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甲状腺がん+肺転移の手術

病室に入ると四人部屋に一人。
少し寂しい気もしたけど、その日は薬剤師さんやオペ看の看護師さん、麻酔科の先生の訪問があって、それなりに忙しく1日が終わろうとしていた。

夜は友人が電話で話してくれた。
早く寝た方がいいんじゃない?と聞かれたが、術中は麻酔でぐっすり眠れるから寝不足でも大丈夫と眠くなるまで話をしようと思ったが、日中色々な人と話して疲れたのか0時前には眠くなって寝ていた。


翌朝のことはあまり覚えていないけど、手術室まで病棟の看護師さんと歩いて行き、オペ看の人と変わり手術室に入る前にまた急に悲しくなって泣いてしまった。

看護師さんは優しく寄り添ってくれて、すぐに気持ちは落ち着いて手術台に自分で乗って横になった。
手術室はAikoの曲が流れていて、それがまたなんだか物悲しく感じた。

前日の麻酔科の先生が冗談を言いながらどんどん進んでいく。
自分の目の前のライトがぐらっと揺れて、そのことを伝えたあと意識は無くなっていた。


呼ばれて目が覚めた時には手術が終わった時だったがまだうとうとしていた。
次に気づいた時はICUのベッドに移動した時だった。

終了時間を伝えていて、言われていた手術時間より短いな…と思った。

術前担当医からの説明で手術は6-7時間かかると言われてそんなに時間がかかるのかと驚いた私をみて担当医は軽く言った。

リンパの転移が厳しいところにあるからね。
それくらい時間かかるよ。

厳しいところにあるに怯みそうになるが、担当医のなんてことないけど?ってスタンスの姿勢に救われた。

術前に気管切開する可能性もゼロでは無いと聞いていたが、声が出て気管切開していないことにホッとした。
声は出るけどかなり力無く、完全に囁き女将みたいになっていた。
体にはバルーンは入ってるし、喉からはドレーンが出てるし、枕が硬くて頭は痛い。
唯一足についているフットポンプだけは気持ち良かった。

もともと仰向けで寝れないので、仰向けの状態がつらい。
看護師さんに伝えて手伝ってもらって横向いていたが、いちいち伝えるのが面倒になって自分でドレーンバッグを右に左に動かしながら、体の向きを軽く変えていた。

ICUに来たのが夕方で、一晩ICUで過ごすと言われていたが、他の患者さんの苦しい〜なんだかわからない〜と唸っているような叫んでいるような声がずっと聞こえてきていて全く眠れなかった…
もう一人いた男性の患者さんも眠れないのか一度、うるさい!!と怒鳴っていたが、全く静かにならなかった…

そして、低カルシウムのせいか手が軽く痺れる感じがした。
術前医師に低カルシウムのことを言われていたので、痺れのことを看護師さんに伝えて一度点滴され、痺れは改善した。

声のせいもあるが、麻酔から覚めて頭が妙に冴えてしまったせいか、身動きがとれないせいか、ほとんど眠れないまま翌朝になった。

翌朝から内服薬開始。
まずは水を少し飲んでムセの確認。
ムセなく飲めたら、チラージンとアルファカルシドール、乳酸カルシウムを飲む。
薬が大嫌いで飲むのが辛い…
それでもなんとか飲めた。

フットポンプを外されてベッドから起き上がって、立ってみる。
色々な管がついたまま立つのは不安だったが問題なく立てた。


車椅子で戻るのかと思ったが、ベッドで病棟に戻った。




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