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【選挙ウォッチャー】 統一地方選2019・日本第一党の候補者をチェックする。

今年の統一地方選では極右カルト政党である「日本第一党」が複数の候補者を擁立してくることが予定されています。もしかしたら、あなたが暮らす街にも「日本第一党」の候補者が立候補してくるかもしれません。彼らの主張は「外国人の排除」であり、外国人からは人権を奪うというものです。そして、この思想はやがて自分たちと思想の違う日本人に対しても向けられることは間違いありません。ただでもまともな政党がない現代のニッポンに、さらに日本の将来を暗くする政党が誕生していることは非常に危惧される事態です。そこで、統一地方選で立候補してくるかもしれない日本第一党の動向をチェックします。


■ 東京都八王子市

東京都八王子市では「岡村幹雄」という人物が立候補してくるようです。八王子市は4年前の市議選で社民党の佐藤梓さんがトップ当選を果たしているところですが、今期限りの引退を表明しており、しっかり仕事をする貴重な議員を失うことになりました。そして、次の選挙では日本第一党から候補者が立候補してくるという構図です。八王子市の定数は40なのですが、4年前は51人が立候補しています。落選した政党の中には日本維新の会や減税日本などがあり、日本第一党が勝てる環境ではないと予想しますが、油断するわけにはいきませんので、しっかりと見守る必要があります。


■ 東京都調布市

東京都調布市では「朝倉しんのすけ」という人物が立候補してくるようです。調布市は定数28ですが、4年前の選挙では36人が立候補し、そのうち3人が完全な泡沫候補だったため、実質的には33人で争っていました。日本第一党に所属しながらワーキングプアの問題に取り組むと話しているため、「低賃金の外国人労働者が日本のワーキングプアを生み出しているので、特定の外国人は国に帰れ」と訴えるタイプだと思われます。本人いわく「地道な活動が実を結びつつある」と話しているので、注意が必要です。


■ 東京都練馬区

東京都練馬区では「大村小太郎」という人物が立候補してくるようです。練馬区はNHKから国民を守る党も松田亘という人物を立候補させてきますが、「この国を守り、この国のために尽くして下さった英霊の方々っと同じ方向を向いていられるよう、公に活動していきたい」などと表明しており、完全なる極右カルトです。練馬区の定数は50ですが、4年前の選挙では70人が立候補し、自民、維新、元気から立候補した人たちが落選しています。かなりの激戦になることは間違いなく、日本第一党が当選するのは難しいですが、注意深く見守っていきたいと思います。


■ 東京都新宿区

東京都新宿区では「堀切笹美」という人物が立候補してくるようです。新宿区は新大久保のコリアンタウンがあるほか、区民に占める外国人の割合が高いことでも知られています。堀切笹美さんは在特会の東京支部長を4年間務め、保守運動関東の中心メンバーで、完全なる極右カルトです。このような人物であることから、あえて新宿区から立候補するのだと思いますが、新宿区の定数は38で、4年前は52人が立候補しています。選挙運動だと言ってコリアンタウンなどでヘイトスピーチを繰り広げる可能性があるので、特に監視する必要がありそうです。


■ 東京都国分寺市

東京都国分寺市では「大木慎一」という人物が立候補してくるようです。国分寺市の定数は24で、4年前の選挙では29人が立候補しています。こちらも立候補する人が少ないようだと当選してしまう可能性があります。大木慎一さんは「表現の自由を守る必要がある」と主張しており、ヘイトのある世の中の方が健全だと考えています。さらに、「この国は左傾化し過ぎている」と言っており、なかなか極右カルトをこじらせた人物ですが、年末も地元で着実に政治活動を展開していたので、市民に少しずつ浸透しています。


