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【選挙ウォッチャー】 那珂市議補選2018・分析レポート。

あけましておめでとうございます。いよいよ今日から「2019年」、今年で「平成」が終わり、4月には統一地方選、夏には参院選が行われます。選挙ウォッチャーにとって極めて重要な一年になることは間違いなく、さらなる活躍を目指し、頑張ってまいりたいと考えております。さて、今年一発目にお届けする「選挙分析レポート」は、12月9日に行われた那珂市議補選です。次回の那珂市議選は2020年2月の予定なので、任期は約2年間ということになりますが、わずか2年とはいえ、市議会にヘイトを持ち込む議員が誕生する可能性がありました。この選挙には「日本第一党」から候補者が擁立され、かなり当選する確率が高かったのです。

原田 陽子 44 新 政治団体役員
石川 義光 62 新 NPO法人理事長
高野 伸幸 60 新 消防設備業
小泉 周司 47 新 元市職員
小池 正夫 55 新 農業
関 守   63 新 農業

名前を見ただけでは誰が「日本第一党」なのかが分からないかもしれませんが、この中で「日本第一党」なのは、なんと、唯一の女性である原田陽子さんです。知らないオッサンに投票するより女性に投票した方がいいのではないか。そんなスケベ心溢れる田舎のオッサンが、原田陽子さんが日頃からどんなヘイト活動を繰り返しているのかを知ることもなく、ただイメージだけで投票し、うっかり当選させてしまうことがあるのではないか。僕はそんな心配をしていました。非常に香ばしい選挙なのですが、さっそく現地に入って取材をしてみることにしました。


■ 水戸駅前のヘイトスピーチは那珂市議補選に向けたアピール

原田陽子さんは日本第一党の茨城県本部長です。日本第一党のホームページには桜井誠代表とのツーショットまで掲載されており、那珂市議補選に立候補することになりました。僕はかねてから市議会議員がハローワークの延長になっているという指摘をしているのですが、いよいよ日本第一党のオバサンの就職先として那珂市議が狙われてしまった案件だと言えます。

いくら政党の活動をしていても、それだけで潤沢なお金がもらえるわけではないと思います。ましてや地方議員も存在しないような弱小政党となると、いくら政党にそれなりの寄付が集まってくるとはいえ、それでセレブな生活ができるほどではないと考えられる上、まずは「議員という肩書き」が欲しいところです。NHKから国民を守る党の議員たちを見ても分かるように、「市議会議員」であるというだけで高いステージに立っているかのような振る舞いをして、警察に圧力をかけたり、あるいは市民に圧力をかけたりする人もいるのです。権力は正しく使ってほしいのに、自分の思想のためだったり、あるいは、金儲けのためだったりに使われるようになると、この国の政治はどんどん腐っていきます。人は誰でも保守的な一面や革新的な一面を持っているものであり、保守であること、あるいは革新であることが悪いわけではありません。しかし、フェイクニュースを信じ込み、正しくない情報をもとに行動するようになると、それはもう「カルト」と呼ぶより他ありません。「日本第一党」は紛れもなく「ネトウヨカルト」であり、正しくない情報をもとに判断するような人たちが政治をしてしまうと、政治は間違った方向に大きく逸れることになります。1人ぐらいがネトウヨでも関係ないだろうと思うかもしれませんが、その思想は伝播したり、あるいは調和を乱したり、多数決で1票を争う時にキャスティングボートを握るようになってしまうかもしれません。たった1人でも良くない影響というのは必ず想定されるものです。例えば、中核派や革マル派として今も現役で活動しているような人たちに議員になってほしいかと言われたら、いくらリベラルの人たちだって反対すると思うのです。「日本第一党」は左右反対側の「極右」であり、法律違反のヘイトスピーチを繰り返している集団です。そんな人たちが身分を隠し、普通に立候補する時代になってしまっていることに、もう少し神経を傾けるべきではないかと思うのです。新年一発目から、こんな暗い話をしている場合ではないかもしれませんが、2019年は重要な選挙がたくさんある一年です。こんな酷い選挙が繰り返されないためにも、もっと政治や選挙に興味関心を持っていかなければならないのです。


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