他者の失敗に自己責任と言う私の心理

書き終わってから、なんだか凄く格好悪いこと言ってるなと思いましたが、自分の気持ちを見つめ直すため書き置き…

■自己責任論という建前?

※前半は長々と嫉妬心の建前を挙げています。

20代後半の頃。

不況で事業が失敗した人を公費で救う話を聞くと納得いかなかった。
なぜならば彼らは保証が少ない選択を自ら選択してきたからである。

その事業が社会性があるものならば同情し、むしろ援助だって惜しまない。自分たちが少ない給料から徴収された税金を使われるのも本望だ。

しかし利益追従が目的での事業者の失敗。
これはハイリスク・ハイリターンを承知で選んだのである。

その失敗を給付金などの公費でどうにかしようというのは甘えだと思う。
その公費は、あなた達が社畜だと馬鹿にした会社員の月々の税金が大部分使われているからだ。

会社員は終身雇用制度崩壊が叫ばれる中、就職氷河期や会社員の社会保障制度、企業分析とその中でも自分の夢を叶える道、万が一にも家族を支えるなど、沢山の情報を集めてリターンとリスクを天秤にかけた上で、(起業に比べて)リターンは小さいが安定を選んだのである。

子供の頃に自営業で貧困だった私は特にそういう思考があった。

幼い頃に周りの友達が新作のゲームで遊んでたり、会費や準備日が必要な部活に入っている中、貧困な私は1人だけ話題に入れない自分を思い出しながら貧困の連鎖を断ち切るために企業勤めを選択してきたのである。

そういった分析やリスク管理を怠り、真面目に働く会社員を社畜呼ばわりして下積みもせず安易に資本主義に走った結果の失敗を、のうのうと公費で免れるのは許せない。

国の保証制度は権利なのでそれを活用することに口出しはしない。
再起不能なまでダメージを受けるべきとは言わないが、それでも起業した以上は最悪の事態を覚悟しておくべきで無いか?

・・・というのが建前(?)であった。

■本当の気持ち:凄い嫉妬!

本当は悔しかった。

事業が成功しようが失敗しようが、自分のやりたいことをお金の心配を顧みず挑戦し続ける人がカッコよく、すごく羨んでいた。

自分が生活困窮の時には援助する制度が少なかったり、敷居が高く受理されない。

本来ならば事業が失敗した生活困窮者の経験談を活かし、同じ目に会った人の目線に立ち、同じ境遇をした人を応援するべきなのに。

いつから人の成功を妬み、出る杭を打つような考えになってしまったのか。

■自分は耐えた。アナタも耐えろ

例えるなら

自分はイジメに長年耐えてきた。あるいは自らの力で乗り越えた。
だから皆もそうあるべきで、安易に周りに救いを求める子を甘えだと思ってしまう。

しかし、それではよくないはずだ。

本来なら同じ苦行を経験した子の気持ちを汲み取るべきである。
逆に助けを求めにくくしてどうなるというのか。

だが、自分は理不尽で不利益な状況を長年耐えてきた、自分の時は助けてもらえなかった、その頑張りは誰からも褒められず評価もされず、また報われることもなかった。

この負の感情が邪魔をして、社会的弱者を思いやる感情を妨げてしまう。

人の痛みを知れば優しくなれるはずが、逆に他者へも求める人間性になってしまった。

溝に落ちた犬をさらに棒で叩いてしまう。

そして、こうした自分の中の本当の嫉妬心に触れられたく無いために最初に挙げたような理由を他人へ言ってしまっていた。

この気持ちに素直に向き合え、友達に素直に話せるまでに随分長い時間を要したと思う。

ちなみに、思春期や青年期に困難を昇華して成長した人たちは他者の失敗に対して純粋に手を差し伸べるような人間形成になるのだろうか?

■コロナ不況に対する心象

お金があれば幸せとは限らないが、不安への対処になるとはまさにその通りで、自分に収入の安定が見込めるようになると嫉妬や怒りは嘘のように感じなくなった。

最近はコロナ不況で事業の見通しが効かず、倒産する話をよく耳にする。
日本経済の支え手である中小零細やベンチャー、個人事業主が保証を受けられず廃業すると残念に思ってしまう。

きっと彼らは起業時には先の見えない真っ暗なトンネルの中を長らく歩み、ある日ようやく経営が安定し報われる日がきたのだ。

そしてそれらの事業は回り回って我々にも恩恵を受けていたはずだ。(明らかな悪徳商売は別として…)

地方の小さな飲食店が地域の要介護者や家庭の食を支えていたが、特例貸付申請の受理まで未だに時間がかかり間に合わなくなる話を聞くと腑に落ちない。

それをウィルスの流行という不可抗力が原因で倒産し、さらに世間からは自己責任という2重の仕打ちを受ける。

■そろそろ私が言われる番がくるかも

さて、私はコロナ不況でもWEB開発という特色のおかげでなんとか仕事はある。これは本当にありがたい。

しかしこの先上手くいかなくなった場合。
きっと私も自己責任論をぶつけられる対象になるだろう。

国内で長年頑張ってきた企業や行政機関に一生懸命務めていた人が不況で職を失った人に「自己責任」はあんまりだと思う。

しかしWEB業界は元々欧米色もあり、国内でも一昔前からジョブ型雇用や個人のスキルと言われ続け、某大手のIT企業でもリストラが起きていた。

IT業界は十数年前から騒がれていたので、これこそ自己責任の的にされるであろう。

■まとめ

特例貸付、もっと早く届けてあげて欲しいな(;´・ω・)

ところで、今後は会社員一本のほうがハイリスクですよね…


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