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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#278)。

 5月30日、本当は熱心なN国信者なのに、あえて「無所属」として届け出て千歳市議選に立候補した中川孝之が最下位で落選した。当落のボーダーラインは883票だったが、中川孝之は277票しか獲得できず、まったく通用しなかったと言ってもいい。

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 6月20日の魚沼市議選が定数20に対し、説明会に参加したのが23陣営だったというので、こちらが少しだけ怪しいが、それ以外の選挙では、東京都議選も含め、まず通用しないと見ていい。なので、政治が反社会的カルト集団に蹂躙されるリスクは取り除けたと評価できるが、立花孝志に刺激を受けたバカが次から次へと立候補してくる状態はしばらく続きそうである。


■ 「つばさの党」からナスが立候補してくる

 かつては、医者や弁護士といった社会的にエリートとみなされる人しか立候補させないと豪語していた立花孝志であるが、衆院選の準備資金という名目で約5億円を借金しておきながら、300万円~600万円の供託金を自腹で用意してくれれば基本的に公認を与えるといい、ゆたぼんのパパ、元コカイン常習者を自称する全身タトゥーの男、黒川敦彦など、かなり濃ゆいメンバーが立候補の準備を進めている。
 そんな中、6月5日にも「N国党の諸派党構想」に乗っかることを宣言している「つばさの党(旧・オリーブの木)」が、今度の東京都議選で葛飾区から立候補する候補者がいて、そいつが衆院選にも挑戦したいと言っているので、N国党の公認が欲しいと連れてきた奴が「ナス」だった。

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 これは立花孝志が発信している「古い党」の定例記者会見のYouTubeのスクリーンキャプチャーだが、想像以上に「ナス」である。
 これの一番スゴいところは、誰もツッコむ人もいなければ、笑う人もいないことである。言うてもN国党は、これでも一応、「国政政党」である。その公認が欲しいとやって来た奴が、挨拶もなしに、履歴書を持参するでもなく、いきなり「ナス」で現れ、どうして「ナス」なのかを説明することもなく、記者会見の壇上に座り、集まっている記者たちに自己紹介しているのである。
 普通に考えていただきたいのだが、コンビニのバイトですら、「ナス」で現れる奴なんざ採用されるはずがない。ごくごく一般的な常識さえ持ち合わせていない人間が、コンビニのレジなどという高度な接客をできるはずがない。そして、コンビニのレジにすら入れない人間が、もし国会議員なんかになった日には、それこそ日本は終わりである。このコントのような光景を生み出しながら、黒川敦彦は立花孝志に真顔で交渉し、受けた立花孝志もまた笑いもせず、「政見放送がなくてもいいなら公認する」と答えているのである。端的に言って、こいつらは完全に狂っている。


■ 「つばさの党」は、第2の国民主権党になる

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 東京都知事選や千葉県知事選で、「コロナはただの風邪」と言い続けて話題を集めてきた「国民主権党」の平塚正幸。最近は、ワクチンが保管されている超低温冷蔵庫のプラグを抜こうと呼びかけるなど、相変わらず迷惑な言動を繰り返していて、このままだとワクチンではなく、平塚正幸のTwitterが凍結されるのではないかと思うのだが、実は今、これに黒川敦彦率いる「つばさの党」が加わろうとしている。

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 というのも、現在、黒川敦彦がやっていることは、タチの悪い情報商材に似ていて、「YouTubeで本当のことを言うとBANされてしまうので、自前のサーバーで展開しているホームページで個人情報を教えてくれた人だけにこっそり教えるシステム」になっている。
 そして、そこで教えていることは「ワクチンは危険」だというアホアホ陰謀論である。平塚正幸も千葉県知事選の選挙カーに「ワクチンは危険」と書いていたが、似たような陰謀論を振りまき、票とお金を集めようという作戦のようである。

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 実は、東京都議選に立候補しようとしている「ナス」の男も、YouTubeで黒川敦彦と対談していて、黒川敦彦の陰謀論を信じ、「緊急事態発生、見ないと死ぬよ」というタイトルの動画をアップし、以下のようなコメントをしている。

