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【選挙ウォッチャー】 参院選2022・ガーシーに便乗したN国党による綾野剛さんやトライストーンへの業務妨害。

 参院選の公示日まで、あと3週間。各党の攻防が激しさを増す中、「得票率2%を超えなければ破産する」という、のっぴきならない状況に陥っている「NHK党」は、とうとう暴露系YouTuber「ガーシー」こと東谷義和に全財産をBETする大ギャンブルに出ました。
 一応、日本全国の各選挙区に75人の候補者を擁立したり、比例区では在特会の幹部だった西村斉や、大麻が好きな方の山本太郎(同姓同名)、陰謀論者の黒川敦彦や、堀江貴文の秘書である斉藤健一郎など、かつてないほどの珍獣博覧会ぶりを展開しながら、是が非でも得票率2%を超えようという意気込みは伝わってくるものの、やはり最大の目玉は「ガーシー」です。
 尊師・立花孝志いわく「愚民は芸能スキャンダルが大好きだ」ということで、私たち愚民どもには暴露ネタでも喰らわせておけば、NHK党に票が入ると発言しています。大切なことなので、しっかり書いておきますが、立花孝志は本当に私たち有権者のことを「愚民」と呼んでいます。


■ トライストーンでの業務妨害行為について

綾野剛さんの所属事務所の前で迷惑行為に及ぶ「NHK党」

 N国信者の男が記者をしているため、実質的なN国党の広報宣伝紙となっている「東スポ」は大事な部分を何も報じていませんが、「NHK党」が行ったトライストーン前での迷惑行為は、かなり醜悪なものだったことを皆さんにお伝えしておかなければなりません。
 まず、今回のトライストーン前での迷惑行為は、NHK党幹事長・黒川敦彦が中心となって行われました。SNSで一般の方々の参加を呼び掛けたものの、参加した聴衆は約20人ほど。N国信者の多くが「コロナはただの風邪」だと思っていることから、ノーマスクの聴衆もいて、最後には「三浦春馬は他殺だ」と訴えるオバサンまでもがマイクを握りました。

トライストーンのあるビルの中に入っていく黒川敦彦

 一連の迷惑行為を始める前に、NHK党幹事長の黒川敦彦は「挨拶」と称し、綾野剛さんの所属事務所「トライストーン」の入居するビルに侵入。数分後に帰ってきて、「受付もない鉄壁のガードだ」と言いました。
 そりゃ、今をときめく女優さんたちも多く在籍しているのだから、オマエみたいに事務所まで来てしまう犯罪者一歩手前の激烈痛い奴に備えて、ガードされているに決まってますやん! オマエみたいなヤバい奴から身を守るためやねん!

今回の迷惑行為は表向き「NHK党」であるが、「つばさの党」の宣伝活動も兼ねている

 今回の迷惑行為に、尊師・立花孝志の姿はありませんでした。
 一連のトライストーン前での迷惑行為は、計画そのものを立花孝志が知らないはずはありませんが、具体的にどんなことをするのかは、幹事長の黒川敦彦に委ねられていたとみられます。これは「NHK党」が繰り広げる反社会的な行為が、尊師・立花孝志個人から、組織で行うものに変わっていることを示しており、より危険度が高まっていると考えられます。

嬉々として迷惑行為を行う「NHK党」幹事長の黒川敦彦

 今回、芸能事務所「トライストーン」の前で迷惑な街宣活動を実施した理由は、今度の参院選に比例区(全国比例)で立候補する暴露系YouTuberのガーシー(東谷義和)が、俳優の綾野剛さんに関する暴露をしているので、その暴露話に対する釈明を求めるというものです。
 しかし、同時に「今度の参院選ではガーシーを国会に送らなければならない」とも訴えていますので、これは実質的な「選挙運動」です。もっと言うと、ここには6月5日投開票の松戸市長選に立候補しているNHK党の山本太郎も来て、マイクを握っていましたので、松戸市長選の選挙運動も兼ねていました。

