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【選挙ウォッチャー】 九十九里町議選2023・分析レポート。

 8月22日告示、8月27日投票で、九十九里町議選が行われました。
 同日に行われた九十九里町長選は、反社会的カルト集団「NHKから国民を守る党」に毒されてしまいましたが、九十九里町議選の方はアホやポンコツが立候補しておらず、平和な選挙となっています。
 今年は定数14に対し、15人が立候補したため、落選するのがたったの1人という「ヌルい選挙」となりましたが、一体、誰が落選するのでしょうか。

 候補者15人のうち、女性は3人しかいません。また、30代の新人が1人、40代の現職が1人、残るは50代以上ということになりますが、70代が多いのも特徴です。
 なにしろ、九十九里町は、かつて毎年150人ぐらい生まれていた赤ちゃんが、去年や一昨年は29人しかいないくらい少子高齢化が深刻で、とうとう「過疎地域」として指定されてしまいました。人口減少が止まらない海の田舎町は、これからどう生き残っていくのでしょうか。



■ 九十九里町議選・選挙ボード解説動画


■ 九十九里の魚が食べられなくなる日

 とうとう福島第一原発で汚染水の海洋放出が始まりました。
 海洋放出をするにあたり、政府はトリチウムの値だけを測定し、「検出されていないから大丈夫だ」というプロパガンダを流していますが、原発由来の汚染があるかどうかを見極める、最も手っ取り早い方法は「セシウム」を測定することです。

 このたびの汚染水の海洋放出をめぐっては、大量のアホが「トリチウムは体内に蓄積しないから安全」「安全な基準値以下まで薄めているから大丈夫なんだ」など、小学4年生で理解できる簡単な理科すらできない発言を繰り返しており、批判に蓋をしています。
 しかし、この作戦が通用するのは我がニッポンだけであり、世界の国々はこの現状をもっとシビアに見ています。今はまだ汚染水の海洋放出が始まったばかりなので、福島沖の魚に大きな影響はありません。が、この汚染水は放出され続けることになっていますので、やがて福島沖、それがさらに広がってくると九十九里の魚まで影響を受けることになります。
 九十九里の魚まで影響を受けるようになるには、一応、まだ時間があるとは思いますが、まったく信用ならない「東京電力」という会社がやっていますので、僕たちが思っているよりも早い可能性は捨てきれません。ただ、時間があるということは、まだ対策が練られるということでもあります。九十九里の魚のブランドをどう守っていくのかが問われています。

自然由来の放射性ウランの話をしてドヤってしまうアホの子たち

 この手の話をすると、大量のアホの子たちにカラまれてしまいますが、このたびの汚染水の海洋放出をめぐっては、トリチウムだけではなく、「トリチウム以外の核種」が大きな問題となります。
 政府は「トリチウム水」などと呼び、ALPSで処理した水には、まるでトリチウムしか含まれていないかのように演出しています。しかし、実際は取り除ききれない核種がたくさんあり、「基準値を満たしているから問題ない」と言いながら、その数値を公表することはありません。「数値は見せないけど、大丈夫ったら大丈夫」という、立花孝志の会計帳簿と同じシステムです。
 しかも、この汚染水の海洋放出をめぐっては、「安全な数値まで薄めるから大丈夫だ」というロジックを組んでいますが、この「薄めている」というところにカラクリがあります。そもそも濃度を低く抑えたいというのであれば、わざわざ海水で「希釈」をする必要がありません。単純に放出する量を減らせばいいだけです。
 具体的には、1リットルあたり1000ベクレルのものを捨てるのに、10倍に薄めて100ベクレルにしなくても、100ミリリットルずつ捨てれば同じことです。薄める水を用意するだけ手間がかかるので、濃度を基準にするならば、少しずつ捨てればいいだけなのに、わざわざ薄めるための水を用意してくるのです。しかも、この薄めるための水というのが、「福島第一原発付近の海水」と来たものですから、怪しさ満点です。
 最も手間のかからない方法であるにもかかわらず、わざわざ手間をかけてまで「希釈」をしているのですから、これには意図があると考えるのが普通だと思います。
 そして、そのヒントになるのが、今年5月に港湾内で捕獲されたクロソイから1万8000ベクレルのセシウムが検出されていることです。原発事故から12年が経つ中で、2023年に捕獲されたクロソイから非常に高濃度のセシウムが検出されているということは、普通に考えて、福島第一原発の港湾には今も汚染された水が流れ込んでいるのではないかと推測されるわけです。そして、この水を汚染水と混ぜて海に放出して、「トリチウムしか検査をしない」ということをしているのです。これは非常にヤバいです。
 こうなってくると、本丸は「処理された水を海洋放出する」ではなく「処理された水に、周辺海域の水を混ぜ、トリチウムしか検査をしない環境を作り出す」ということにあるのではないでしょうか。だとすると、我々は定期的に魚を検査し、汚染された魚が出ていないかを確かめる作業をしていかなければならないと思います。
 今、アホの子たちが大量発生し、「トリチウムは安全だ!」という大合唱をしていますが、手品と同じで、人々の視線をトリチウムに集めながら、その裏では他の核種が動いているという疑いがあります。
 そして、原発事故から12年が経ちましたが、これから30年以上の長きにわたり、海洋放出を続けるとしています。もし汚染された水をダダ漏れにしながら海洋放出を続けた場合、海は世界につながっているとはいえ、周辺の海域から汚染が深刻になりますし、高濃度のセシウムが検出されるということは、すなわちストロンチウムも検出されるということになります。かつて水俣病やイタイイタイ病が広がった時のように、セシウムやストロンチウムといった核種は生物濃縮が起こりますので、九十九里沖で獲れた魚にも影響を及ぼす可能性は否定できません。ブランド価値は大きく毀損するものになるかもしれませんので、この海洋放出については、漁業関係者の方々ほど真剣に見ていく必要があると思います。


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