「最近、その黒川さんが、ワクチンについての重大な情報を手に入れたということで、それについてのお話なんですけど、けっこうその黒川さんの動画を僕ずっと見てたりとか、最近はやっぱりその選挙活動していく中で、けっこう密にコミュニケーション取ったりとか、YouTubeの動画には全然載ってないような情報をね、日々こうメッセンジャーとかでやりとりしているんですが、その中で黒川さんが個人的に知っている武漢研究所のコロナウイルスが出てきたって言われている武漢市、中国の武漢市のウイルス研究所に関係のある研究者の方と黒川さんがつながって、その彼が言った情報を共有したいのは山々なんですけど、どうもその最近のSNSとかYouTubeとか見ている限りだと、確実にBANされてしまう内容だということなので、言えないんですね。で、まずそのワクチンについては、各々皆さんちゃんと調べてみてください。ネットでいろいろ出てきます。調べてくださいとしか言えないんですよ。まあ、ここでは言えないというだけで、言える環境を作りましたっていう趣旨なんですね、この動画の。えー、黒川さんが言えるプラットフォーム。Twitterとか既存のSNSだとバンバン言論統制というか、そういう言葉を言うとBANされるみたいなことが頻発していますから、新しいプラットフォームを作りましたということで、それが概要欄に貼っておりますので、そこに飛んでみてください」

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 この「ナス」の男は、中星一番といい、「東大卒」「ナンパ師」「元AV男優」という肩書きを持つ男だという。キャッチフレーズは「AV見るな、恋愛しろ!」で、ナンパの極意を記したnoteの記事は、月商で3000万円以上売れていたという。これは1本5万円のレポートが月に600本売れている計算であり、100円のレポートですら30本売るのに苦労しているnoteの世界で、5万円のレポートがコンスタントに600本売れるというのは驚き以外のナニモノでもない。本人いわく億単位の収入があるそうなのだが、そんな人が年収にしてたかだか1000万円ちょっとの葛飾区議になりたがる意味は全然わからない。よほど政治に強い関心があり、年収を10分の1に減らしても政治家になりたいというなら話は分かるが、黒川敦彦に影響されて選挙に出る程度の理由で、果たして、年収を10分の1に減らす奴がいるだろうか。あるいは、わざわざ少ない収入を得るために、余計な仕事を増やすだろうか。
 世の中にはナスを被る男を「楽しい」と感じる独特のセンスをお持ちの女性もいるのだろうし、何度断られてもヘコたれない強いメンタルさえ持っていれば、どんなブサイクな男でも1回ぐらいはナンパに成功するだろう。ナンパまで嘘だと言うつもりはないが、ちょいちょい垣間見える怪しさは簡単に拭えるものではない。
 そもそも黒川敦彦という人間は、立花孝志を「天才」と言ってしまうぐらいには情弱である。そんな情弱が、武漢のウイルス研究所で働く研究者とつながって情報を得ることができるだろうか。黒川敦彦に中国語ができるイメージはまったくないし、高度な科学的知識があるとも思えない。mRNAワクチンの原理さえ理解できていないだろうし、何で構成されているのかも知らないことだろう。なにしろ、記者会見の場で黒川敦彦は不織布マスクをしているのに、隣のナス男はマウスシールドである。高度でなくとも、多少の科学的な知識があれば、マウスシールドは絶対に止めるだろうし、少なくとも「KF94マスク」「KN95マスク」を着けていることだろう。要するに、黒川敦彦は情弱な上にアホである。そんな男が繰り広げる「ワクチンの真相」というのが、どこまで信憑性のあるものなのかは、かなり怪しいものがある。


