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【選挙ウォッチャー】 長野県知事選2022・分析レポート。

 7月21日告示、8月7日投票で、長野県知事選が行われました。
 立候補したのは、自民・公明推薦の現職と、共産推薦の新人、会うことができれば年末イベント行きが確実だった泡沫候補の爺さんの3人。ぶっちゃけ、選挙をやる前から結果が決まっているようなものなので、まったく盛り上がっていませんし、ワクワクする要素は何一つありません。
 あまりに面白くなさそうなので、クラウドファンディングがなければ確実に赤字になっていると思いますが、「つまらない選挙」も記録しておくことが大切だということで、一応、頑張って取材してきました。

阿部 守一 61 現 自民・公明推薦
金井 忠一 72 新 共産推薦
草間 重男 72 新 無所属

 見るからにつまらない選挙ではあるのですが、唯一、この選挙には「参政党」「NHK党」のようなカルト政党が侵出してくることはありませんでしたので、極めて平和な選挙が展開されたということです。民主主義を愚弄され、心をザワザワさせられるような選挙ではなかったということです。


■ 長野県議補選・上伊那選挙区

 長野県知事選と同日、上伊那区では、かなり激しい戦いが繰り広げられていて、これはこれで面白いことになっていました。ただ、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新していることに加え、夏休みということでホテルが満室に近い状態となっていて、予算とコロナ対策を考え、今回の補欠選挙は選挙ボードの写真を撮るだけにしました。長野県は、まさかの日帰りです。

原 健児 57 新 無所属(箕輪町出身)
瀬戸 純 56 新 共産推薦(辰野町出身)

 もし共産党の候補が勝つようなことにでもなれば、近年稀に見る奇跡的な結果になるため、見届けたい気持ちではあったのですが、残念ながら、共産党が勝つことはありませんでした。
 上伊那郡は、辰野町、箕輪町、飯島町、南箕輪村、中川村、宮田村の3町3村です。それぞれの出身地の人口を見てみると、辰野町が1万8074人で、箕輪町が2万4750人。
 瀬戸純さんは、共産党でありながら地元の辰野町では大きくリードしていたと言いますが、一方の原健児さんも、地元の箕輪町で大きくリードしていたといい、その他の地域では緩やかに無所属である原健児さんの方が有利ではないかと思いますので、瀬戸純さんにとっては、やや不利な状況にあったことは間違いありません。
 政策面で見ると、原健児さんはリニア新幹線の開通が上伊那郡にとっては観光客を集める大チャンスだと主張。かなりホゲホゲしていました。一方の瀬戸純さんは、検査の拡充による新型コロナ対策、朝夕の渋滞解消策、農林業を守るための価格保障、ジェンダー平等、男女の賃金格差の解消などを掲げていましたが、共産党の主張はなかなか届きませんでした。

[当]原 健児 57 無所属 1万7729票
[当]瀬戸 純 56 共産党 1万4468票

 投票率は49.99%でした。地元の信濃毎日新聞によると、原健児さんは、知人らでつくる後援会を軸に個人的なつながりによる「草の根型」の活動を進め、無党派層や自民党支持層に浸透。瀬戸純さんは、前回選で同郡区での議席を失った共産党の支援を受けて組織戦を展開し、共産党や立憲民主党支持層の支持を集めたが、広がりを欠いたということです。


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