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【選挙ウォッチャー】 鴨川市長選2021・分析レポート。

2月28日告示、3月7日投開票で、鴨川市長選が行われました。鴨川市は千葉県の南東にあり、「チーバくん」で言うところの膝の裏ぐらいにあります。人生のほとんどを千葉県で暮らしている僕ですら、小学生の時に家族旅行で行って以来、一度も行ったことがありません。この選挙の争点は、地元経済の再生だと思いますが、実質的には、税金チューチュー横流しオジサンだった現職の亀田郁夫さんの市政を継承するかどうかだったと思います。あとで詳しく説明しますが、亀田郁夫さんは公共工事をめぐる顧問企業の不透明な取引が発覚したため、立候補を断念。今回の鴨川市議選では、新人の吉田行伸さんの支援に回ることになりました。そのため、亀田郁夫さんのズブズブっぷりに批判的な自民系の市議たちは、元職の長谷川孝夫さんを支援することになり、かなり白熱した戦いになりました。

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吉田 行伸  62 新 千葉県道路公社理事長・県職員
長谷川 孝夫 72 元 市長・市教育委員会教育長

オフィシャルに自民党から推薦されているのは吉田行伸さんですが、長谷川孝夫さんも自民党の人でした。4年前は、地元の名士であった亀田郁夫さんが立候補したいと言い出したため、自民党が亀田郁夫さんを推薦。長谷川孝夫さんは自民党の支援を受けられなかったため、落選してしまいました。ところが、その亀田郁夫さんに公共工事をめぐる税金横流しズブズブ疑惑が浮上。そもそも日頃から亀田郁夫さんの評判はあんまり良いものではなかったので、その後継指名が吉田行伸さんだというだけでも、十分に逆風が吹いていたのではないかと思っています。どちらも自民党ではありますが、全面的に自民党を強く前に出していたのは吉田行伸さんなので、この勝負は「自民党が負けた選挙」だと言ってもいいかもしれません。


■ 現職市長の公共事業の不正関与疑惑

市が公共工事を発注した会社「ケイテイエス」が、亀田郁夫市長を顧問にしていて報酬を払っていたことが判明しました。この「ケイテイエス」という会社は、亀田郁夫市長が株式の62.5%を保有しているという報道もあって、ほぼ亀田郁夫さんの会社であると言っていいと思います。つまり、市長が自分で自分の会社に事業を発注していたということになります。その「ケイテイエス」は、2018年度と19年度で、ごみ収集や道路改良事業など15事業約8525万円を受注。さらに、一般廃棄物中継処理整備・運営事業では、約18億3747万円のゴミ運搬業務が委託されていたことが明らかになりました。鴨川市の税金をゴリゴリに自分の会社に流していたことが明らかになり、出馬表明までしていたものの、これでは選挙に負けて税金でウマウマできなくなってしまうということで、急遽、立候補を取りやめることになりました。なので、もし吉田行伸さんが市長になっていたら、亀田郁夫市長の会社にそのまま発注を続けるような話になっていても不思議ではありませんでした。


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