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一隅を照らす――山田惠諦

2020年末に第1弾が発売されて以来、
いまも連日、読者の皆様から感動の声が寄せられている
「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズ。

わずか1ページの分量でありながら、
一つひとつのお話には、
胸が熱くなる感動が詰まっています。

全部で730あるお話の中で、
皆さまの心に最も深く残ったのは、
どのお話だったでしょうか?

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の教科書」シリーズの中から、
特に心に残った記事と、その感想をシェアしていきます。

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一隅を照らすとは、仕事に全力を注ぐこと
山田惠諦 比叡山天台座主
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伝教大師は、
「どのように愚かな人でも、
12年間、同じ仕事に熱中すれば、
必ず他の人のまねのできない力を
発揮するようになる」と
お経に説かれてあるのを見て、
比叡山に学校を開かれました。

そして、その特性を大別すると、
三つあると申されています。

「国宝とは何物ぞ、
宝とは道心なり。
道心有るの人を名づけて国宝と為す。
故に古人の言く、
径寸十枚是れ国宝に非ず、
一隅を照らす此れ則ち国宝なりと。

古哲又言く、
能く言いて行うこと能わざるは国の師なり。
能く行いて言うこと能わざるは国の用なり。
能く行い能く言うは国の宝なり」。

すなわち、言うこともできれば
行うこともできる人は国の宝であり、
言うことは上手であるが、
行いのできない人は国の師匠だと。
行いのほうは立派であるが、
言葉のほうが上手でない人は
国の働きだと、
これらの三人は
すべての人が尊敬しなければならない
とおっしゃっているわけです。

「一隅を照らす」ということは、
結局、自分の仕事に
全力を注ぎなさいということです。

自分の持てる力のすべてを
任務の上に遂行しなさいということです。

職業に貴賤はありません。

ですから、一人ひとりが、
それぞれの持ち場で
仕事を天職としてしっかりやることです。

企業における上司と部下、
家庭における親子の関係、
すべてにおいて一隅を照らすことを
自分の使命と考えることが
人間としての基本です。

その一隅を照らすことを
使命とすると同時に、
その仕事をするにおいては
忘己利他でなければならない。

自己の利益を顧みず、
他のために全力を尽くせば、
誰でも「あの人は立派な人や」
ということになる。

たとえ口には出さんでも、
皆、感謝の念を持って
後から付いていこうとするでしょう。

かがみになることです。

人の心の光になれということです。

平櫛田中(彫刻家)さんは、
「わしがやらねば、だれがやる。
今やらねばいつできる。
50、60、洟垂れ小僧、70、80、花盛り、
90でお迎え聞こえません」と言って、
まだ作品を作り続けられたといいます。

こういう気概でなければ
長生きしている意味がない
と思うんですね。

一番大切なことは、
肉体を生きることではなくて、
仕事に生きることでなければならんと思うんだ。

生きるということは
産むということだから、
女性が子供を生む。

男は仕事を生み落とすよりほかに方法がない。

その仕事というのは千差万別やが、
できれば後世の人のためになるものを残したい。

形や物は残せなくても、
仕事の仕振りは残せるはずや。

姿で示すことが大切ですね。

また、お金は一銭も残らんでも、
立派な子供を育て上げれば、
立派な仕事をしたことになる。

それが人間の生きがいなのやね。

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1日1話、私のイチオシ

春田一真さん
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最澄の「一隅を照らす此れ則ち国宝なり」の教えは有名で、
自分の仕事に全力を注ぐことは、
「国の宝」であり尊いと説く。

言葉だけでなく
行動も伴う人が「国の宝」だが、
それだけでなく、
言葉だけでも「国の師」、
行動だけでも「国の働き」と、
いずれも尊敬に値する。

たとえ言葉を伝えるだけとなったとしても、
「師」という役割と捉え、
一所懸命に全力を注ぐことが
「一隅を照らす」ことなのである。

行動が伴わず、
苦しいと感じたときにも、
長い人生の中で
これも一つの役割と捉えれば救われる。

その時は、言葉を伝えることに
全力を尽くそうと思う。

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「1日1話、私のイチオシ」応募概要
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