6月5日の松戸市長選に立候補しているN国党の山本太郎もトライストーン前で街宣

 本当に抗議をしているというより、芸能事務所の前で大音量のマイクを使って、綾野剛さんや「トライストーン」の社長に対する、半ば名誉毀損とも言えるような内容の発言をすることで、選挙に向けたパフォーマンスをしていると考えていいのではないでしょうか。
 そもそも「ガーシー」と名乗る暴露系YouTuberの男は、韓国の人気アーティストに会わせると約束してファンからお金を騙し取った疑いで、尊師・立花孝志でさえも「日本に帰ってきたら逮捕される」と言うほどです。そんな男の暴露話をもとに、大きなマイクで「謝れ」と主張していますが、自分たちの政党から立候補予定の男の「詐欺」という罪については棚に上げたままなのです。それで他人には一方的に謝罪を要求しているのですから、頭がおかしい以外のナニモノでもありません。

マイクを握るN国党の中野区議・竹村明広(写真左)と目黒区議・川端慎二(写真右)

 そして、今では自他ともに認める「反社会的カルト集団」となった「NHK党」なので、尊師・立花孝志の教えに倣い、中野区議の竹村明広、目黒区議の川端慎二もマイクを握り、何の疑いもなく「トライストーン」の前で大音量の迷惑街宣を展開しました。

「トライストーンが倒産するまで戦う」と宣言した国政政党の幹事長・黒川敦彦(引用元リンク

 しかし、何度も言いますが、「NHK党」『国政政党』です。頭のイカれた弱小政治団体ではなく、国会に議席を持つ権力者です。その権力者が民間企業や民間人に対し、「ケンカを売ってきたから」という理由で「倒産するまで戦う」と宣言しているのですから、これは民主主義の破壊につながる危険な行動です。このようなカルト政党を野放しにしていては、最後は日本が破壊されてしまうということを、多くの方に伝えたいと思います。


■ NHK党による脅迫行為、反省もなく再び

 尊師・立花孝志は、かつてN国党に在籍した中央区議・二瓶文徳に対する脅迫を含む、複数の罪で「懲役2年6ヶ月・執行猶予4年」という判決を喰らっています。「脅迫罪」の成立は難しく、仮に「ぶっ飛ばすぞ」みたいなことを言ったとしても、その発言をもって、すぐさま脅迫罪に問われるかと言われると微妙なところです。
 しかし、なぜ「脅迫罪」に問われたのかと言ったら、それは尊師・立花孝志が「家族や恋人も知っている」と、本人ではない第三者にも危害を与えるかのような発言をして脅迫をしたからでした。
 実は今回、大音量のマイクで「ガーシー」を名乗る暴露系YouTuberの音声を流したのですが、まるでヤクザのようにまくし立てる強烈な関西弁のメッセージの中に「脅迫にあたるのではないか」と考えられる部分がありましたので、しっかり証拠を残しています。

「トライストーンの又一朗、いい加減、頭下げてこいや、こら、ほんま。70超えたオッサンがタレントのシノギかすめとって、馬買いまくって、今度はソニーに売却か。トライストーン、おぉ、こら。裏でわけわからんことばかりしてやがって、おまえ、こら。ソニーはまともな会社じゃないと絶対に買わへんぞ、おまえの会社」

 ひとまず、東谷義和の要求は「頭を下げること」です。自分たちがこれだけの迷惑行為を繰り広げておきながら、一方的に「頭を下げろ」と要求していること自体が異常ですが、綾野剛さんやトライストーンに対し、以下のように述べています。

「俺に来い、来るんやったら。おまえも、文春も、トライストーンも、剛も、又一朗も、俺に来い。剛、おまえが脅迫で締め付けているA氏もそうや。俺の後輩な。[中略]おい、トライストーン、おまえもホンマに沈むぞ、このまま行ったら綾野剛と一緒に。週刊誌やマスコミが忖度し続けるのには絶対限界が来るからな、どっかで。TBSが俺に取材してきたのと一緒や。どっかで絶対に、絶対に限界値が来るから。それを早めるために俺は選挙に出ようと考えたんや。今の芸能界をクリーンにするためにやらんといかんこと、いっぱいあんねん。韓国の芸能界がクリーンやとは言わん。でもな、エンターテイメントに国がちゃんと支援しとんねん。俺はそれが間違った方向でも、おかしな方向でも絶対に芸能界は綺麗になると思ってるから。それを公約に掲げてでも出たろっていう考えがあるわ、頭の中に。トライストーン、山本又一朗、綾野剛、A。なんぼでも来い。A、次、何かあったらおまえの名前晒すからな。おまえ、家族も子供もいるの、忘れるなよ

