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【選挙ウォッチャー】 鳥羽市長選2021・分析レポート。

4月4日告示、4月11日投開票で、三重県の鳥羽市長選が行われました。なんと、これまで3期連続で無投票当選となっていたため、実に16年ぶりの市長選となりました。立候補したのは現職のオッサンと新人のオッサンの2名となっているわけですが、新人の逆転はあるのか。ここが注目ポイントです。鳥羽市の人口は約1万7000人台。伊勢などに近いだけに産業の中心は「観光」だったわけですが、新型コロナウイルスの影響を受け、大打撃を受けています。コロナ禍はまだまだ続きそうですが、市長の手腕が鳥羽市の将来を大きく変えることになりそうです。

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中村 欣一郎 62 現 3期目を目指す
小久保 純一 63 新 元市議

ずっと無投票当選だったため、実は、中村欣一郎さんは選挙を戦って市長になったことがありません。そこに社会人としての経験豊富な小久保純一さんが何の後ろ盾もなく立候補してきた感じなんですが、コロナ禍で絶望的に地元経済が冷え込んでいることもあって、新人に期待する声がないわけではありません。現職がどれくらい地元を固めているのか。とても地味ですが、とても面白い選挙になっているのではないかと思います。


■ 地元のホテルや旅館は閑古鳥

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鳥羽市は、伊勢市や志摩市の間にあって、鳥羽水族館などもあるため、ホテルや旅館が稼ぎ頭の町でした。コロナ前から小さな旅館は苦しい経営になりつつあったようですが、コロナ禍で大手ホテルの経営も苦しくなり、どこも閑古鳥が鳴き、悲鳴を上げているというのが鳥羽市の現状です。こういう状況を見ると、どうしても「GoToトラベル」に期待したくなりますが、そもそも日本の政治家たちがしっかりゼロコロナを目指し、台湾やニュージーランドのように仕事をしていたら、鳥羽市にあるホテルも守られたのではないかと思わずにはいられません。もっとも、いざとなった時に仕事のできる政治家が揃っていれば、それ以前に30年近くの間、日本経済を停滞させるようなクソ政治になっていないということも言えるかもしれません。あと、鳥羽市には「病院がない」という問題があり、コロナ禍で観光客が来るようになっても、万が一、従業員が新型コロナウイルスに感染するようなことがあると、地元では診てもらえないのです。鳥羽市では今、地元の人たちが出歩くこともなく、すごく静かな町になってしまっているのです。


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