■ 黒川敦彦に個人情報を渡すべきではない

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 黒川敦彦が握っているという極秘情報は、個人情報を入力して送信しなければ送られてこない仕組みになっている。しかし、もし本当に一人でも多くの人に伝えたいと思っているのであれば、わざわざユーザーが個人情報を入力しなくても、自前のサーバーで展開しているホームページに直接書けばいいのである。こんなクソページを作っている暇があったら、黒川敦彦が握っているという情報をここで無料公開すれば全部マルッと解決するのである。
 この記事をご覧いただければお分かりいただけると思うが、私ですら、なるべく多くの方に知っていただきたい話があれば、採算度外視で無料公開しているぐらいである。もっとも、地方に2議席を持つ「つばさの党」という政治団体が最高にカルトだという話は、noteやSNSに書いてもBANされないので、わざわざ自前のサーバーを用意しなくても書ける話であるが、知ってほしい情報は誰でも無料で簡単にアクセスできるようにしなければ、読んでもらえるものも読んでもらえない。つまり、彼らは最初から「一人でも多くの人に情報を届けたい」なんて思っちゃいないのである。


■ N国信者は『カモ』である

 うだつの上がらない人生を過ごしてきたN国信者にとって、「NHKから国民を守る党」というのは、人生の一発逆転を可能にしてくれる夢のような場所だった。社会に馴染めず、仕事もできず、もらえる賃金は生活するのにギリギリで、貯金もできず、彼女もいない。そんな人生が、地方議員になれば、あっという間に変わり、みんなから「先生」と呼ばれ、年収にして1000万円を超える。N国党は、夢に溢れているのである。
 しかし、こうした生活に憧れ、N国党に集まってくる社会的にイケてない人たちは、時として「情報商材」のカモになる。「モテる」とか「お金持ちになれる」と言われ、うっかり高額のお金を支払い、これまで通りのイケてない人生を過ごし続けるのだ。
 これまでにも堀江貴文や鴨頭嘉人といった人たちが「お金持ちになって豊かな人生を過ごすための秘訣」を教えてくれるようなサロンや講演会に誘ってくれた。しかし、ついに「女にモテる方法」を伝授してくれる人が現れたのである。
 考えてもみていただきたい。きょうび、この時代にN国信者になっているようなアホが、女にモテるだろうか。ナスの恰好をした奴に「AVなんか見るな!」なんて言われて、脳味噌が「アハッ!」となって、もしかしたらAVを見なくても、好きな女とセックス三昧できるかもしれないと思ってしまうレベルのアホが、女にモテるはずがない。どこぞのN国信者が、ナスの男のように、ブサイクなツラを引っ提げて駅前に立ち、女の子を見つけてはキョドりながら声をかけても、ただの迷惑でしかないのである。
 もし、うだつの上がらない人生をどうにかしたいと思うのであれば、まずはN国信者からとっとと足を洗い、本当に自分がやりたいと思えることを見つけるべきである。素振りもしないでプロ野球選手になる奴は1人もいないのだし、人間的な魅力を高めるでもなく女にモテようなんて、おこがましいにも程がある。しょせん、コツコツとした努力なくして成功なんてあり得ないのである。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 そもそも「オリーブの木」という政党は、減税日本や国民怒りの声などを立ち上げた元衆議院議員の小林興起さんが代表で、元レバノン大使で「新党憲法9条」の発起人である天木直人さんが副代表をしていた。ところが、小林興起さんも天木直人さんほか、この構想を魅力として参加した人々が全員離党し、なぜか黒川敦彦が代表を務める政党に成り下がってしまった。それからの末路はご覧の通りである。
 もともと「NHKから国民を守る党」は、NHKの受信料問題に取り組むことをワンイシューとして立ち上がった政党である。お金のために「諸派党構想」を立ち上げた結果、黒川敦彦のような陰謀論者がやってきて、ナスをかぶった情報商材屋みたいな男が国の公認候補として擁立し、新宿の大街宣を企画し、NHK問題とは大きくかけ離れたことを始めるのだ。そうなれば党員や支持者もどんどん離れていきかねない。
 まさに、黒川敦彦という人間は「死神」みたいなものである。
 いよいよ立花孝志の枕元に黒川敦彦が立ち始めたので、この政党の寿命もそう長くはないのだろうと見ている。これから先は静かに成仏してもらうことを祈るばかりである。南無妙法蓮華経!

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