 この音声メッセージは、綾野剛さんや「トライストーン」の山本又一朗さんに対して発せられたものですが、綾野剛さんや山本又一朗さんが謝らないのであれば、「A」という人物に対し、今度は名前を晒し、家族や子どもにも悪影響を及ぼすことを宣言しています。
 このメッセージを流したのは、N国党の幹事長である黒川敦彦ですが、黒川敦彦に「メッセージを流す前に、メッセージの内容を確認したのか」を確認したところ、「確認した」とのことでした。そうなってくると、これは国政政党が企業の社長や所属タレントに対し、組織的に行っている脅迫行為ではないでしょうか。


■ 小さな正義を振りかざす迷惑な人たち

 N国信者たちは、なぜ自分たちの悪行に気づかないのか。
 なんとなくしか僕のことを知らない新参者のN国信者で、今度の参院選に愛媛県選挙区から立候補する吉原弘訓にTwitterで質問しました。吉原弘訓は元陸上自衛隊員で、一昨年3月まで回転ずしチェーンの店長や副店長を務めていたとされる36歳です。答えは、こうでした。

選挙に勝ってNHK受信料に困っている人を助けるためなら応援できる(引用元リンク

 NHKの受信料問題で困っている人を助けるためには、まずは選挙に勝たなければならない。批判されるかもしれないが、選挙に勝ちたいのだから仕方がない。NHKの受信料問題で困っている人は弱者だが、トライストーンや綾野剛さんは自分たちで立て直しできる能力があるのだから、こうした迷惑行為も許されるというロジックです。
 頭が悪すぎて反論する気も失せるレベルですが、こういう人たちがN国党を応援し、こうした反社会的な活動を支え、一員となっているのです。
 ちなみに、これまで何度も何度も言っていますが、NHKの受信料は「テレビがなければ払わなくていい」という性質のものです。いまやインターネットで見られるコンテンツは溢れており、テレビを捨ててさえしまえば1円も払わなくて済むようになります。いまや若い人たちの多くはテレビを見ていません。そもそも「テレビは見るけど、受信料は払わない」という人たちは弱者なのでしょうか。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 いまや反社会的カルト政党「NHK党」を、まともに取材しているのは僕だけになってしまいました。というのも、この政党を取材すると、顔や住所などの個人情報を晒され、大量のパンフレットが届くようになったり、大量の裁判を仕掛けられたりするので、報じるたびに大赤字になったり、身の危険を感じるようになったりするからです。
 しかも、今年4月の「ニコニコ超会議」で、N国版・尊師マーチ「ぶっこわすのうた」を披露した際、幹事長の黒川敦彦と、堀江貴文の秘書で今度の参院選に立候補する斉藤健一郎は「オウム真理教をベンチマークした」と発言。なんと、目指しているところが「自民党」「日本維新の会」といった政党ではなく、「オウム真理教」だったことが明らかになったのです。

N国党幹事長の黒川敦彦の隣で笑う「つばさの党」幹事長の根本良輔

 N国党の「オウム化」は、まさに黒川敦彦が加わったことで拍車がかかったと言えます。今回の街宣も、「つばさの党」は代表、幹事長、事務局長が勢揃いしていて、幹事長の根本良輔はマイクまで握り、面識のない綾野剛さんや山本又一朗社長に謎の抗議をしていました。
 これまで尊師・立花孝志が個人的なパフォーマンスとしてやってきたことを、現在は幹事長の黒川敦彦が「つばさの党」も使って、自主的に動くようになってしまったというわけです。

 残念ながら、「つばさの党」「NHK党」のセカンドブランドで、「ユダヤマネーをぶっ壊す」という陰謀論を掲げたカルト政治団体であることがほとんど知られていないため、5月22日の野田市議選では、庄司真生というカルト党員が上位当選してしまいました。
 なので、仮に今度の参院選で「N国党」が潰れたとしても、今度は「つばさの党」が引き継いで、反社会的な行為を繰り返していく可能性があり、小さな正義があれば何でも許されると考える人がいる限り、根絶するのは難しい状況にあります。だから、僕たちはまず「NHK党」「つばさの党」には投票しないということを心がけるしかありません。

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