補する人がおらず、無投票で3選が決まりました。長生村はなかなかユニークなところで、村役場では42歳の女性上司が30代男性の部下に対し、勤務中に「つまらないから物まねをやって」とか「何か面白いことをやってみて」と要求。男性が断ると「使えない」とか「来なくていい」などと侮辱的な言葉を浴びせたという事件があり、村長までもが責任を取ることになり、減給になったそうです。他にも、茂原市の飲食店で上司に出くわした部下が足を蹴られる暴行を受け、全治7日間のケガを負う事件もあったようで、村役場の職場環境が最悪だという悲惨な村なのです。

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かつて山梨県小菅村の村長選を取材した時は、触れ合う人すべてが優しくて良い人だったので、僕はすっかり村に魅了され、新型コロナウイルスが終息したら、あそこでBBQをして温泉に入ってこようと思ったものですが、この長生村では、ちょいちょい不快な思いをすることもあり、職場の環境が悪いことにも納得です。村役場の人はとても優しかったですが、両候補の選挙事務所に行って、とても重要な質問をしてみたのですが、ともにリアクションは最悪でした。この村が「カルトの村」として、かつてオウム真理教がサティアンを作った「上九一色村」のようになったとしても、それは自業自得かもしれません。


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