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【選挙ウォッチャー】 入間市議選2021・分析レポート。

3月7日告示、3月14日投開票で、入間市議選が行われました。この選挙は定数22に対し、26人が立候補したため、4人が落選するという形になります。埼玉県入間市は人口約14万5000人で、最近まで人口がどんどん増えていた場所です。食品工場や精密機器の工場などがあり、財政はそこそこ潤っているはずなのに、市の貯金がほとんどないという不思議な街。まだまだ使える市庁舎を建て替えようという計画もあり、市民の生活よりもハコモノにお金を使ってしまうアホの自治体でもあります。

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僕が取材をした日がたまたまうるさかっただけなのか、航空自衛隊の入間基地がある関係で、常に戦闘機の轟音が響いており、あんまり住み心地の良さそうな街ではありませんでした。昔から住んでいる人にとっては、日常のことなので気にならないのかもしれませんが、普段、戦闘機が飛ぶようなことのない町に住んでいる僕にとっては、かなりうるさかった印象です。それともう一つ、入間市の中心地には百貨店がいくつかあるのですが、新型コロナウイルスの影響でだいぶ厳しそうでした。何とか盛り上げる作戦が必要ではないかと思うのですが、盛り上げるためにアイディアを出す市議というのはほとんどいないのではないでしょうか。


■ 地盤なき便利屋の挑戦

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普段は、地元の便利屋として働く松下操さんが、今回初めて市議選に立候補してきました。地域密着型の便利屋さんなので、市民の御用を聞くことに関してはプロだと思うのですが、いかんせん応援してくれるスタッフが存在せず、駅前に幟だけ持って単身で乗り込んでくるスタイルなので、あまり選挙に強そうな印象がありません。歌舞伎町のホストやキャバ嬢のための名刺も作っているそうですが、これも新型コロナウイルスの影響で売上の減少は免れないでしょう。そんなわけで、生活のためにも入間市議を目指してきたんだと思いますが、当落のボーダーラインが1000票以上という自治体なので、かなり厳しかったのではないかと思います。

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この日はかなり風が強く、立っているだけで体力を消耗するほどだったのですが、そんな中で幟を持って有権者に訴えており、やはり選挙が厳しい自覚はあるようで「もう必死ですよ!」と言いながら、頑張っていました。チラシを持ちながらも、電車から降りてくる人たちに、ひたすら挨拶をするような戦略だったのですが、会社帰りの有権者たちも北風と同じくらいの冷たさで、なかなか松下操さんに振り向いてはくれない感じでした。

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松下操さんの便利屋のホームページを見ると、選挙で1週間不在になるにもかかわらず、そういうお知らせがどこにも書いていないことから、ほとんど便利屋としての注文がないのではないかと思わずにはいられません。ついでに、便利屋だけでなく、タロット占いもお願いできるそうで、生きるためにいろいろなものを身につけていて、もっと松下操さんの日常から人間模様を描いたら面白そうです。この時代を生きるのは大変で、市議会議員を目指す気持ちも、分からんでもありません。ただ、こういう器用貧乏みたいな人はなかなか当選しないのです。


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