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ちょっとそこのお兄さん、私の友達について聞いてくれませんか?




こんばんは


みなさんはカザフスタンという国を知っていますか?
私はバレンシアに来るまで知りませんでした。
世の中には、まだまだ知らないことが多いですね。Demiです


カザフスタンという国は、中央アジアに位置する内陸国で、北にロシア、東に中国に接しており、世界九位の国土面積を持つ国と同時に世界で最も広い内陸国です。なぜ私がこんなにも詳しいかというと、アディレット 通称アディル(AD)というカザフスタン人の友達がいます。



今日はそんな私の友人、アディルについて書きたいと思います。


人の入れ替わりの激しい語学学校の中で、現在も尚、仲良くしている唯一の友達アディル。彼は高校の卒業と同じタイミングでバレンシアにきました。そんな彼とは、ほぼ同じタイミングでバレンシアに来て、クラスも一緒で大のアニメ好きだということもあり、直ぐに仲良くなりました。そんな可愛いアディルですが、彼を初めて見た時の衝撃はいまだに忘れられません。


ある日、いつも通りクラスに行き、授業を受けていると、15分ほど遅れて彼はやってきました。しかも手ぶらで。「何しにきてん」と全クラスメイトがツッコミたくなりましたが、先生が、「カバンは忘れたの?」と聞いてくれました。しかし彼はニコニコするだけで何も答えません。少し変わった子だなと思っていると、クラスメイトのロシア人のおばちゃんがロシア語で先生の言ったことを訳してアディルに伝えました(カザフスタンの公用語はロシア語とカザフ語)。すると流暢なロシア語で答え、それをまたおばちゃんがスペイン語に訳してくれました。要約すると、彼は昨日バレンシアに着き、まだノートもペンも持っていないと。ね、凄いでしょアディル、なかなかぶっ飛んでいますよね。そうです、彼は語学を勉強しに来たのに、ペンもノートも持ってきていませんでした。そんな何をしにクラスに来たか分からない、終始笑顔を振りまいている彼をじっと見ていると、自然と彼のことを知りたい、話したい思いました。すると数日後、課外学習があり、声をかけるチャンスが訪れました。しかし、互いにスペイン語も話せなければ、英語も話せず、コミュニケーションの取りようがありませんでしたが、翻訳アプリで互いに会話を楽しみました(本当に便利な世の中ですね)。それからというもの、彼から「日本のことについて教えて欲しい」「このアニメは知ってるか?」などと頻繁にやり取りをすることで、すぐに打ち解けることができ、現在まで仲良くさせてもらっています。




そんなアディルはいつも私を驚かしてくれます。


溶けるような暑さに終わりを告げ、夜風が気持ちよくなってきた11月頃、私は夜、ランニングをするのが日課になっていました。ある日、一人で走るのもつまらなかったので、アディルに連絡をし、約束をして集合場所で待っていました。すると前方からジャケットを身につけ、ジーパンにスリッパといった、まるで近くのコンビニにでも行くかのような格好で彼はやってきました。

私「それで走るの?」
AD「そうだよ」
私「靴どうしたの?」
AD「汚れたから洗ってるんだ」
私「なら別の日でも良かったのに」
AD「でも今日走りたかったんでしょ?だから来たんだよ。スリッパでも走れるよ」


そんな彼の優しさに心を奪われながらもランニングを楽しみました。しかし、走り出して直ぐ、やっぱり足が痛くなってきたから歩こうと言われたのは言うまでもありません。


バレンシアに住み1年が経った今、お互いに少しは話せるようになりました。
最近はアニメの話で盛り上がったりと、楽しくコミュニケーションを図ることができ、会話ができる”楽しさ”を感じています。彼とは言葉が通じない辛さを共有できた数少ない友人で、そんな友人ほど大切にしないといけないと思っています。




そんなアディルを皆様にも⤵️⤵️⤵️


ビーチ with AD


P.S. 天気がいいので何気ない写真でも映えますね。



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