■ 神奈川県相模原市南区

神奈川県相模原市南区では「中村和弘」という人物が立候補してくるようです。日本第一党が政権与党になり、桜井誠党首が総理大臣になることが夢だと公言している極右カルトをこじらせた人物です。相模原市南区は定数18ですが、4年前の選挙では29人が立候補する大激戦となっています。4年前の選挙では次世代の党から立候補した学習塾経営の松川公浩さんという人が立候補し、当落ボーダーラインが約3300票という中で、1078票しか獲得できずに落選しています。極右カルトをこじらせた人物がやっている学習塾というのは大丈夫なのかと思わずにはいられませんが、日本第一党が当選するのはかなり難しい選挙区であることは間違いありません。しかし、相模原市では3人も日本第一党の候補が立候補してくるので要チェックです。


■ 神奈川県相模原市緑区

神奈川県相模原市緑区では「井上晃佑」という人物が立候補してくるようです。相模原市は4月7日が投票日になっているのですが、日本第一党から候補者が擁立される予定です。相模原市は候補が多く、選挙熱の高いところなので、日本第一党が議席を獲得するのは難しいと見られますが、油断大敵です。ここには4年前の選挙で「次世代の党」から32歳の林部直樹さんという人が立候補しているのですが、当落のボーダーラインが約4000票であるところで、わずか632票しか獲得できずに落選しています。このことから考えても「次世代の党」より極右カルト化が深刻な「日本第一党」が当選するとは考えられないのですが、こちらも見守っていきたいと思います。


■ 神奈川県相模原市中央区

神奈川県相模原市中央区では「古澤慎悟」という人物が立候補してくるようです。典型的な日本第一党の党員なので、一番気になっていることは「外国人移民政策」で、進めようとしている安倍政権を批判しています。このあたりはただ安倍晋三をマンセーしているだけのアホなネトウヨとは異なるのですが、それでも極右カルトであることに変わりはありません。相模原市中央区は定数17に対して23人が立候補する選挙となりました。落選するのは6人だったのですが、日本維新の会の候補が2人も落選しています。おそらく日本維新の会はリベンジを目指してくると思うので、ネトウヨ層で微妙にカブる可能性があり、厳しい戦いになりそうです。しかし、油断するわけにはいきませんので、見守る必要があります。


■ 神奈川県横浜市保土ケ谷区

神奈川県横浜市保土ケ谷区では「大倉千和」という人物が立候補してくるようです。横浜市は相模原市と同じく4月7日に市議選が行われるのですが、保土ケ谷区の定数は5です。4年前の選挙では6人が立候補し、自民党の71歳の候補が落選しています。しかし、候補者がたくさんいるというわけでもないので、無投票当選が決まるような環境になってしまう可能性もあります。33歳の維新の現職がいるため、ライトなネトウヨ層はこちらに投票する可能性があり、大倉千和さんにとっては厳しい環境であることは間違いありませんが、油断せずに見守りたいところです。


■ 京都府京都市左京区

京都市左京区では「西山たけし」という人物が立候補してくるようです。京都市左京区は定数8で、4年前は13人が立候補しています。前回は日本第一党や次世代の党などの極右カルト政党からの候補者が出ていなかったのですが、今回は立候補してきそうです。ただ、前回は自民党候補が2人、共産党候補1人が落選するなどの大激戦区となっており、日本第一党の候補者が当選できるかと言われると、かなり厳しいとは思います。それでもチェックは欠かせません。


■ 大阪府八尾市

大阪府八尾市には「村上利一」という人が立候補してくるようです。村上利一さんは4年前にも八尾市議選に立候補しており、494票で落選しています。前回の当落ボーダーラインは1092票で、まったく通用しないレベルではあるのですが、それでも立候補する人が少ないようだと当選してしまう可能性がありますので、警戒が必要です。


■ 大阪府藤井寺市

大阪府藤井寺市では「小林宏助」という人物が立候補してくるようです。藤井寺市は特に注意が必要で、4年前は定数14に対して16人しか立候補しておらず、かなり当選しやすい環境になっています。あまり落選する人がいない選挙になってしまうと、各所で誕生している幸福実現党の議員のように、日本第一党の議員が誕生してしまう可能性があります。既に政治活動を始めているため、他の候補が出遅れるようなことがあると当選してしまうかもしれません。


