関ジャニ∞村上信五氏が語る「ジャニー喜多川さんの褒め方・叱り方」
30万部を超えるベストセラーとなり、「読書が選ぶビジネス書グランプリ2022」の総合グランプリにも輝いた『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』。
その第2弾として刊行された『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』。
1日1ページで読み切れるコンセプトはそのままに、書名の通り、“生き方のバイブル”となるような滋味に富む感動実話を中心に収録しています。
五木寛之氏、稲盛和夫氏、王貞治氏氏、瀬戸内寂聴氏、村田諒太氏、加藤一二三氏、古賀稔彦氏、伊調馨氏、永守重信氏、山中伸弥氏……などなど、ジャンルを超えた一流プロフェッショナルたちの心の琴線に触れるお話が365篇収録されています。
本書の中から、関ジャニ∞の村上信五氏のお話の全文をご紹介します。
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「ジャニー喜多川さんの褒め方・叱り方」
村上信五(関ジャニ∞)
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実は僕、最初のコンサートで失敗したんですよ。
僕の役割は、エンディングでKinKiKids のお二人が持っている旗を受け取ったら、360度のステージを一周回って、ステージの後ろに引っ込むというものでした。リハーサルの時はうまくできたものの、いざ本番になると、大阪城ホールに約二万人のお客様がいるわけですよね。見たことのない別世界、ワァーという大歓声で、もう飛んじゃったんですよ。
で、ものすごいスピードで一周回ったら、まだKinKi Kids のお二人が歌っていらっしゃるんです。僕は音楽が終わったら戻る、まだ音楽が鳴っているから戻っちゃいけないと思って二周目を切りました。そうしたら途端に音楽が終わって他のジュニア(デビュー候補生)はワァーッといなくなったんです。ステージに残っているのはKinKi Kids のお二人と僕だけ。
このコンサートの最後はKinKi Kids のお二人がガラスケースに入ったら、そのガラスケースがパリンと割れてコンサートが終了するという演出でした。それがまかり間違ってKinKi Kids のお二人がパリンって消えた後、僕が旗を持ってシューンと真ん中を滑ってステージから消えた。
振付の先生からは「おまえ何やってるんだ。リハーサル通りやれって言っただろう」と怒鳴られ、これはジャニーさんにも絶対怒られると思っていたら、なぜかあの人だけが「ユー、根性あるよ」と褒めてくださったんです。
ジャニーさんから褒められたのは二度だけで、もう一回は初めてのテレビ収録の時、右も左も分からなかったんですけど、「ユー、素直でいいよ」って。
あとはずっと怒られていました。振り返ると、やっぱりチャレンジした時は怒られなくて、チャレンジしなかった時に怒られましたね。
それといま思い出したのは、コンサートの時に各ジュニアにお小遣いを渡して「これでユーたちの好きな物を買ってきちゃいなよ。レシート絶対忘れちゃダメだよ」って言うんです。それで買ってきてレシートを渡すじゃないですか。すると、ジャニーさんはそのレシートを一枚ずつじっくり見るんですよ。それで「ユー、センスあるよ」「ユー、センスないよ」って。
当時は「何を見てんねやろ」と思っていたんですけど、たぶん品物のチョイスなんですかね。理屈は分かりませんが、独特の感性を持っていた方だと思います。
『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』より