見出し画像

自身に矢印を向ける――田中繁男

2020年末に第1弾が発売されて以来、
いまも連日、読者の皆様から感動の声が寄せられている
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズ。

わずか1ページの分量でありながら、
一つひとつのお話には、
胸が熱くなる感動が詰まっています。

全部で730あるお話の中で、
皆さまの心に最も深く残ったのは、どのお話だったでしょうか?

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズの中から、
特に心に残った記事と、その感想をシェアしていきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「読めば心が熱くなる教科書二部作スペシャルBOXセット」
2023年1月31日まで10%オフで販売中! 詳細は写真をクリック

「読めば心が熱くなる教科書二部作スペシャルBOXセット」

――――――――――――――――――――――
それで、あなたは何をしましたか
田中繁男 実践人の家副理事長
――――――――――――――――――――――

学校に来ない生徒には、
自宅まで先生に迎えに行ってもらいました。
そのためには朝の1時限が
自習になることもしばしばでした。

教室の窓ガラスは割られ、
3、4階の教室からは牛乳びんが投げ落とされる。
校庭には、刃を広げた凶器にもなりかねない握りバサミが置いてある……。

そんな学校も一年余りで落ち着いてきました。

この話を、森信三先生が神戸でやっておられた読書会で報告しました。
すると、こう言われました。

「田中さん、それが現代の宗教です。
あなたがやっているように、反抗する子どもの心の底にあるものを探り当て、
相手のしてほしいことをする。
これが現代の宗教なのです。あなたのやっていることは宗教です」
 
別のある時、出席者に教育現場の現状報告を求められたことがありました。
校内暴力が絶えないことを嘆く教師に対して、森先生が尋ねられるのです。

「それで、あなたは何をしましたか」

その人が答えられないでいると、先生は突然大きな声で、
「現在の学校が困難な状況にあることは、私も知っています。
だから、その中でいまあなたが何をしているか、それを知りたいのです。
例えば、満員の講堂が停電になったとします。
しかし、五燭の電灯一つ、あるいはロウソク一本があれば、
大きな騒ぎにもならず、無事退場できるのです。
あなたには、その一本のロウソクになろうとする気持ちがないのですか」

普段は柔和な先生の、すさまじい気迫でした。

家庭にご不幸があり、先生が「尼崎」で独居自炊を始められてから、
毎週日曜日に読書会をもっていただきました。

得がたい機会でしたから、私は一度も欠席したことはありません。
ただし、「あなたはこの1週間何をしましたか」と、
まず最初に質問を受けるのは私でしたから、とても緊張したものです。

だからこそ、「教育とは何をしたかである」というのは、骨身にしみる言葉でした。

先生が90歳を超えられて歩行困難で外出できなくなられてからは、
先生のご希望で私と2人だけの読書会をもつことになりました。

私は月2回、先生のお宅をお訪ねしていましたが、
1年ほどたった時、「この本のことはだいたい分かりました。
読書会もこのあたりでおしまいにしましょう」と申されたのです。

うかつでした。先生は読書会で、もはや椅子に長く座ることが苦痛になっておられたのです。
先生が寝たきりの状態になられたのは、その直後でした。

私の家に「清虔」という二文字の色紙があります。

私の定年退職を記念して、先生が不自由な右手で書いてくださった色紙ですが、
思えば先生は、生涯にわたって清虔な生き方を貫かれた人でありました。

……………………………………………………
1日1話、私のイチオシ

致知出版社 致知編集部 小西佳奈
……………………………………………………

校内暴力が絶えないことを嘆く教師に、
森先生は「それで、あなたは何をしましたか」と尋ねられたといいます。

「現在の学校が困難な状況にあることは、私も知っています。
だから、その中でいまあなたが何をしているか、それを知りたいのです。
例えば、満員の講堂が停電になったとします。
しかし、五燭の電灯一つ、あるいはロウソク一本があれば、大きな騒ぎにもならず、無事退場できるのです。
あなたには、その一本のロウソクになろうとする気持ちがないのですか」

この言葉はそのまま仕事にも通じると感じました。

目標が達成できない、こんな不利な状況がある。
そうして言い訳で自分を納得させてしまいそうな時、
「それで、私は何をしたのか?」そう自らに矢印を向けることが
必要だと教えていただきました。

この森信三先生の問いを自分に突き付け、
仕事に誠意をもって勤めていきたいと思います。

◆募集内容

 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』もしくは、
 『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』の中から、
  最も強く心に響いたお話と、その理由(250字程度)を
  下記の投稿フォームよりお送りください。

◆投稿に当たっての注意事項

 お送りいただいた内容は、
 弊社から配信しているメールマガジンやSNS、
 月刊『致知』誌面などで紹介させていただくことがございます。
 フォーム上で、掲載可、匿名なら掲載可、掲載不可を選択ください。
 ※感想をお寄せくださるだけでも結構です。

◆応募特典

ご投稿いただいた方全員に、
「読めば心が熱くなる1週間の言葉カレンダー」
(PDFダウンロード形式/非売品)を
プレゼントさせていただきます。

【応募フォームはこちら】

「読めば心が熱くなる教科書二部作スペシャルBOXセット」の
ご購入はこちら

―――――――――――――――――――――――
シリーズ累計39万部のベストセラーとなっている
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』
は、人間学を学ぶ月刊誌『致知』から誕生しました。

『致知』は1978年に創刊され、
以来、「いつの時代でも仕事にも人生にも
真剣に取り組んでいる人はいる。
そういう人たちの心の糧になる雑誌を創ろう」
を創刊理念に、一流のプロフェッショナルの
生身の体験を伝え続けてきました。

書店では手に入らない定期購読誌でありながら、
44年間、口コミで増え続け、11万人に購読されています。

【『致知』の詳細は表紙をクリック】

『致知』2023年2月号特集「遂げずばやまじ」には柔道家・阿部詩選手が登場します。