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【選挙ウォッチャー】 常総市長選2020・分析レポート。

7月5日告示、12日投開票で常総市長選が行われました。常総市は茨城県南部に位置する自治体で、僕が住んでいる千葉県柏市からは30分ちょっとで行くことができます。常総市は2015年に鬼怒川が氾濫した時に大洪水になり、市庁舎が浸水する被害を受けた所です。たいしたことはできませんでしたが、現地で必要としている物資を届けるために視察に行ったのを覚えています。当時は川が氾濫するというのは珍しいことで、滅多に起こることではないので、みんなが「これは大変だ」とボランティアに向かったのですが、最近は毎年のように各地で洪水被害が起こるようになり、洪水が珍しいものではなくなってきました。原因の一つに急速な気候変動があると思うのですが、気候変動は今すぐ政治の力でどうにかできる問題ではないので、洪水に対して各自治体が真剣に考えなければならない時代がやって来ているのだと思います。このレポートでは、常総市長選の結果とともに、各地で問題になっている豪雨災害について考えてみたいと思います。

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飯田 智男 60 新 元県議
神達 岳志 51 現 公明推薦

2015年に起こった洪水の時に対応したのは、前の高杉徹市長の時代でした。水海道市議を2期、常総市議を2期経験し、2012年から2016年にかけて市長を務めたのですが、当時はハコモノ打ち切り、震災復興優先などを掲げ、当選を果たしました。ところが、2015年の洪水被害の時にはあまり良い形で手腕を振るうことはできませんでした。災害が起こった時にこそ市長の腕が試されるわけですが、市民からポンコツと判断されてしまったので、事実上、政治家生命は絶たれているに等しいのではないかと見ています。


■ 災害復旧4000億円は選挙が近いサイン

まさに新座市長選が行われている最中である7月3日から、熊本県を中心に九州の広い範囲で豪雨災害が発生し、甚大な被害がもたらされました。常総市の鬼怒川の堤防が決壊した時は「こんなことが起こるのか!」と驚いたものでしたが、今では全国各地、当たり前のように氾濫するようになってしまいました。西日本豪雨災害の時には「赤坂自民亭」が開催され、安倍晋三総理も含め、みんなで「酒を飲んでワァー!」をやっていたわけですが、さすがに何度も洪水被害が出るもので、官邸まわりも批判を避けるため、迅速に対応する体制が整ってきたのだと思います。今年の豪雨災害は、いつになく迅速な対応をしていて、7月13日に球磨川が氾濫した熊本県人吉市を視察し、災害復旧の予算と予備費を合わせて4000億円を上回る対策パッケージを取りまとめると発表しました。あらゆることが遅々として進まなかったノロマの安倍政権が、かつてないほど急いで対応し、二階俊博幹事長は「政治の仕事は、被災地の声を聴いて政策に反映させ、皆さんが安心できるように元の暮らしを早く取り戻すことだ、そのためにはスピード感が必要で、皆さんの期待を裏切らないよう対応しなければならない」とドヤりました。今までこんなに早く、しかも巨額の支援を発表したことはありませんでしたので、僕は思いました。「あぁ、選挙が近いんだ!」と。どうやら今年中に衆院選をするつもりのようです。


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