■ ますます極右カルト化を進める総理大臣とその周辺

こうした極右カルトが蔓延する現象は、日本だけで起こっている問題ではありません。むしろ、世界中で起こっている現象だと言っていいですが、その中でも日本は日本で深刻であると言えます。というのも、国民の極右カルト化を進めているのが、他ならぬ安倍晋三総理だからです。

ご存知の通り、百田尚樹さんが書いた「日本国紀」はWikipediaをはじめ、さまざまな文献をコピーペーストして作られた自称・歴史本です。誤りが非常に多く、コピペした箇所は版を重ねるごとにひっそり修正されているため、さまざまな角度からの「間違い探し本」として有名になりました。この本がおよそ正しい歴史認識の上で書かれたものであるとは言い難いことは、アカデミズム界隈からも指摘されているところであり、今さら僕が新しい間違いを発見したところで何のメリットもないので、詳しいことはハーバービジネスオンラインのGEISTEさんの記事を読んでいただくとして、このような歴史認識の歪んだ人が書いた本を総理大臣自らが宣伝するというのは、この国のトップの知性がどれだけ低くなってしまったかを物語っています。今さら安倍晋三総理に正しい歴史感覚を身につけてもらいたいという期待すらありませんが、このようなツイートがネトウヨに勇気を与え、日本の極右カルト化がさらに進行してしまうという問題は見逃せません。

安倍晋三総理がどっぷりネトウヨであることは昔から知られていることで、「日本国紀」を宣伝するツイートをしたところで、特に大きな驚きはないのですが、それに大阪市長の吉村洋文さんが追随したことは、それなりのインパクトがあったと思います。従軍慰安婦像の問題をキッカケに、長らく続いたサンフランシスコとの姉妹都市を慰安婦像問題を機に捨て去ったあたりから歴史認識がだいぶ怪しいことは露呈していましたが、いよいよ大晦日の朝に「日本国紀」を宣伝し始めたのです。わざわざ「日本国紀」を読むことをアピールするのは、ネトウヨの皆さんに自分が仲間であることをアピールすることが最大の狙いだと考えています。僕もいろいろな本を買いますが、わざわざどんな本を買ったかをアピールすることはありません。よほど面白い本だった時に紹介することはあっても、いくら年末年始とはいえ、わざわざ読む本を宣伝するというのは意図がなければやらないことです。何かの小説や料理本ならともかく、これだけ賛否両論ある本をわざわざ示しているのですから、これはやはりネトウヨの皆さんに向けてのアピールだと言えます。そして、このアピールが新たなネトウヨを増やしているとも言えます。総理大臣や市長がこぞって読んでいる本だから読んでみようと思った人が、ここでネトウヨに目覚めることもあるのです。これはとてつもない害悪です。愛国が悪いわけでも、保守が悪いわけでもありません。ただ、本物の「愛国」や本物の「保守」は、そこにないということです。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

いわゆる「日本国紀」を歴史本として認識してしまう安倍晋三総理や吉村洋文市長は、日本第一党と根底ではつながっています。細かい部分を見ていくと違うのですが、それでも大きな枠組みの中では同じです。こうした極右カルト政党を信じる人は世界中で問題となっているのですが、日本では問題として捉える人が少ないために、国家の極右カルト化という部分で言えば、もしかすると世界の最先端を突き進むことになるかもしれません。すべては市民や国民の良識にかかっているのですが、今のところ、これを止める動きは「パヨク」と位置付けられ、否定されるようになっています。あくまでアカデミズムに基づき、正しい歴史認識の中で前に進むことを希望する人たちが迫害されてしまうのは健全な国家とは言えません。いよいよ「平成」という時代が終わろうとしていますが、新しい時代を明るい日本にするためには、みんなが政治や選挙に興味を持つことが大切なのです。新しい時代を政治家に任せるのではなく、そのお客様精神を捨て、自分たちの手で変えていきましょう。まずは身近な人と話をして、情報を発信していくのです。[了]

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